表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/35

異世界の薬

この物語で一樹はまったく強くありません

ですが、周りが強いです

そして、一樹は賢いので基本的に騙されたりしません。


一樹の基準はちょっとオタ入った大学生だと思っていただければ

よろしいかと思います。


一樹のあまりの驚きように

ミミは一樹を心配していた。


「どうしたのよ一樹、そんなに驚くことがあったの?」


「いや、ちょっとね

 この国には、そんな製塩方法があるなんてびっくりしたよ」


ハハハと苦笑いを浮かべ誤魔化そうとする一樹。

その人物が、どんな人生を送ってきたのか知らないので

日本人が、入り浜式塩田を広めたと知られるわけにはいかない一樹


「一樹の村では、そうゆう塩作りしてないの?

 だったら、この国は塩では一樹の村より勝ってるのかしら?」


「まぁどうかわからないけど

 お互い塩が、安定供給されてるってところは同じだから

 勝ってる、負けてるってのは比べる必要はないんじゃないのかな?」


(日本で入り浜式塩田なんてもうないよ

 膜濃縮せんごう法だっけかな? 

 今は工場で塩作ってるんだよな

 でも、入り浜式で作った塩のほうが美味しいんだよね)


そう、膜濃縮せんごう法で作られる塩は

塩化ナトリウム含有率99%以上なのに対して

入り浜式塩田で作られる塩は

塩化ナトリウム以外にも、カリウム、カルシュウム

マグネシウム、鉄など入っていて体にも良く美味しいのだ。


(逆にこっちの塩を輸入するのもありかもしれない)


そんなことを、考えていた一樹だが

これ以上話していると、ボロがでると思い

一樹は、薬のことに対して話題を振った。


「ところでミミ、この街で例の薬を買うには

 何処で買ったらいいんだい?」


「そうね、薬だと薬師の店から直接買うしかないわね。

 大丈夫よ、場所はわかるから」


(この街には医者という存在がいないのかな?

 まぁ、魔法で大抵の事はどうにかなるようだから

 医者がいなくても、不思議じゃないな)


そう結論づける一樹。


「そうか、これ食べたら行こうか。

 案内頼んだよ」


「そうねわかったわ」


そう言って焼き魚定食を美味しそうに食べる二人だった。

食事の料金を払い、店を出た二人は

そのまま、ミミの案内を受け薬師の店へと足を運ぼうとした。

しかし、一樹はあることに気づき、ミミに尋ねた。


「ミミ、薬代っていったいどれくらいなんだい?」


「そうね、物によりけりだけど

 5イェンから30イェンくらいじゃないかしら」


「結構するんだな。

 何個か試しに買ってみるつもりだから、ちょっと足りないかもしれないな。

 ミミ、商業ギルドってこの辺りにあるのかい?」


そう、一樹の持ち金は残り30イェンほど

どれだけ薬があるかわからないが

高額なものが、1つ30イェンでは今の持ち金では足りない。

そこで、今持っている手形を現金に変えようと思ったのだ。


「商業ギルドね。

 大丈夫よすぐそこにあるわ」


「そうか、ならこの手形を現金に変えたいんで

 先に、商業ギルドの案内と現金への交換を頼めるかな?」


「わかったわ、行きましょう」


そう言って、二人は先に商業ギルドへと向かった。

商業ギルドは、かなり立派な建物だった。

中は、かなりの人でごった返しになっていたが

そして、現金への交換方法だが

受付でギルド手形を渡すだけだった。

5分ほど待っていると、受付で現金を受け取った。

後でミミに聞いた話だと

手形を現金に変えるのも、現金を手形に変えるのもそう難しいことではないらしい。

早い話が、商業ギルドに加入して一定の金額を納めれば

誰でも簡単に扱えるものらしい。

ここでは、一定額以上の物を買うには

手形で決済するのが普通らしい。

なので、手形そのものを渡しても買い物は出来るようだ。

それなら、先にそう言ってくれと思う一樹だった。


(商業ギルドはいわば銀行のようなものだな

 この手形は小切手のようなものかな)


100イェンを受け取った一樹は、そのままミミと薬師の店へ向かった。

その様子を、じっと見つめる男がいたことに

一樹は、気づくことはなかった。

商業ギルドを出て、10分ほど歩くと薬師の店に着いた。

商業ギルドほどではないが、なかなか立派な建物だ。

中に入ると、店員が出迎え

店員はミミを見て、あからさまに嫌そうな態度を取っていたが

一樹が、金の入った袋を見せると、コロっと態度を変えた。


「すまないけど、薬の説明してくれないか?

