第5章 すれ違う想い
匿名の贈り物のことが気になりつつも、私のISAMUさんへの想いはだんだん大きくなっていく。
「ISAMUさんって、どんな人なんだろう」
「え?また〜?結衣、完全に恋してるじゃん」
美咲にからかわれても、もう否定しない。確かに恋してる。でも、叶わない恋だってことも分かってる。
そんなある日、私はついに勇気を出してISAMUさんに聞いてみることにした。
「ISAMUさん、もしよかったら…今度、リアルでお会いできませんか?」
ウェブ会議の画面越しに、ISAMUさんの沈黙が続く。
「ゆいちゃん…」
「あ、迷惑でしたら全然大丈夫です!ただ、もっとISAMUさんのことを知りたくて…」
「ゆいちゃん、君は本当に素敵な子だよ。でも、僕は君とリアルでは会えない」
「どうしてですか?」
「複雑な事情があるんだ。でも、君との時間は僕にとってとても大切で…」
ISAMUさんの声が震えているような気がした。
「でも、僕が君の人生に深く関わるべきじゃない。君にはもっと素敵な未来が待ってる」
「そんな…私は、ISAMUさんと一緒にいる時が一番幸せなんです」
「ゆいちゃん…ありがとう。でも、これは僕の我儘だから」
その日のウェブ会議は、いつもより早く終わった。
私は部屋で一人、涙を流した。どうして会えないんだろう。どんな事情があるんだろう。
でも、ISAMUさんの声に確かに愛情を感じた。私を大切に思ってくれている。なのに、会えない理由があるなんて。
もしかして、ISAMUさんは結婚してるのかな。だから、若い女の子と会うわけにはいかないとか。でも、それなら最初からそう言えばいいのに。
私は混乱していた。




