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第37話:厄神様はかく願えり

誰か、ネタを下さい。

早くもネタ切れになりました。

いや、やりたい話はまだまだあるのですが、まだ時期でないと言うか………

とりあえず、そんな中でなんとか絞りだした第37話をどうぞ。

 今日は部活も休み。

 俺は自由な放課後を満喫するためにいそいそと教科書を鞄にしまっていた。

「だというのに、まさかお前が来るとはな……」

「もれなくわが同好会へご招待です」

 俺に自由はないのだろうか。

 

 

「やあやあ直樹氏! 小夜君! 黄泉君! 3人とも元気かね!?」

 市原に拉致されて連れてこられたのはオカルト研究同好会。厄病神と死神も一緒だ。

「どうせならば玉藻君も招待すればよかったね! まあ過ぎたことはしょうがない! じっくりとくつろいでくれたまえ!」

 こんな所でくつろげるか。

 オカ研の部室は先日来たときよりもさらに不気味な空間と化していた。部屋の一角には文字通り禍々しいアイテムが山のように積んである。

「個人的には冷暖房も完備して欲しいのですが」

「あのな……」

「しかし、随分と集めたものだな。ここにあるのは全て本物の呪具ではないか」

「そうとも! 僕のコレクションさ!」

 全部本物なのかよ。きちんと管理しておけ。万が一呪いが漏れ出したりしたら殺すからな。

「この壺はなんですか? ふたがついてますけど……」

「それはジンの壺です。ふたをとると精霊が出てきて願いを3つ叶えてくれます」

「魔法のランプみたいだな」

 呪いだけじゃなくて幸運のアイテムもあるじゃないか。

「どれも等しく呪具さ! 人々にとっては魔力を秘めた道具はその効果に関わらず呪具と見なされるからね!」

 だったらそんなものをばら蒔いておくな。どうせ作ったのもお前らなんだろ。

「いや、一概にそうとも言えないのだよ! 人間の中にも強い力で呪具を生み出すことのできる者がいるからね!」

「錬金術師などはいい礼だな。その他にも妖怪が封じられた物が呪具として扱われる」

「それじゃあ、玉藻さんが入っていたあの置物もそうだったんですか?」

「そうですね。神楽さんが持ち出すものは大抵呪具です」

 なんてことだ。貴様それでも全知全能の神か。

「はっはっは! 僕が思うに直樹氏の生活には刺激が足りないのではないかね!?」

 そんなものいらん。平凡に生きるのが俺の目標だ。

「随分とくたびれた目標だな」

「なんだかおじいさんの言葉みたいです……」

「黙れ」

「では狭山さん、試してみますか?」

 何をだ。

「この壺です。どうぞ」

 市原が先程の壺を渡す。やれと?

「おお! それはなかなか興味深い! 直樹氏の願いは何かな!?」

「どんな人間もいざ願いを叶えるとなると俗物的な物になると言われるが」

「直樹さん、がんばってください」

 ……既に周りは敵だらけだった。何を頑張れというのだ。

 仕方がないので壺の蓋を開ける。

「……堅いな……」

「ただの壺ではないからね! 簡単にはとれないよ!」

 死神、手伝え。

「いいだろう。お前はそっちを持て」

 死神とふたりで壺を持ち、同時に引っ張る。

――ギュポン!!

「うぉ!?」

 かなり嫌な音をたてて蓋が外れた。壊れてないだろうな?

「おでましです」

 なんですと?

「ハッハッハ! よくぞ私を呼び出した! 願いを3つだけ叶えてやろう!」

「ほんとに出てきました……」

「マジかよ……」

「さあ、願いを言え!」

 そうだな、とりあえず金でも出してもらおうか。

「容易い!」

 精霊の言葉と同時に上から札束がどんどんと降り注いできた。

「い、いたたたた!! な、直樹氏、少し多くはないかね!?」

「もう一千万はありますね」

「まだまだ降ってくるな」

「こ、このままじゃこの部屋が埋まってしまいます!」

「阿呆かーー!? 消せーー!!」

「よし分かった!」

 すると腰まであった万冊の海が手品のように消え去った。

「残る願いはあと1つだ!」

 なんて奴だ。消せというのもカウントに入ってるのか。

「……もういい。こいつが神になれるようにしてくれ」

「え?」

 厄病神を指差す。変な願い事を言うくらいならそうした方がいい。

「あ、あの、直樹さん……」

「お前も早く神になりたいだろ。だったら今なればいい」

「……それでいいのでしょうか……?」

 何か文句でもあるのか。

「い、いえ、直樹さんがわたしのことを考えて言ってくれたのはわかっていますし、とてもうれしいです! でも、自分の力で神様にならないとダメだと思うんです」

 ……まったく、こいつは。

「はっはっは! これは一本とられたね! 直樹氏、君の負けだ!」

「最後の願いが他人の事か」

「しかもその本人に拒否されてます」

 黙れ。何を願おうと俺の勝手だ。それがたまたま厄病神に嫌だと言われただけだ。

「どうするのだ! 願いを叶えていいのか!」

「いや、その願いは無しだ。そうだな、俺はもういい。お前らあるか?」

 神楽達に尋ねる。

「そうだね! それじゃあ――」

「この部屋に冷暖房をつけてください」

「いいだろう!」

――ブオォォォ……

 夕方になって少し冷えてきた部室に暖かな風が吹き渡る。

「願いは叶えてやった! ではさらばだ!」

「はい。ありがとうございました」

 市原に見送られながら精霊は壺の中に消えていった。

「……僕の願いは……」

「滑稽だな」

「か、神楽さん……」

「……帰るか」

 望みは自分の力で叶えるべきなんだな、うん。


いかがだったでしょうか?

望みは自分の力で叶えてこそです。

だから小夜にはきっぱり断ってもらいました。

決して打ち切り用の最終回をちょっと変えて載せた訳ではありません。

あと困った時の願い事話という訳でもありません。


さて、次回のネタも浮かびません。

誰か、ネタを下さい。

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厄神様とガラスの靴
こっそり開設。
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