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蒼白の邂逅

前作はちょっとエタって終われたのでね。

修正しつつ描きやすく風呂敷広げ過ぎないように頑張る。

そんなところ






 その日、彼女は白に出逢った。






 早瀬(はやせ)詩織(しおり)は魔法少女である。



 魔法少女とは、この世界に突如現れた人類の敵、 “魔物” に対抗する様に現れた存在だ。

 非科学的な力、“魔法”を操り、まるで創作のように魔物を倒していく存在。


 非日常に生きる不思議な少女達。


 そんな少女達もやがて社会に受け入れられ、もはや一つの日常となった。

 それは一つの仕事となり、偶像となり、娯楽となった。


 素質を持つ少女達は可憐な魔法少女に憧れ、そして目指す。


 それは彼女も例外ではなく、同じ様に憧れ、そして非日常を日常とする存在へと成った。


 だが、忘れてはいけない。

 魔法少女は“人類の敵”と戦っているのだから。




「はぁ…はぁ……うっ、ぐ…。」


 青い装束を纏った魔法少女、詩織は一体の獣の前で膝を付いていた。


 少女の全身を遥かに上回る大きさを持った巨大な狼の魔物は詩織を静かに見下ろしている。


 どうして、こんな事に。


 本来はランクCの魔物“黒狼(ブラックウルフ)”を討伐しにきただけだった。

 少女の実力では少し弱い、その程度だったのだ。


 実際、途中までは順調だった。

 水の魔法と剣を使いその群れを軽々と倒していたのだ。


 最後の一体を除いて。


 ソイツは急激に巨大化し、姿を変化させた。


 それが今、目の前にある怪物だ。


 この魔物は上位種、“闇狼(ダークウルフ)”と呼ばれる魔物。

 ランクは一つ上のランクB。

 成長か、突然変異か、それは分からないが、一つだけ。


 今の彼女には倒せない敵だった。


 本来ならばランクBは彼女からすれば苦戦こそすれどなんとか倒せる相手。

 そして彼女は火力面だけで見ればランクAにすら届きうる実力を持っている。


 だが、闇狼(ダークウルフ)はランクBの中でも最上位級。

 少なくとも少女はまだ一人で倒せない相手だ。

 その上でコイツは速度が異常に速く、近接に対する特攻の様なモノもあった。


 その結果が現状を示している。


 少女は全身に切り傷を負い、失血により意識が朦朧としている。

 足は重く、動きは鈍り、遅い。

 次の攻撃は避けられない確信があった。

 そして、恐らくそれで自分は死ぬ。


 身体が恐怖で震える。

 絶望の足音が近付いてくる。


 ……くる。



 ……ごめん、お姉ちゃん。



 詩織は目を瞑った。




 だが、それが少女の意識を永遠に奪う事は無かった。



 詩織は能動的に目を開け、そして目の前に誰かがいる事を理解した。


「あなた、は…?」


 それは白、ひたすらに純白。

 色彩の一切を塗りつぶす様な白色。


「……無事?」


 幼く、しかし恐ろしい程冷たく無機質なその声は詩織に問いかける。

 そして、その声で白い人物が少女だと彼女は理解した。


 何故なら全身がローブに包まれていて、更に顔はフードを深く被っていて見えないのだから。


「下がっていて、邪魔だから。」


 闇狼(ダークウルフ)の突進を結界らしきもので留めてながら白の少女は告げる。


 そのいい様には少しムッとしたが、彼女は冷静になりつつある思考で理解している。

 今、自分は足手纏いにしかならないだろうと。


 だが、やけに素直に従った。

 自分は本来もう少し反発しそうなのだが。

 あの無機質な声に驚いたのか、それとも。


 そんな事を考えている内に動きがあった。


「“暴風波(吹き飛べ)”」


 風の魔法。


 それはあの巨体をも軽く吹き飛ばす。


 青の少女は驚愕する。

 レベルの魔法をノーモーションで放った事に。

 しかし、そんな暇もなく少女は魔法を続ける。


「“氷槍(貫け)”」


 氷の魔法。


 幾つもの氷の槍が、闇狼(ダークウルフ)の堅牢な肢体を簡単に貫いていく。


 その展開速度、発動速度は彼女がどれ程の実力者かを存分に理解出来るものだった。


 闇狼(ダークウルフ)はたまらず悲鳴を上げ、当たらない様に大きく下がった。


 だが、少女から離れたその瞬間。


「“極爆炎(これで終わり)”」


 爆炎が、闇狼(ダークウルフ)を包み、焼き溶かす。


 余波の風圧や熱波を腕で覆いながら詩織はポツリと零していた。


「すごい…。」


 あの様子ならまだ余力か残ってある筈。

 一体どれ程の実力者なのか。

 あまりの強さに呆然としているとその少女は此方に振り返って近づいて来ていた。


「あ…、その…。」

「じっとしてて、治すから。」


 有無を言わさず白い少女は杖を詩織に向けた。


「“生命の輪(傷を癒せ)”」


先程まであった彼女の傷はみるみると消えていく。

それは彼女は有り得ないと驚愕させるに充分の現象だった。


「嘘…これ、回復魔法…!?どうして…!?」

 

 魔法少女には絶対的な法則が一つある。

 それは攻撃に関する魔法を持つ魔法少女は回復魔法を使えないと言う事。

 逆も然り。

 回復魔法を使える魔法少女はソレ一つしか使えない。


 だと言うのに目の前の少女は…。


「あなた…一体何者なの…?」


 驚愕は疑問に、疑問は警戒に変わる。


 本来ならば何も聞かずまずは感謝するべきだった。

 しかし、つい口に出てしまった。


「答える必要性が無い。」


 少女は何処までも無機質に答え、そして背を向けた。


「此方はもう行く、では。」


 少女は咄嗟に声を上げる。


「えっ、ちょっとまって…!」



 ……



 次の瞬間には白の少女は消えていた。





「……転移魔法。」




「いくらなんでも異常すぎる…。」




「…お礼、いえなかったなぁ…。」





「次、また会えたら……。」





 これが、少女達の最初の邂逅だった。

総評 : 初邂逅としてはまぁまぁ

暫くはこの調子で仕込みを続けよう

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