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考える一樹

一樹コーヒー大好きですが

作者も大好きです

今日位はここで泊まっていって欲しいと言われたが

一樹は、このまま一度村に戻り

許可がもらえるかどうか聞いてくると言って断った。

また、明日にでも訪ねさせてもらいますのでと言って

足早にミミの家を出て行った。

そして、街を出て祠に向かう一樹。

その道中に色々と考えていた。

ちなみに、ハルクは仕事が終わったのか

それともたまたま休憩時間だったのか

城門にはいなかった。


(結構不味いことになったなあ

 確かに、この世界は魅力的な部分もある。

 でも、日本に父さんや母さんを残して、こっちで生活するわけにはいかないし

 何より、俺はまだ大学生で卒業くらいしたいしな

 何より、この世界では命の価値が低そうだ。

 奴隷なんかが、まかり通る世界だからな

 あまり、派手に事を進めると

 自分の命が、危なくなりそうなんだよな)


だからと言って、このままミミ達を放って置く訳にいかない一樹。


(亜人って、森やどっかで静かに暮らしてるんじゃないのか

 小説の亜人とかエルフって、そんな感じだよね普通

 街で姿を隠して、生活してるなんで聞いてないよ。 

 すでに、森かどっかに亜人の集落があるもんだと勝手に思ってたわ。

 だからと言って、ミミ達をこのまま放っておくに訳にはいかないだろ。

 俺が協力しない限り、ミミの目指す村を作ることは不可能だ。

 村を作るには、莫大な時間と何より金がかかるし

 時間は、数で補うことが出来るが

 金は、どうやっても補うことは出来ないからな。

 今のミミ達に、それだけの金を用意するのは不可能だ。

 あんなところで生活してるんだ。

 貯金だってないだろうし

 だからって、このまま亜人を放っておいた場合

 間違いなく、人との間で争いが起こるな

 しかも、俺が原因で争いが起こるなんて考えたくないわ

 こんなことになるんだったら

 服従の契約の回避方法なんて見つけるんじゃなかった。

 しかも、亜人が魔獣の使役まで出来るなんて思わなかった。

 ミミは、静かに暮らしていければいいなんて言ってたけど

 そうは思わない連中だっているだろうしな。

 それに、このまま村が出来なければ

 もう人に、服従する必要はなくなったんだから

 力で権利をもぎ取ろうとする奴がでてきてもおかしくない)


一樹はウ~ンウ~ンと唸りながら考えていた。

傍からみると、殆ど危ない人だ。

だが、一樹は真剣なのだ。


(こりゃ自分の生存を第一に、ミミ達に協力していくしかなさそうだな。

 といっても、俺だって貯金がそんなにあるわけじゃないし

 残りの貯金も10万ちょっとか

 雪へのエンゲージリング代で、50万以上飛んでいったからな。

 初任給が、大体手取り18万ってことだったから

 3ヶ月分の精一杯見え張って買ったエンゲージリング結局渡せなかったよ。

 それに、砂糖も胡椒も高額で売れるが

 村一つ作るとなると

 どれくらいかかるか検討もつかんし

 あまりに砂糖と胡椒を持ってきすぎると

 こっちの世界で値段が、暴落する恐れもあるかな。 

 暫くは、こっちの世界から日本に輸出出来そうなもの探して、

 日本からこっちの世界に輸入できるものを新たに発掘していくしかない。

 取り合えず、父さんと母さんに連絡して夏休み中は帰れないって

 言って置くしかないか・・・ハァ~)


なんだかんだと考えながら、無事祠に到着したが

辺りはもう薄暗くなっていた。

薄暗い森は、かなり不気味な雰囲気だ。

森の中からは、獣の遠吠えが聞こえてくるような感じがする。


(そういえば、この森には魔獣の類は生息してないのか?

 もし生息してるようだったら

 ここの移動についても、少し考えないといけないな

 今まで遭遇してないのが、ただのラッキーかもしれないし

 今度ミミに、この森について聞いてみるしかないな)


そう考えてから、祠を通り抜け日本に戻り車で街を目指す事にした。


(さすがに、二泊連続で車の中で寝たくはないからな)


