第4章 気づいた優しさ
ウェブ会議を始めて1ヶ月が経った頃、不思議なことが起こり始めた。
学校から帰ると、玄関に小さな荷物が届いている。差出人の名前は書いてないけど、中身はいつも私が欲しがっていたものばかり。
最初は、私がSNSに「このアクセサリー可愛い〜」って投稿した次の日に、全く同じアクセサリーが届いた。
「お母さん、これ注文した?」
「え?私じゃないけど…誰からだろうね」
次は、私が配信で「このお菓子美味しそう〜」って言った翌日に、そのお菓子が届いた。
「もしかして、視聴者さんからのファンレター?」
でも、差出人の名前がないから、お礼も言えない。
そんなある日、ISAMUさんとのウェブ会議で何気なくその話をしてみた。
「最近、匿名の贈り物が届くんです。多分、配信を見てくれてる誰かだと思うんですけど」
「あ、そうなの?どんなものが届くの?」
「私がSNSで可愛いって言ったアクセサリーとか、配信で美味しそうって言ったお菓子とか…本当に偶然なのかなって思うくらい、私の好みにぴったりで」
「それは…すごい偶然だね」
ISAMUさんの声が、なんだかちょっと慌てたような感じがした。
「ISAMUさん、私のSNS見てくれてるんですか?」
「あ、ええと…たまに、ね。配信の告知とかしてるから」
嬉しい。ISAMUさんが私のSNSを見てくれてるなんて。
でも、匿名の贈り物のことは、その後も続いた。私が風邪を引いて配信を休んだ時は、のど飴と温かいスープが届いた。私がテストで疲れてるってぼやいた時は、リラックスできるアロマキャンドルが届いた。
まるで、私のことをいつも見守ってくれている誰かがいるみたい。
そして、私はふと思った。これらの贈り物の選び方が、ISAMUさんの優しさととても似ている気がする。でも、まさかね。ISAMUさんがわざわざそんなことするはずないし、第一、私の住所なんて知らないはず。
でも…もしかして?




