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結局、彼らに残された選択肢は、この首都ケドヤーヘンで、息を潜めて2日間を過ごすことだけだった。だが、ただ安宿

に籠っていても、状況は好転しない。セダスタの提案で、4人はひとまず、情報収集と土地勘の把握を兼ねて、この巨

大な石造りの街を散策することにした。


ケドヤーヘンの街並みは、彼らの故郷クドゥクシュの都を思わせる、古色蒼然とした威容を誇っていた。天を突く尖塔

群は、それぞれがひとつの城にも匹敵するほどの存在感を放ち、その壁面には、歴史の重みを物語る精緻な彫刻が施さ

れている。その塔と塔の間を、光の軌道を描いて走る飛空艇や、幾何学的な模様を描く空中回廊が結び、過去と未来が

同居する壮大な景観を織りなしていた。


「……妙に、警備の数が多いな」


鋭い観察眼を持つダヒシールが、腕を組んで呟いた。彼の言う通り、街の要所要所には、ホリハックの制服を纏った兵

士たちが、普段よりも明らかに多い数で配置されている。


リャチも、周囲の喧騒の中に、どこか浮足立ったような空気を感じ取っていた。人々は、特定の方向へと、まるで川の

流れのように吸い寄せられていく。その視線の先では、尖塔から尖塔へと、巨大な紫色のタペストリーが、風を受けて

はためいているのが見えた。そこには、彼らが見慣れぬ、剣と翼を組み合わせた紋章が、金糸で刺繍されている。


人々の流れに導かれるようにして、セダスタがたどり着いたのは、街で最も開けた中央広場だった。そこには、巨大な式典

用のステージが設営され、大型の立体映像スクリーンが、まだ何も映さないまま、静かに出番を待っている。


「……何か、大きな催しでもあるのか」


セダスタが、広場の隅に設置された、金浮彫の額装の電子案内板に目をやった。

そこに表示されていた文字を読み、彼は後ろを振り返った。


「なるほど、こういうことか」


画面には、荘重なフォントで、こう記されていた。


『本日、首都中央広場にて、新総督 ビエノ・フア・オグダリエ 閣下 就任式典 挙行』


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