プロローグ
初めて書きます。趣味全開で書きますのでご注意ください。
賀川紗奈 21歳 死因自殺
きっと私の死亡診断書にはそう書かれるのだろう。別にいいじゃないか、生まれることすら選べないんだ。引き際を選んだっていいだろう別に。目頭が熱くなっても無視をする。極端に物が少ない部屋を整理する。出てきたアルバムは真っ白だ。少し苦笑いをしゴミに分別する。部屋の物を捨てロープをかける。不思議と気持ちは凪いでいた。もう怒鳴られないで済む、もう蔑まれないで済む。もう何もしなくて済む。それだけがどれだけ救いとなるのか。
足がすくむ。まあ仕方がないか、それが生き物の本能みたいなものだし。そうぼやきながら。首をかける。私が死んだら誰かしらは悲しんでくれるのかな。そんなわけないか。人の功績奪って笑ってたやつらにそんな良心があるわけないし。
「クソッタレな人生だった」
ああ本当に。同僚に短く警察に連絡を入れるようにメールを送る。部屋はあらかた綺麗にした。まあ事故物件は安くなるらしいけど。それでもそこんじょらの部屋よりは綺麗なはずだ。足の台を蹴ると今ままでのことが走馬灯として蘇る。孤独だった。母は知らない男の名前を口ずさみながら鏡台に座っていた。父は友達と出かけて飲み歩いてばかり。お気に入り以外の生徒に見もしない先生。助けてと言っても聞こえないふりをする人たち。どれだけいい点数を取っても見向きもされない。悪い点を取れば殴られる。いつも私は誰かの機嫌を取って生きてきた。ひたすら努力すれば認められると思ったのに!! 何もしても褒められず何をしても意味がない。虚無しかなかった。
やっとやっとここまでこれたんだ。
どうか次なんてありませんように。
そう願ったはずじゃないか神様。痛みともに突如現れた情報に呆然とする。ねぇなんで思い出してしまったの?こんなことなら思い出さなければよかったのに。
「リア、大丈夫?」
目の前に手を差し伸べるはアメジストブロンドを持つ青目の美少年。とりあえず私は情報量が多くて泣くことにした。
だってぶつけたおでこめっちゃ痛いし。