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スパイスと母子 後編

今回はお料理回です。皆がカレーを食べたくなりますように!

店の中にはスパイスのいい香りが広がっている。私は彼女からスパイスを購入し、瑠璃にスパイスをパウダーにして貰い、使いやすくした。ホールもパウダーも使い放題だ。


瑠璃は香辛料も薬草と同様に大好きな為、うっとりしながら彼女は、香りが飛ばない様に片っぱしから処理をしていった。


彼女の持参したスパイスは香り高く、かなり上質だった。近所の薬草店と、取り扱っている品は被っていないので、こちらとしてはかなり都合が良かった。


ツィムトとクレッセの親子は、まだ在庫がある物もあるから、お金はいいから貰って欲しいと言って一旦帰宅した。私は彼女達にスパイスを使った料理をするから昼過ぎに来て欲しいと伝えた。


私は今からカレーを作る。昔からなぜかカレーだけは真剣勝負なんだ。私はカレーに対して全力で挑む。


ます、下ごしらえで、豚肉をヨーグルト・ターメリック・塩少々で揉み込み、30分ほど漬け込む(柔らかく&臭み抜き)


フライパンに油を熱し、ホールスパイス(クミン・カルダモン・クローブ)を炒め、香りが立ったら玉ねぎを投入し、飴色まで炒める

にんにく・しょうが・パウダースパイス類を加えて弱火で炒め、トマトを加えて水分を飛ばすように炒める


もう、この時点で美味しい香りがする。


漬け込んだ豚肉を加え、全体に火を通すよう炒める。水を加え、コトコト煮込む(豚が柔らかくなるまで)


カレーって、入る物や作り方が違ってもちゃんとカレーなんだよなぁ・・・


最後に塩で味を整え、パプリカとブラックペッパーで風味を整える。


オレガノを加えて完成だ。


子供には辛いかな?と思ったけど、母がスパイス好きなら平気かな?と思いそのままにする。無理なら蜂蜜と生クリームで甘口にしよう。


部屋中にカレーの香りが充満する。複数のスパイスの香りがとても食欲をそそる。しかし、営業中には香りが強すぎるかもしれない。店で出すならカレーのタイプを変えた方が良さそうだ。


ライスは長粒種の、米があったから折角だからサフランライスにしてみた。


カレーを煮込む間にナンを焼きたかったけど、イーストが無いから、簡易的なナンを準備した。約束時間の直前に焼きあげる。今度、ドライイーストを瑠璃に作って貰おうと思った。


ボウルに粉・塩・砂糖を入れ、ヨーグルト・溶かしバターを加えて手で混ぜ、粉っぽさがなくなるまでこねる。生地を乾燥させない様にして1時間休ませる。


生地を薄く伸ばして焼く。片面焼いて膨らんできたらもう片面も焼く。香ばしく焼き上がったら完成だ。


焼き上がる直前にツィムトとクレッセが、やって来た。


「丁度今ナンが焼けたから、座って頂戴!」私は、瑠璃とプッツェンに案内と配膳をお願いした。

部屋中にカレーのスパイシーな香りが漂ってお腹が空いてきた。


ツィムトは自分のスパイスを余す事無く利用されたカレーを食べ、感動して涙目になっている。息子のクレッセも辛さは気にならなかった様で笑顔でしっかりたべていた。


「こんなに素敵なお料理に使って貰えて、この子達は幸せですね。ありがとうございました。お陰様で生活が出来ます。早く仕事を探して、又お店にお邪魔しますね」


ツィムトは、これから仕事を探すつもりの様だ。私は迷った。契約してしまえば私はずっとこの先も彼女達から香辛料を仕入れていかなければならない。


そうなると、あちらには帰る事が出来なくなる。無責任な事はよくない・・・でも、彼女の香辛料はかなり質がいい。このまま無くしてしまうのは勿体無い・・・ケルナーに相談をと思った時


カランカラン♬


休日にやってくる人なんて彼達しかいない。


「トーコ、随分といい香りが外までするんだけど・・・」


入って来たのはタイミングバッチリなシュラーフとケルナーだ。カレーは、沢山作ったから2人に食べて貰って、あわよくば王宮でスパイスを使って貰えないだろうか?いや、継続的に買って貰おう。プレゼンするぞ!


「2人ともいらっしゃい。丁度カレーを作ったから食べていかない?」

私はにっこり笑ってカレーを勧めた。2人を逃す気は全く無かった・・・


「・・・ふうん、で、この料理に使ったスパイスを今後も作った分を買い取ればいいの?トーコは今回どのくらい買ったのか、ケルナーに見せてくれる?」


私の説明を聞いたシュラーフは、カレーをもぐもぐ食べながらケルナーに指示を出した。ケルナーは相変わらず食べずに待機だ。後から食べさせよう。


「この量なら購入してもいいと思いますよ?今後はこちらが、購入して、トーコが必要ならこちらから、お渡ししますよ」

ケルナーはサッと計算し、契約書を作成し、ツィムトに契約書を渡した。


「は?王宮?え?どう言う事ですか?」

ツィムトは契約書内容を確認して、目をむいて驚いている。そりゃそうよね?


「まあ、細かい事は気にせず、これまで通り素晴らしい香辛料を作ってくれたらいい。多少増えても構わないよ?その分は支払うし、多分この"カレー"流行りそうだから、今後香辛料の値段は上がるだろうからもう少し頑張ってみたら?」


シュラーフはカレーが気に入ったようで、空になった器を寂しそうに見つめている。


「シュラーフ、おかわりいる?ケルナーも、カウンターに出すから食べちゃって?」


私が2人に声をかける頃には、ケルナーによって香辛料の契約内容の説明はされ、契約は無事に済んだ様だ、


「急ぎ、帰宅して種を植えて来ます!トーコさん!本当にありがとう!ちゃんとお礼をしたいけど、今から畑の整備しなきゃ間に合わなくなるから、また後日、必ずお礼をしに来ます!」


畑は既に空っぽらしく、ツィムトは慌てて子供と共に帰宅して行った。


「皆食べてる時はえらく静かよね?」

瑠璃も、プッツェンも、シュラーフも、ケルナーも、黙々とカレーに向き合っている。


「カレーに合うラッシー作るけど飲む?」


4人の目が一斉にこちらをむいた。勢いが凄く、私は思わず一歩下がってしまった。


カレー食べなくなりましたか?私は書きながらカレーを作りたくなったけど、書きながら作れないから今度にします!


次回は、瑠璃親衛隊・・・です

誰が瑠璃の追っかけに?

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