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イメージすれば出来るのでしょう?

魔法って、楽しいわね?


私はシュラーフから、魔法を習った。


習ったと言うか・・・

思い付く魔法を、実際に見せて貰った


規模の大小は、魔力量で何とかなるし、

慣れたら無駄が無くなるそうだ。


「結構簡単に出来る物なのね?」


私は水の玉を出し入れしたり

形を変えながらシュラーフに話しかけた。


「いやさ、基礎は伝えたよ?一回でそこまでは普通出来ないって、一体どんな頭してるの?」


私は聖女で、全ての属性が使える。


魔力量もかなりあるから、

イメージさえ掴めたらごり押しが可能らしい


簡単な魔法で先ず慣れて、色々試してみた  

「見えない魔法はよく分かりにくいわ。

しっかり"現象"を思い浮かべないといけないみたい」


一瞬でやる方が楽だわ


私は目の前のカップを左右に移動していた。


一瞬で移動させるより、

ゆっくりずらす方が私には面倒くさい。


「・・・普通は逆です。物体の瞬間移動は、

魔力量が、かなり高くないと出来ません。 だから皆やってもゆっくり移動させます」


シュラーフは呆れながら、

自身は使えないけど、見た事がある魔法も、

どんな物があるかを教えてくれた。


「なぜシュラーフは、私に何でも教えてくれるの?後から怒られたりしないの?」


不都合は生じないのだろうか?


「さすがに何もかも教える事は出来ないよ?

国家機密とか犯罪に加担する物も。実際には魔法で犯罪をするのは難しいんだよ」

そうなの?オタクの王子やってたわよね?


「重要な物は、大概大魔導師の結界があるから、近づく事すら難しいだろう」


ふーん、

内部からやられたら結界は無駄じゃない?


「今話しているのは、通常の魔法だし、こちらの不手際で呼び付けたんだ、歴代勇者パーティーも、丁重に扱う様に国から指示が出ていたよ。王子がバカすぎる事が異例だね」

あー、バグなんだ・・・


「魔法で王子をどうにかできないの?」

精神干渉出来るのよね?


「精神干渉出来るのは、大魔導師の2名しか聞いた事が無い。しかも他所の国なんだ。

王子はバカなだけだから、忙しい大魔導師をわざわざ呼びつける程では無い。こちらが頑張るだけなんだ・・・」


はぁ、と盛大にため息をつき、

シュラーフは力無くソファに沈む。


「大変ね?両親は何してるの、教育係は?」


あの歳で、あんなにも傲慢な王子など

この国、お先真っ暗じゃ無いの


「王妃が早く亡くなったんだ。王は後妻を娶らず、乳母が育ててた。同情もあり、国王に甘やかされていたから、かなり我儘で」


それは、気持ちはわかるけど・・・ダメよ


「5歳の頃かな?乳母が目を離した隙に、癇癪を起こして、王子の魔力が暴走した」


5歳で暴走って・・・何が不満だったの・・・


「被害を広げない様に、それを止めに入った乳母は・・・亡くなったんだ」

それは辛いわね・・・


「それ以来、周りは王子の暴走を恐れてしまい、誰も進言出来なくなってしまったんだ。

国王は、息子を可哀想に感じていたから、強く言えなかったしね」


なんて悪循環な・・・王子は無知なままなのね


「シュラーフは?貴方は何をしていたの?

見た感じ、王子を抑えているじゃ無い?」


貴方がいたなら何とかなったのでは?


「フェルゼンに戻ったのは2年前なんだ。

11歳からゴルドファブレン王国の学園で寮生活をして、卒業後はヴィント魔導国で生活をしていた」

いなかったのね・・・


「2年前に、国王から呼び戻されたんだ。

その頃には王子は"立派なバカ王子"になっていたんだ。今は僕が監視役かな?通常の仕事もあるから、代役を立てるけど、今回の様に悉く代役が巻き込まれる」


シュラーフは限界なのだろう。

彼は、思い出しただけでも顔色が悪くなった


私はシュラーフが不憫に感じたから

疲れが抜ける様にと、手を合わせ願った。 


お寺や神社で祈る様に


すると、シュラーフの周りが

"キラキラとライムグリーン"に輝いた


「あ、あれ、身体が軽い?頭痛も、肩凝りも、胃の痛みも、なくなった?」


シュラーフは肩をぐるぐる回したりあちこちを触っている。


「癒しの魔法出来たみたいよ?」


私はシュラーフに笑いかけた


「え!触らずに、そんな事が出来るの?」


シュラーフは慌てつつも、元気になったのが嬉しいのか、無駄に部屋を歩き回っている。


目障りだから目の前の椅子に


———魔法で移動させて座らせた


「は?瞬間移動?トーコ君は何をしてるんだ?どうしてそんな事が出来るの」


どうしてと言われても


「イメージ出来たから?」


だって、イメージすれば出来るのでしょう?


「・・・イメージする事が難しいんだよ、どうしてそんな事簡単に出来ちゃうかな」


目の前の宮廷魔導師は、自信喪失とばかりに項垂れた。


そればかりは仕方がないじゃ無いか


「だって私聖女なんでしょ?」


シュラーフは

「はぁー」と盛大にため息をついた












王子は可哀想な子としてチヤホヤされ、

悪事を叱ると、国王が出て来て可哀想だから・・・と、庇われました

・・・ある意味本当に可哀想な子なんです。



次回は、別の王族 です


気が向いたら、ブクマ、感想、評価お願いします!



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見えない回転寿司のレーンがある、と思えばゆっくり動かせるかもね
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