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魔法のカットはイケメンを生み出す

美容師だから、気になっちゃったのよ


シュラーフに、別宅へ移動を勧められたけど


敵の事を何も知らないままだと、

娘を守る事も出来ないのでは無いかしら?


守るためには

魔法を使える様になった方がいい。


「シュラーフ、私が今すぐ魔法が使える様になる事は、出来るかしら?」

何か対策はないの?


「今すぐですか・・・なくも無いです。

歴代の召喚者は、直ぐ魔法が使えました。

魔法はイメージが大切なので、転移者は直ぐに出来る印象がありますね」


イメージねぇ・・・


小説、漫画、アニメに実写

空想世界のお話が沢山あったからかしら?


「イメージすれば出来るなら、どの様にイメージすれば良いの?」


イメージするのは仕事柄得意だわ


「たとえば、この空のカップ・・・に紅茶が入ってるイメージをすれば、ポットから紅茶が移動してカップは満たされます」


シュラーフは、話しながら紅茶を飲み干し

魔法で、カップに紅茶を満たして見せた


「へえ?ポットに紅茶が入っていない時は出来ないの?」


原料があれば出来るのかしら?


「・・・そこに無いと出来ない?いや、出来るかな?やった事無いから分からないです」

なんだ、分からないのか


「基本的に私は、戦闘に関わる魔法がメインで・・・生活魔法関連は、ヴィント王国出身者が得意ですね。魔道具作成や、大魔導師の中には精神干渉が出来る方もいますよ」


精神干渉・・・娘の負担も軽くなるかしら?


「とりあえず"現象を想像すれば良い"という事かしら?発動条件は?」


呪文とか、祝詞とか読むのかしら?

でもさっき、何もしていなかったわ


「行動をつけた方が、魔法は安定するので、簡単な現象以外は、何かアクションをした方ががいいですね。この様に」


パチンと指を鳴らしたら、シュラーフの服が、変わった。


「やだ、便利ね?」

ちょっと面白くなってきた。


娘をチラッと見たらよく眠っている。

シュラーフは宮廷魔導師だ。

詳しい彼に、今は聞けるだけ聞こう。


「そもそも聖女の魔法ってなんなの?」


私は聖女らしいから

そもそも能力が高いのでは無いだろうか?


「魔法には、属性と性質があるんです。鑑定装置はそれを見極めるのですが・・・」


魔法の属性は


天・虹【戦闘力】空間、時間、認知、五感

風・緑【癒し】風、空気、音、気体

地・青【守護】地面、石、生成

火・赤【燃焼】炎、熱、

水・無【浄化】水


となっている。


基本的に一般人は1.2種類の属性持ちで、地、火、水を使える人は多く、風まで使える人は優秀な部類、


天はそもそもが使える人が少ない。


娘が聖女と言われたのは、癒しと浄化の属性持ちで、性質的に癒しが強かったからだ。


因みに私は全ての属性が使えるらしい。


後、鑑定板にがっつり「聖女」と記載されていたとの事だった。


全部の属性が使えると

大概な事はイメージ次第でできるようだ。


描写が細かいほど確実になるらしい

何かやってみようかな?


「ちょっと、やってみていいかしら?」


私はシュラーフの顔を見た。

綺麗えな顔だけど、髪型はホザボサだし、

なんていうか、ヘボいしダサい


私はピースサインをつくり

ハサミの真似をする様に指を動かした。


「あら、いい男になったじゃない」


目の前のシュラーフの髪型が変わった。

まるで、イケメンモデルの様になった。


「え、あ、僕ですか?」

シュラーフは

急に頭が軽くなって驚いたのだろう。


長くてボサボサだった髪を

ナチュラルな質感のミディアムヘアにした。


彼は頭に手をやり、

髪が短くなったのを触っていた。


「似合うと思うわよ?」


私は目の前のスプーンとカップのソーサーを


魔法で手鏡に変化させた


何となく行ける気がしたので

イメージしたら出来た。


DIYみたいだ。ちょっと楽しい


その鏡を渡したら、シュラーフは固まった。


驚いたのだろうけど、

そこに驚く要素はあったのだろうか?


「凄い、鏡のクオリティもだけど、髪なんて気にしていなかったけど、髪型でこんなに違うんですね?」


彼は感心し通しだった。

まあね?それに関しては一応プロなんです


「気に入ってくれたなら良かったわ。何となく使い方が分かったから練習してみるけど、詳しいイメージさえ出来たら大体なんでも出来るのよね?」


色々試したいわね。


試すなら、王宮の方が

人が沢山居るから良さそうよね?


「詳しくイメージする事は、普通は難しいんですよ。出来たとしても魔力量もあります。大規模な物や、繊細な物は魔力を使います」


そうなのか、気をつけよう


「トーコは転移者だから、魔力量は多いはずです。無理をしない限り問題無いでしょう」


それならラッキーだわ使い放題ね


「ただ、魔力量が多い人は、負の感情に気をつけてください。怒りは特に気をつけなければ、感情にリンクして魔力が暴れ、周囲を破壊します」


あら、不味いわね?


娘の話を聞いたら大変な事になりそうだわ


「事前に怒りが湧く事が分かっていたら対策出来るかしら?」


あちこち破壊するわけにはいかないわよね?


「まあ、破損したら修理すれば良いのです。最初から結界を張り、結界内で修繕魔法を発動した人を知っていますが・・・その人は天才と呼ばれる大魔導師様なので」

天才か・・・どんな人なんだろう?


「その方は、当たり前にいくつも同時発動するので、参考にはなりません。もしかしたらトーコなら、出来るかも知れませんね」


結界か・・・それがあれば娘を守れるかしら?


「私が、つきっきりで結界を張れば、娘は王宮でも大丈夫かしら?」

シュラーフに話を振ると


「そう、ですね・・・大丈夫だと思います」

シュラーフは何か考えている様だ


「この国の事、全く知らないから、娘を聖女だと思わせておけば、下手に手出しは出来ないでしょう?王宮内の方が勇者の情報が入って来るわよね?」


敵を知らなすぎるのは怖い。


敵の行動を、分かった上で娘を守り


——-娘を狙う奴を、潰した方が早いと思った





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― 新着の感想 ―
大変引き込まれました。 母親視点での異世界召喚が新鮮で、通常は娘が主役になりがちなところを、母が毅然と声を上げて交渉する姿が痛快で、読んでいて爽快でした。 王子との掛け合いはテンポが良くユーモアもあ…
髪を勝手に切る行為は暴行罪か傷害罪にになる可能性が、勝手に召喚(拉致誘拐)されて怒っていたのに、本人は人の髪を勝手に切る、クソ王子ではなく常識人だと認識しているシュラーフに、強引な感じでもいいから、許…
えっ? 「魔女っ【子】ババア」? 某キュ○ベイいわく、「魔法少女が成長すると魔女になる」んだそうだし、普通に「魔女」でいいんじゃないかな? まあでも、本来「聖女」の肩書きに若さは関係無い(例:マザー…
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