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海老の逆襲【第2章】

お待たせしました!

第2章「オカン食堂」編始まります!


あらやだ、この食材、まだ生きてるわ?

「ちょっと、もう、一体なんなのよ」


私は自分を守る為の結界を張り、敵に近づいていく。

相手に魔法で攻撃してしまえば簡単ではあるが、

室内で攻撃魔法は出来れば使いたくない。


相手は既に何度もこちらに魔法を打って来ている為、

部屋の中はぼろぼろだ。


現に今も敵の攻撃によって私の後ろのガラスが割れた。


このままでは埒があかない。

私は敵に素早く接近し、攻撃を弾きながら後ろにある刃物を掴む。


その刃物を敵の頭に叩きつけた。


「もう!なんだってこんな事に・・・」


敵はもう戦う事は出来ない。しかしまだピクピクと生体反応はある。

部屋の中は荒れてぼろぼろだった。


呆然としていたら瑠璃が慌ててやってきた。


「ちょっと、お母さん?!一体どうしたの?部屋ぼろぼろじゃない!何があったのよ?」

瑠璃は慌てて私に怪我が無いか確認した。


「・・・忘れていたのよ」

そう、私は忘れていたのだ。


「何?何を忘れていたの?」

瑠璃は真剣に話を聞いてくるが・・・


「だって・まさかこんな酷い事するなんて思わないじゃない!私は・・・扱いにくいから手枷を外しただけなのよ・・・そうしたら暴れて・・・」

こんなに暴れるなんて聞いてないわ!


「まさか・・・お母さん・・・包丁で仕留めたの?」

瑠璃は青ざめて頭に突き刺さる包丁を指差している。


「だって・・・ロブスター、ハサミを固定しないと暴れて魔法を打つなんて、忘れていたのよ・・・」


私がそう答えたら、心配そうにしていた瑠璃の目が座った。


「だからあれだけ気を付けてって、言ったよね?面白いからって、何でも買わないでって!私忠告したわよね?」

と、怒られてしまった。


「ごめんなさい・・・でも、仕留めたから料理しちゃうわね?」

私が料理を始める頃には、部屋は既に治り始めている。


「本当に気を付けてよ?部屋は状態保存があるから元に戻るけど、いくら聖女だからって無理はしないで?見てるこっちがヒヤヒヤするからやめてよね?」


瑠璃に心配かけてしまうのは、非常に不本意だ。

これからは気を付けよう。


瑠璃が部屋に戻るのを見送り、

私は大鍋で、大人しくなったロブスターの下茹でを始めた。


瑠璃が怒るのも、無理はない。


初めて街に出た時、、見た事も無い食材がたくさんあったから、あれこれ仕入れてみたんだ。 


見た事ないと言う事は、こちらの世界特有の食材だから、

かなり癖が強い。


今、料理している青いロブスターは

ハサミを固定しないと魔法を打つ・・・


この世界特有の食材は一筋縄ではいかない


・金属の包丁で頭を落とすと感電するサバ

(この時は電流のせいか肩こりがなくなったからある意味良かった)


・麻袋に入れて振り回してからじゃないと

粒子となって消えてしまう巨大なエリンギ

(忘れて刃物を入れたらイリュージョンの様に消えて行ったわね)


・一度火魔法で炙らなければ爆発するジャガイモ

(キッチンに状態保存の魔法をかける事になった原因だ

あの時は使おうと置いていたジャガイモが、

連鎖で爆発するから大変な事になったのよね)


私はかつての事故を思い出しながら、

手元で左右にぶんぶんしているエシャロットの根っこを切り落とした。

エシャロットは根っこさえ切れば大人しくなるので楽だ。


エシャロットを刻み、遮光の袋から

マッシュルームも刻むためにまな板に出すが、

マッシュルームは素早く転がるから、

出したらすぐに叩く、出したら叩くと

必要な数のマッシュルームを叩いてから刻んだ。


マッシュルームは光に当たるほど早く転がる。


出して時間が経つ程素早くなるので素早く叩くのがコツらしい。

一度ひとつ取り逃したが、


あのマッシュルームはどこまで逃げたんだろうか?


・・・私は見事に食材の洗礼を受けたんだ。


エシャロットとマッシュルームをバターで炒め

小麦粉をなじませミルクを入れてグラタンソースの様にする


茹で上がったロブスターを半分に叩き切り身とミソを取り出して

マスタードと先程のソースと絡める殻に戻して

チーズをかけてオーブンで焼くけば完成だ。


時間が経つとオーブンから香ばしい香りが立ち上ってくる。

焦げ目がいい感じだ。


そろそろテーブルにセッティングしよう


「海老の殻に戻すと高級な感じするけど、要は海老グラタン海老マシマシよね?」


私はあまり高級なフレンチには触れていないから、

フレンチのクリームソースの違いがよくわからないけど、

私はクリームソースは大好きだ。


「基本的にベシャメルソースよね?」

でも昔、海外で食べたフレンチ魚のグリルにかかっていた

クリームソースがマヨネーズにそっくりで、

焼き魚をマヨネーズで食べている気分になって困惑した事があった。


フレンチって奥深いなとその時は思ったわ。


今日は、後からケルナーが、色々な情報を持って来てくれるらしいので、

せっかくならと夕飯に誘った。


見た目を豪華にしたくて、ロブスターを出したのが

本日の食事の始まりだった。


ケルナーはもうすぐ来るだろう。


私は、既に作ったサラダとパンを机に並べる。

オーブンにはロブスター、コンロには後は温めるだけの

ジャガイモのポタージュ、隣には皮がパリパリのチキンを

付け合わせの野菜と一緒に焼いている。もう、いつでも大丈夫だ。


今日は4人でご飯だ。


ケルナーは男性だから、それなりに食べるのだろうか?

年齢的にどうだろう?この国の人の好みは、どんな感じかしら?


考えながらテーブルを整えていたら、プッツェンがキッチンまでやって来た。


「ケルナー様がお見えになりました」


プッツェンは、ケルナーとシュラーフが推しだと教えてくれた。

私達のおかげで、日々推し活が出来て満足らしい。


こんな可愛いファンが居るなんて、あの2人も隅には置けないわね?


「もう出来るから、瑠璃を呼んで、ケルナーをご案内して頂戴」


嬉しそうなプッツェンに、指示をして、私はポタージュスープを温めるためにコンロの火をつけた。


王宮では、ケルナーが、気を使って

普通の食材を棚に入れてました。


次回は 純喫茶?食堂? です

お店の名前も決まります。


*「トング」を見てる人は知ってるかも?


面白かったら、反応、評価、ブクマ、コメント等お待たせしてますね!


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