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バチ切れおかん

この怒り、どうしてくれようか・・・

私とプッツェンは、北の塔の側にある資材置き場の陰から塔の入り口を見ていた。


塔が見えた時、丁度バカ王子が、中に入っていくのが見えた。


私は勢いよく、突撃しようとしたが、


「大丈夫、まだ娘さんは来ていないです」


プッツェンは私を掴みながら、小声でそう言って来た。


「本来の道なら、急いでも今来た倍の時間がかかります。多分、奴らは人に見られない様に回り道するだろうから、後5分は掛かると思います!だから大丈夫!」


私は宮殿内の道に詳しい、プッツェンの意見を受け入れる事にした。


たかが5分が長く、何度も、既に手遅れなんじゃないかと不安になるも、


奴らが来るだろう道から、目を逸らさないプッツェンを見て


焦る気持ちをグッと堪えた。


「!来ました!少し隠れましょう」

私は来たと聞き、透明化をする事にした。


「プッツェン、今から私は姿を消します。見えなくなるけど、居るからね?」


そう言って透明化をする。


「・・・本当にいないみたい」


プッツェンはキョロキョロしている。


「ちょっと奴等の近くまで行くわ。何を話しているのか実際聞いてみるわ。隠れていてね?」

私はプッツェンを置いて、奴等に少し近づき


盗聴魔法を使った。


「おい、聖女と一緒にいたメイド、置き去りで良かったのか?連れ去りがバレないか?」

「薬の原液食らったんだ、起きるとしたら1週間後じゃねえか?そんだけあれば、調教も済むだろ」


「でもよ、この首輪してたら、何の反応もしないんじゃないか?」 

「それは、その時に外すんだよ。じゃなきゃ調教も意味ねぇしな」 


「お前よくこんな物手に入れたよな?」

「あ?家の親父がその手の店の、常連なんだよ。家にいた奴隷の使い古しだ」 


「うわ、未だに奴隷とかあるんだな?」

「まあ、働くって言うか、そっちの奉仕の奴隷だよ」


「まじか、だからお前、扱い方とか調教の仕方とか知ってんの?」

「ん?今も2匹飼ってるよ?」


「あの薬も?お前が持って来たのか?」

「まぁね?てかさ、バカ王子に渡す前に、俺達で聖女頂かないか?バカはどうせお古でも気づかないだろ?」


「確かに?いい女だし、バカ王子が最初とか勿体無いよな?」

「俺今声潰す薬あるからさ、あの小屋とか丁度良くないか?」


プッツェンのいる小屋を指差したところで

私は3人の男を眠らせた。


聞くに堪えなかった


どさりと3人が崩れ落ちた。


私は、姿を消したままボーっと立っている瑠璃を抱きしめて、暫くゆっくり息をした。


元凶を、逃すわけには行かない。


瑠璃の手を引き、プッツェンの元へ行く。


「プッツェン、瑠璃を見ていてくれるかしら?私、やる事があるから」


そう言って離れようとしたら


「待って!今のままでは、きっとバカ王子が、亡き者になってしまうわ。あんなのでも王子なの。あんな奴のために、罪を被らないで!それに2人でいたら、誰か来たら困るわ!お願い、シュラーフ様かケルナー様が来るのを待って!」

私は冷静ではない。


確かに今バカを見たら全く躊躇なく


命を刈り取るだろう。


私は瑠璃の首輪を見る。外してパニックになられたらバカにバレる。  


腹立たしいけど今はこのままにしよう。


私は資材置き場の物を使い台車を作り、眠っている男達を、一人一人運び、


その場にあったロープを使い、縛り上げた。


「来た!お2人がお見えになりました!」

2人は物凄い勢いで走っている。


ああ、助かった。


そう思って透明化を解除した。


私を見つけたシュラーフが


顔を青くして走り寄って来た。


「トーコ!よくここが分かったね?君は無事だったんだね?ルリは?・・・」


シュラーフは小さな声で話しかけて


ふとんに入った瑠璃を見て


「・・・ケルナー、瑠璃を僕の別邸へ、我々も直ぐに向かう」


温度の全く無い声で命令した。


「トーコ、自分でやりたいだろう?僕が死ねなくするから好きにするといい。行こう」


そう言って先に進む時


「あの、娘さん、今だけルリさんのお世話させてください!ケルナー様だと、男性だから怖いかも!」


いけない、怒りの余り見落としていたわ。


「プッツェン、お願い出来る?瑠璃が警戒したら(甘いミルクティー)出してあげて?ケルナー、瑠璃の薬品の入った鞄、必ず持って行ってね」

私は2人に瑠璃をお願いした。


「ケルナー様、私が一足先に荷物を取りに行きます!どちらに伺えばいいですか?」


私は、プッツェンの声を聞きながら、塔の中に入った。


階段を登り詰めると目の前に扉がある。

シュラーフと目を合わせた。


シュラーフが頷いたのを見て、扉を開ける


そこには、バカ王子が怪しげな、薬品や器具に囲まれて、ニヤニヤしていた。


下卑た笑いだ。


「お前達、早かったな?褒美に僕が楽しんでいるのを見ていてもいいぞ!飽きたら参加させてやるよ」


何を?とは聞かない。


人は怒りが強すぎると


返って冷静になるのだろうか?


返事がない事に気付き、バカ王子がこちらを振り向いた。


私と目が合った瞬間、


私の怒りが振り切れた


バリバリバリッ!


稲妻の衝撃で、塔は縦に亀裂が入る


ドガーン!!バリーン


私の放った魔力で崩壊し、砕け、床も抜けた

 

落下しながらも、無意識に攻撃していたのか


ドカン!ボン!


と何かが爆発する音がした。


はっと気付いたら、シュラーフに肩を抱かれて地面に立っていた。


周りには瓦礫が山になっている。


落雷と私の破壊攻撃によって

塔ごと破壊したようだ


バカは、黒焦げになったけど

シュラーフによって、死ねなくしてあるため


ピクピクしている


「ごめんなさい。塔ごと壊しちゃったわ」


全く意識が無かったわ


「いや、全部壊してくれて良かったかもしれない」 

でも、証拠が・・・


「証拠が無くなっちゃったわ」


悔しくて涙が出そうだ


「大丈夫、記憶を取り出せるから、動かぬ証拠になるよ」

シュラーフには護衛がついているのだろう。


護衛達によって、

バカ一味は連行されて行った。


「ねぇ、シュラーフ、あのバカ達、どうなるのか聞いてもいいかしら?」


シュラーフ曰く、使用人含めて取り巻きは記憶を取り出し、精査の上


軽くても鞭打ち、内容によっては、重労働の終身刑。


実行犯は晒したのち、極刑らしい。


「ただ、主犯のバカが王子だから、国王が守ってしまうかもしれない」


シュラーフが頭を抱えている。


は?バカなの?


許すわけないわよね?


オカン、我慢出来ませんでした。丸ごと破壊したけどスッキリしてません。


次回は、国王!出てこいやぁ!です

オカンキレ過ぎて立場とかどうでもいいです。


反応、評価、ブクマ、コメントありがとうございます。王宮の話の終わりが見えてきました。食堂はもう少しお待ちください。

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