第48話:厄神様はかく治され
どうもこんにちは。
初夢がカカロットを看取るベジータという訳分からなさ大爆発だったガラスの靴です。
皆様の初夢はどんなものでしたでしょうか?
さて、本日1月2日は姫はじ………ゲフンゲフン、仙台初売りが有名ですねっ!
では第48話をどうぞ!
「狭山ー、どうだったー?」
「筋肉痛のせいでまったく勉強出来なかった。そして得意科目という訳でもなかった」
「……そ、それはやばいな……」
「ま、頑張んなさい」
同情の言葉を投げかけながらも決して俺の責任ではないということを全く理解せず帰っていく2人。
「自業自得、と思われているのだろうな」
「誰のせいだと思ってるんだテメェーーー!!」
「直樹さん! 教室の中で暴れちゃダメです!」
「狭山、随分と調子が悪そうだが、何かあったのか?」
死神に襲いかかる俺を必死に止める厄病神。その図を正確に把握出来る一人、碧海が声をかけてきた。他の目には力学的にあり得ない光景なんだろうな。
「あったもなにも、こいつのせいで昨日はろくに動けなかったんだ」
「黄泉さんに従って、わたしが直樹さんの体に入れるかどうか試してみたんですが、やっぱり難しいみたいでした」
「宿主ならば多少負担も軽いかと思ったのだがな。実験は失敗だ」
「お前の方が厄病神と呼ばれるにふさわしいようだな……」
お陰で今日のテストは散々だ。鉛筆を走らせるのもきつい筋肉痛なんて初めて体験した。
「やはり今も痛むのか?」
筋肉痛が1日で治るんだったら世のサラリーマンはもう少し気軽に運動出来るだろうよ。
「そうか……」
暫く考え込む碧海。
「凛さん、どうしたんでしょうか……」
知るか。
そして、碧海が顔を上げた。
「よし、狭山。私の家に寄っていけ。痛み止めがあるだろう」
……是非とも。
「お邪魔します」
「邪魔する」
「お、おじゃまします……」
3人連れだって碧海の後ろをついていく。厄病神、ビビりすぎ。
「今は父上は留守だ。筋肉痛に効くかどうかは確かではないが、炎症を抑える薬を持って来よう」
碧海は俺達を置いて行ってしまった。正直この広い家で置いて行かれると心細い。
「心配せずとも碧海凛の言う通り誰もいないようだ。だが退魔士の使う薬か。性能に幾分興味があるな。持ち帰って分析すれば――」
「あらあら。それは困ります」
「……っ!?」
それはまずいだろ、と俺が言おうとする前に背後から声が聞こえた。
「な、な、な、な直樹さん!?」
後ろも向けず硬直する厄病神。安心しろ。源三郎さんではない。
「……お母さん、あんまり驚かさないで下さい」
振り返るとそこには碧海のお母さんがいた。和服が似合う相当な美人だ。美女と野獣、なんて言葉を言ったら源三郎さんに殺されるが。
「……気配が……」
「ごめんなさい。主人の仕事の都合で気配を消すのが癖になってしまって」
どんな癖ですか。
「凛さんのご両親って、どちらもすごい方なんですね……」
凄いのに違いはないが。
「あら、あなたが小夜ちゃん? 凛から話は聞いてます。そちらの男の子は………あ、黄泉さんですね。なんでも死神をなさってるとか」
なんで幽霊と死神に日常の世間話レベルの会話が出来るんだ。
「それで、残念ですけどうちのお薬をお譲りすることは出来ないんです。企業秘密ですから」
「あれ? でもさっき、凛さんが筋肉痛のお薬を持ってくるって……」
「母上! どうしたのですか!?」
その時、薬が入った袋と思われる包みを持った碧海が帰って来た。
「……凛、あなたが痛み止めをあげると?」
「……はい……」
「我が家のお薬は他の人にあげてはいけないということは知ってるわよね?」
「……はい……」
何やら不穏な空気が漂い始めた。今日のところは帰った方がいいかもしれない。
「そ、それじゃあ俺達はこれで――」
「直樹さん」
「はいっ!?」
こっちに来た。
「ちょっと見せていただけませんか?」
「え?」
「炎症の様子を見たいんです。こちらへ。あ、服も脱いでくださいね?」
「いや、やっぱりいい……ってあの、いいです! 帰りますから! 引っ張らないでくださ……あの、ちょっとおぉぉぉ!?」
「な、直樹さーん……」
「…………」
「何をされたのだ」
「…………」
知人の母親に身ぐるみ剥がされた恥ずかしさは経験しないと分からないだろう。
「はい、凛」
「母上、これは……?」
碧海のお母さんが碧海に渡したのは薬の入った包み。
「他でもない直樹さんのためですし。特別に調合したお薬よ。それでは直樹さん、これからも娘をよろしくお願いしますね」
終始向こうのペースのまま碧海のお母さんは家の中へと帰っていった。
「よろしくって、何を?」
「な、なんでもない! なんでもないぞ! 狭山、これが薬だ!」
碧海に渡された包みには塗り薬のような物が入っていた。
「中に説明書が入っている。それに書いてある通りに付けろ」
そうさせてもらおう。
「まさか母君自身が調合したものだったとはな……」
「あの、黄泉さん、怖いので分析とかはやめてくださいね……」
「ありがとうな。早速使ってみる」
「ああ。勉強頑張れ」
「凄いな……」
碧海家特製の塗り薬を言われた通りに使ってみると、それまで動く度ギシギシいっていた筋肉痛が嘘のように消えた。
「流石だな。ますます分析したくなった」
「よ、黄泉さん!」
「なんじゃお主らは……?」
何はともあれこれでまともに勉強出来るようになった。碧海には助けられてばかりだな。
「さ! 勉強するぞ!」
「……で、今度は?」
「学校に教科書忘れてた……」
「筋肉痛なんかに気をとられてるからだろ」
もうどうだっていいです……。
厄「どうして碧海さんのお父さんは名前で呼ぶのにお母さんはそのままお母さんなんですか?」
直「源三郎さんに『お父さん』なんて言ったらどうなると思う………」
死「殺されるな」
どうでしょうか?
上のはとある読者様から提案された形式で、これで裏事情なんかを説明しようと思うのですよ。
こうしたらどう、とかありましたらどんどん感想をお送り下さい。
ではでは〜!