 どんな治療に使うものなのか。

 どんな効果と副作用があるのか。

 しっかりと説明を頼む」


店員は、一樹に説明をしだした。

一樹の金目当てだったとしても、その説明は丁寧にされていたと思われる。

基本的に、この世界の薬は体力の回復や体調を整える薬らしい。

また、傷の直りを早くするそうだ。

どうやら、自己治癒能力を高める効果もありそうだ。

値段が高ければ高いほど、効力もあがるらしい。

また、治癒魔法の効果をあげる効果があり

治癒魔法では、どうにもならない場合に使用するそうだ。

特に副作用などは無く、安全な物らしい。

ただし、一日に何本も飲んでも意味がないそうなので

1日1本を目安に飲むらしい。

だからと言って、切断された腕に薬を塗れば腕がくっつくというような

脅威の回復力を持たせるようなものではないそうだ。


(日本版のユ○ケルみたいなものなのかな

 効果時間は12時間~24時間程度かな?

 これはちょっと期待はずれだったかもしれないな

 今の自分が、飲んでもあまり意味がなさそうだし

 父さんに飲ませてみて、どれくらい効果があるのか実験するしかないな

 出来れば、他に実験できればいいんだけどな

 まぁ、副作用はないっていうし問題はないと思うが)


ちょっと父親の扱いが、酷い一樹であった。

一樹は店で、一番安い薬から順に一番高価な薬まですべて一つずつ購入し

全部で合計で88イェン36セェンになった。

これは平民の月収の約4ヶ月分の金額になる。

それを、ポンと払い一樹は薬を持って店を出た。

それを、ホクホク顔の店員が見送っていた。


「う~ん、ちょっと期待はずれかな

 いまいち効果が、分かりづらい薬ばっかりだった」


そう一樹はミミに語りかけた。


「そうかしら、逆に聞きたいのだけど

 一樹の村の薬だと、どういった効果があるの?」


「そうだな、色々な効果があるんだけど

 腹痛が治る薬だったり、頭痛が治る薬といった具合に

 効果が限定的なんだよね

 だからこそ分かりやすいってのもあるだけどね。

 こっちみたいに、体力が回復します。

 体調が良くなります。傷の直りが早くなりますって感じだと

 確かに万能なんだけど、どの程度体力が回復するのか

 どれ位傷の直りが早くなるのか、よくわからないよね。

 安いものと、高いもの効果の違いが

 どれだけあるのかすも、よくわからないし何とも言えないよ。

 それに、人の魔力を使って薬が効果を発揮してる可能性もあるわけだし

 俺や村のみんなに、魔力が在るのかさえわからないからね

 実際一度村に持ち帰って、効果を確かめないといけない訳だし

 ちょっと困るな」


「一樹また村に帰るの?」


「そうだね。

 俺一人じゃ効果を確かめることもできないし

 何より今の俺は、体力回復も体調を整える必要もないわけだしね」


「そうね、それじゃあ仕方ないわね

 でも、一樹村へ帰る際は気をつけてね

 さっきから誰かつけて来てるわ」


「つけてきてる?」


ミミの言葉に、少し顔を強ばらせる一樹。


「そう、私を狙ってるって感じじゃないわね。

 多分狙われてるのは一樹よ

 なるべく、一人にならないほうがいいと思うわ」


「分かった。

 きっと俺の金目当てだろうな

 商業ギルドで渡された金額を見たのか

 それとも、広場のやり取りをみていたのかは知らないけど

 襲って金を奪うつもりだろう」


「きっとそうね、

 どうするの一樹、一樹に荒事には向いてなさそうだし

 それに、逃げるにしてもその膝じゃ無理でしょ」


そう、戦うことは勿論のこと

一樹の膝では、逃げることすら厳しいのである。

そんな事は、分かりきっている一樹はミミにこう言った。


「それよりも、この国では正当防衛は認められるものなのか?」


「正当防衛?」


「早い話が、襲われたのでやり返しましたって事」


「街の中で、争いが起った場合

 基本的には、両方罪を問われるわ。

 相手が、貴族や亜人なんかだとそれも違ってくるのだけれど」


「街の中ってことは、街の外だと違うのか?」


「そもそも街の外は、法の適用外となるの

 街の外で起こったことに対しては自分の責任とされるのよ

 だから、街の外で襲われたら護衛をつけずに外へでたのが悪いって事ね」


(つまり、街の外は無法地帯ってことか

 そもそも、街の外で何が起っても証拠なんてないだろうし

 それも、仕方の無いことだな)


「つまりあいつらは、街の中では襲ってこない?」


「いいえ、街の中でも一樹一人で出歩いていたら襲ってくるわよ

 人通りの無い場所なら、街の中でも関係ないもの

 でも、私が一緒にいる限り大丈夫よ

 相手も、亜人が護衛してるのに襲ってくるほど馬鹿じゃないでしょ」


「ミミはそんなに強いのか!」


「亜人を相手にするは、王宮の騎士でもない限り無理よ

 ちょっと腕に覚えのある程度の人間なら、まず負けないわ」


「亜人なら、大抵の奴には負けないってことかい?」


「負けないわね」


「なら、そうゆう馬鹿な事を考える奴には痛い目にあってもらうか」


そう言って一樹はある作戦を考えていた。

ついでに、ミミとハルクは

どっちが強いんだろうなんてことも考えていた一樹であった。


1月24日修正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