町に向かう途中ふと携帯を見てみると、携帯の充電が切れていた。

一樹は、車用携帯充電器を差込み携帯の電源を入れると

そこには、30通を越えるメールの受信数

ほぼ母親からだった。

やばい、この2日間まったく連絡してなかった。

雪のことでかなり心配かけて、この一人旅も反対されてたからな

結構無理やり旅行に来たからな~

こりゃ電話しないと不味そうだ。

そう思い、母親に電話を掛ける一樹


「あ、もしもし、母さん俺一樹」


「一樹、どれだけ心配かければ気が済むの

 この2日連絡しないで、今何処にいるの?」


母親はかなり怒っているようだ。

火に油を入れるわけにはいかないので、一樹は素直に謝る。


「ごめん、母さん全然連絡できなくて」


「もういいわ、一樹が無事だったんだから」


「今T県にいるよ、」


「T県、一樹はS県に旅行にいったんじゃないの?」


「そうなんだけど、途中で面白い村の伝説があってさ

 ここで、夏休みが終わるまで

 その事について調べようかと思ってさ」


さすがに、母親にも本当のことはいえないので

なんとか理由を付けて

この街に、留まろうとする一樹。


「何よ、その面白い伝説って」


「いや、ただの民話みたいなものなんだけどさ

 ちょっと変わった話でね

 それについて色々調べて卒論にでもしようかなって思ってさ」


(研究に熱中してて、連絡を忘れてたって事にすれば

 この先も、連絡が付かなくても何とかなるだろう。)


一樹は、集中すると一つのことしか目にいかない性格なので

それを、母親は知っている。

その理由を使えば、母親もなんとか納得してくれるだろうと思っていた。


「そうだったらいいんだけど、連絡くらいはちゃんとしなさいね」


「わかったよ、ところで父さんはかわりない?」


「かわりないわよ

 でも、流石に1週間に1度の人工透析は大変みたいね」


「そうか、取り合えず父さんにもよろしく言っておいてよ

 じゃあ、また連絡するからね」


そう言って一樹は携帯を切った。

父親の病状が変わりなく、一安心の一樹

もし、父親に何かあったらミミ達に協力してる場合ではないからだ。


(ハァ~夏休みの間は、なんとかなったな

 でも、これでこの街の伝説について

 調べなきゃいけなくなったな・・・

 調べてる時間あるかな?

 取りあえず、大友さんの店でコーヒーでも飲ませで貰うか)


そういって、一樹は車で昨日の喫茶店まで足を運んだ。

車を、店の駐車場に停め中に入る。

相変わらず、駐車所に他の車は停まっていなかった。


「こんばんは~、またブレンドコーヒーお願いします」


一樹が、店の中に入ると

大友が、笑顔で出迎えてくれた。


「ああ昨日のお客さんだね

 また来てくれたんだね、ありがとう」


「ええ、ちょっと大友さんから教えてもらった

 この街の伝説について、興味がでましてね

 ちょっと夏休みの間に、調べて俺も卒論にでもしようと思いましてね」


「そうかい、なら俺の卒論でも見てるかい?

 まぁそのまま君の卒論として、提出しまってもいいんだよ」


「いいんですか、そこまでしてもらっても?

 自分の研究の成果なんでしょ?

 そんなものを、俺に簡単に渡していいんですか?」


「この街に滞在してる間にこの店にちょこちょこ

 顔をみせてくれれば俺も嬉しいからね

 それに、この街について興味をもってくれたのは嬉しいからね」


「そうですか、ではここに滞在してる間は

 なるべく顔をみせるようにしますよ

 俺も、大友さんのコーヒー飲みたいですからね」


「ありがとう、ちょっと卒論については

 家捜しでもしないと見つけられないと思うから

 暫く待って時間を貰ってもいいかな?」


「かまいませんよ、まだ夏休みは十分ありますから」


「そう、それはよかったよ」


それから、一樹は大友と色々な話で盛り上がった。

大友のサラリーマン時代の話はこれから就職を控える

一樹にとってとても為になる話や

この街が、過疎化で困っていて、

村おこしでもしないと本当に不味いなどの深刻な話など

話は尽きなかった。

しかし、そろそろいい時間になり

さすがに、2日連続で車の中で寝るのは、勘弁して欲しい一樹は

この辺りに、宿泊施設がないか聞いてみた。


「そうだ、大友さんこのあたりに

 素泊まり民宿みたいなところはないですかね?

 できれば、値段も手ごろなとこがいいですね。

 まぁないなら、今日も車の中で寝ればいいだけですけね」


「この先に行くと、道の駅があるからね。

 そこには仮眠スペースがあるからそこで寝ればいいよ。

 そこなら朝食も取れるし便利だよ」


「ありがとうございます。

 それじゃあ、また来ますね

 その時は卒論よろしくお願いしますね」


「わかったよ~探しておくから」


そう言って会計を済ませ一樹は道の駅に向けて車で走る


(ラッキーこれで、父さんと母さんへ報告も出来る。

 夏休み使って全然調べられませんでしたじゃ

 さすがに不味かったからな)


そして、一樹は道の駅の仮眠スペースでぐっすりと眠りに付いた。


作者は昔自転車で日本中旅していたとき

道の駅で泊まってました。


感想もらうと執筆が早くなる気がします

感想待ってますねぁ~


1月24日に修正しました。

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