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ブラインドワールド  作者: だかずお
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『続異様な世界』

光堂の目の前に古びた大きな屋敷が広がっている。

連れさられたマサは一体何故こんなところに?警察官の後を追い屋敷に入ろうとしたが、中から鍵がかかっていた。

「ドンドン おいっ開けろ」

光堂はドアを叩き叫んだが、一向に開く気配はない。

一刻も早く助けなければ、焦る光堂。

背後から、その尋常じゃない様子を見ていたタクシーの運転手のギターが光堂の肩を自信あり気に叩く。

どうやら力になってくれるみたいだ。

ギターはいきなり、自分の身体を鳴らし始め一人で演奏をしている。コード弾きからアルペジオ気持ち良さそうにボディを揺らす。

一体こいつは何をしてるんだ?

必死にドアを開けようとしながら光堂は思った。

そして演奏を終えた瞬間、手を出してきた。ギターのボディの所には口があり彼は何か言い始める。

「何だ?」

「チップ テイップ」

光堂はギターを蹴り倒した。

ギターは壁にあたってしまい、砕け散るも手だけは残り不気味にチップを要求している。

光堂は無視して叫んだ「ドアを開けろ」

一向にドアは開く気配がないので、仕方なく屋敷の裏に回り窓を割り中に侵入した。

気をつけろ!!

光堂は自分自身に良い聞かせる。

異様な空気、マサが連れられてこなければ、間違いなくこんな場所にはこないだろう。

中は真っ暗だ、ゆっくり辺りを見渡しながら慎重に歩いて前に進む。

心臓は静寂を裂くようにバクバク音を立て鳴っている、こんな時、自分の心臓の鼓動はこんなにも大きな音を鳴らし動いていたのかと、妙に意識が研ぎ澄まされる。

すると目の前に一つの部屋が、そこの部屋から物音が廊下に響き渡っていた。

ドスッ ドスッ ドスッ

一瞬ゾッとなる光堂、何だよこの音は?

間違いなく奴らは、ここにいる

光堂は決断した 行くぞ。

すかさず、ドアを蹴り破り

「マサを返せ」

光堂はその異様な光景を見て驚いた。

その場所は、天井から、窓、床一面まで一面オレンジで塗りたくられていて、部屋の中心では、マサに似ても似つかない爺さんと警察官が、今まさに愛し合っている瞬間であった。

その後ろでは五人の坊さんの姿をした者が立ち、皆、片手に人参を持って、その人参を上に下にゆっくり上下させていた。

どうやらマサではなかったらしい。

中心の二人は、こちらを見て唖然としている。

まさに開いた口が塞がらないとは、こういう事を言うのかと思うくらい二人の男達の口は見事にあんぐりと開いていた。

目は瞬きひとつせず、依然見開いたままであった。

馬鹿らしくなり、光堂はすぐさま部屋を出た。

マサは一体何処に行った?

屋敷から出るとギターが自分で自分を修理している「チップ チップ」

大方修理も終わっていたので、彼に運転を頼み、もとの場所に戻ってみる事にした、光堂は先程蹴り飛ばし、壊してしまったのを申し訳なく思い、チップを多めに払い車を降りた。

すると先程の場所の辺りで、何やら両手を天にかざしながら歩いてるマサを発見。

どうやらまだ酔っ払っている様だ。でも、よかった無事だったか、連れて行かれたのは俺の早とちりだったみたいだ。

マサは光堂を見つけ言った「お酒飲もうよ」

光堂は、安堵の笑みを浮かべている。

コンビニで焼酎の缶500mlを二缶買って一つをマサに差し出した。

マサはかなり酔っている様だったが、またぐびぐび飲み始めている。

光堂も街を眺めながら酒を飲み始めた。

全くこれが現実なんて、イかれてやがる。

やはりここは随分おかしな所だと思い、吹き出しては笑ってしまった。

目の前では犬が二足歩行しながら、ペットの人間を首輪で繋いで歩いている。

人間は二本足で立って居て、何だかおかしな光景だ、ちなみに全裸である。

たまに飼い主の犬とペットの人間が、横並びになって、一緒にアイスを食べたりもしている。

アイスを食べさせると犬は、躾と言って人間にお手をさせたり、リードを引っ張り自分より後方を歩かせたりしていた。

光堂はそれを見てまた笑う、イかれてる。

しかし、本当に何なんだこの世界は?

マサを見るとマサは道端で横になって、また、ぐうすか寝ていた。

「ああ、マサも負けじ劣らずだな」

光堂はマサをその場に置き散歩する事にした。

「すぐ戻るから」

確かにこの世界はイカれてるが、今の所は平和で安全な場所だと感じていた。

この辺りの街は、地球と変わらない景色で、コンビニがあり、ビルや家が建ち並ぶ、ごくありふれた見慣れた風景であった。

少し歩くと少し広めの公園が、だか、そこの公園の光景は圧巻だった。

30人以上の人間、犬や猫が、交わり性行為を繰り返しているのだ。

公園の真ん中では舞妓さんが、三人手を繋いで踊っている。

どの連中も、みんな楽しそうだな光堂は思った。

こんなの俺の知ってる世界じゃ、みんな警察に捕まるぜ。

面白くなった光堂は、公園のベンチに腰をおろした。

喘ぎ声が飛び交う異様な公園

座っていると80過ぎであろう、お婆さんが横に座り会釈をしてきた。

赤いドレスを着て化粧は濃い

「火あるかい?」

光堂はタバコを吸わなかったので、ないと答える

「そうかい 私とやるかい?」

光堂は顔も見ず首を横に振った。

「このキチガイが」

婆さんは怒鳴って去って行く

光堂は落ちつかないので、その公園から、すぐ様出る事に。

公園を出る時に公園の名前を見て吹き出してしまった。

「性の飛び交うPark」

そのまんまだな・・

すると突然、物凄い、けたたましい音が辺りに鳴り響く

おぉぉぉぉぉあぉぉぉぉぉぉー

何だ何だこれは?

とてつもない叫び声

光堂は動揺して辺りを見渡す

一体何が始まるんだ?????



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