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愛と口付けを貴方に

本編お久しぶりです。今日からまたマイペースに頑張っていくので宜しくお願いします。

目の前には麗しい私の義兄もとい婚約者がうっすら唇を開いて今か今かと私が彼に口付けルのを待っている。彼の瞳に映る自分の姿を見つめながら、なんで簡単にお願いを聞くなんて言ってしまったのだろうと今更ながら後悔した。


「こうやってクリスティーナの顔を見つめられるのはとても嬉しいんだけどね。俺としては早くその柔らかな唇がこの身に触れるのを心待にしているのだけど」

「お待ち下さい。私にだって心の準備があるのですわ」


だってそうでしょう?先程自覚したばかりだけど私は彼が好きで、彼も私を愛していて、いつかはこういった行為をするだろうとは思っていたけれどそれが今でしかも私からだなんて思いもしないもの。初めてが私からなんて・・・恋愛初心者にはハードルが高すぎる。そんな私をよそに義兄は今か今かと私が行動を起こすのを待ちわびている。


「せめて、目を閉じていただけませんか?その・・・緊張してしまい心臓がもちません」


胸を切り開いて見せることが出来たら、きっと私の心臓は限界まで鼓動を速めて大きく膨れ上がっているだろう。


「わかったよ。・・・これでいいかい?君の照れている顔が見えないのは残念で仕方がないけれど」


そう言うと、義兄は綺麗なエメラルドアイを瞼の奥に隠した。あのなにもかも見透かしたような瞳が隠れても彼の綺麗な顔はひとつも損なうことなく私の目の前に晒される。私はこくりと喉を鳴らすとゆっくりと両手を義兄の頬に添えた。その時指先が震えていたから、私の緊張は義兄に伝わっているだろう。でもここから更に口付けをしないといけない試練が待っている。緊張と羞恥から、私の眼には涙の膜が出来はじめていた。


「まだかい?クリスティーナ」

「っ!!」


そんなに時間は経っていないというのに急かすようにわざとそんなことを言う義兄に、溜まりに溜まった涙がはらりと溢れてしまった。その涙が首に落ちたことで眼を閉じていた義兄はぱちりと眼を開けて私を見た。


「・・・泣くほど、嫌なのかな」


義兄は傷ついたように視線を反らす。私はそうではないと首を振った。


「恥ずかしくて、どうしたらいいか分からなくて・・・頭の中でぐるぐると考えていたら涙が溢れてしまったのです。メリオロス様が嫌だなんて少しも思っておりません」


溢れる涙を留めることなく義兄を見つめると、義兄は再び視線を戻し私を射抜いた。そしてふっと笑うと両腕を背中に回してとんとんとあやすように叩いた。


「クリスティーナにはまだ早かったかな。君は大人びたところがあるから大丈夫かなとは思ったんだけど、やっぱり初だったね。ごめんね、こんな我儘言ってしまって。やはり最初は、俺からさせてもらえるかな」


ちゅっちゅっと涙を拭うように頬に口付け、そして少しだけ顔を離すとゆっくりと、今度は唇に口付けを落とした。


「んっ・・・」


触れるだけの優しい口付けは二度三度と続き、少ししっとりとした柔らかな唇が自分のそれに触れることが、私はだんだんと好きになっていった。暫くその行為が続き、義兄の息を吐く音が聞こえると、私はゆっくり眼を開き義兄を見た。義兄の表情はとても穏やかだった。


「やっと、やっと君に触れられた。口付けはこんなに気持ちの良いものなんだね。もっとしていたくなる。きっと君だからそう思えるんだねクリスティーナ」

「私も、嬉しいです」


きっとお互い、心が満たされたからこんなにも穏やかで優しい笑顔になれるのだろう。口付けは言葉だけでは伝えられない愛情表現なのだとはっきりと分かったから、だから・・・


「ねえ、もう一度してもいいかい?」


そう尋ねる義兄の言葉に、


「はい」


恥ずかしくはあるものの、自然とそれを受け入れた。




少し短めでしたがキスするだけなのでこんなものでしょう。でも結局自分からしてなかったけどねクリスティーナ。まあおにいたまも結果キスできたので過程はどうでも良くなってますね!!次回はクリスティーナとのキッスでハイテンションのおにいたま、やらかしちゃった連中におしおきしちゃうぞ!の回です。お楽しみに!!

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