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第1話 『再会』


「もう関わらないはずだったのに」

そんな再会から始まるお話です


一人暮らしは快適だった。

誰にも邪魔されず静かな空間。


あいつが隣の部屋に引っ越してくるまでは。



―――




インターホンが鳴ったのはいつもと何も変わらない夜だった。


「あれ、俺宅配頼んだっけ」


何も考えずにドアを開けた瞬間、時間が止まる。


「夜分遅くにすみません。

隣に引越してきた… って祐希…?」


低くて、よく知っている声。

身体がその声に反応する。


「なん…で、」

そこに立っていたのは、俺が学生時代付き合ってた

元彼の伊吹だった。


「久しぶりだね。この辺りに住んでるとは聞いてたけどまさか隣の部屋だとは思わなかっ…」


「人違いです!!」


伊吹はまだなにか喋っていた気がしたが、俺は勢いよくドアを閉めた。


心臓の動悸がうるさい。人違いなわけがない。

間違うわけがない...。


「なんでよりによって…隣の部屋なんだよ…」


俺が単純に伊吹を毛嫌いしてるわけじゃない。

会いたくなかった。

俺と伊吹は再会しちゃダメなんだ…


伊吹は俺が高校生の時に付き合ってた元彼で、

屑な元彼だったから。

俺が恋愛しなくなった理由の人だから。


「あいつを忘れるために引っ越したのに…」



―――



気づけば仕事は終わっていた。

俺はちゃんと帰ってきてこれたらしい。


「帰ってくるタイミングも一緒なんてないよな…?」


俺がドアノブに手をかけると隣からまた聞き覚えがある声がきこえた。


「祐希も今帰り?」


「うわ、最悪…」


「でたよって…そこまで言われると悲しいなあ」


俺の反応を見てあいつは笑っていた。


「もう俺に話しかけてくんなよ!

あのことを忘れた訳じゃないんだろ?!」


やっぱり無理だ。元彼が隣の部屋なんて、

顔も合わせなくなかったのに…。


そう思いながら部屋に入ろうとした瞬間…


「ねえ。俺は祐希のこと忘れたことないんだけど…」


部屋にドカッと鈍い音が響いた。

伊吹の声が耳元で聞こえる。

一瞬何が起きたのか分からなかった。


「どけよっ…!!何してんだよ!」


「どかない。やっと祐希に会えたのに…。

ずっと祐希を探してたよ」


「そんなわけなっ…」


最後まで言い切る前に、唇を塞がれた。


何が起きたのか理解する前に、思考が止まる。


触れられただけなのに、心臓が嫌なほど跳ねた。

押し返そうとした手は、伊吹の肩に触れたまま動かない。


近すぎる距離に、呼吸が乱れる。

逃げなきゃいけないのに、身体が言うことをきかない。


「んっ…やめっ…」


伊吹は俺の反応をみて微笑んだ。


「ほら…やっぱり俺の事忘れてないでしょ?」


「…っっつ!!ふっざけんな…!!!」


俺は伊吹の肩を掴んで突き放した。

体が揺れで、ようやく距離が空く。


何が起きたか理解した瞬間に色んな感情が頭を押し寄せてくる。


こいつはダメなんだ。

だってあのとき離れていったのは……


「忘れるわけが無いだろっ…!!!あの日お前から離れていったのに…!今更意味わからねーよ…!!」


溢れ出した感情や涙はもう止まらない。

気づたいた時にはもう自分の部屋に帰っていた。


「あの日お前が俺のことを振ったんだろ…」


俺は高校生の時に伊急に急に別れを告げられた。


俺とは遊びで付き合っていただけだって…

その時に俺は決めた。


もう恋愛をするのをやめよう…

誰かを好きになることも…誰かと関わることも…


だからあいつとは関わっちゃいけないんだ。





読んでいただきありがとうございます。

このあと、伊吹がさらに距離を詰めてきます。

続きもぜひ見てもらえたら嬉しいです。

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