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おかんの手書きメニュー

お茶でも飲みながらのんびりしてね?

 昨夜は珈琲のお陰で、目が覚めてしまって眠れないからと、料理してみたり、マッサージオイルを作ってみたり、色々やっていたら夜が明けそうになり

 眠れるハーブティーを2杯飲み、慌てて眠りについた。


 私も興奮していたのだろう。

 ぐっすり眠って、今はどう見ても昼だ。


 しまった。寝過ぎたわ


 慌てて起きると、瑠璃が珈琲を飲みながら薬草をいじっていた。

 良かった。顔色は悪くない。


 しっかり眠れた様ね?


 少しの間寝る時は、安眠魔法をかけた方がよいだろう。

 人は、眠る事で回復するから。


「おはよー」

 私は間延びした挨拶をした。


「お母さん、寝過ぎ!コーヒーありがとう!よく分かったわね?」

 瑠璃は、私が珈琲を見つけたのが意外だったみたい。


「前に生豆から焙煎した事があるから分かっただけよ。念の為鑑定箱で確認したわよ?」

 こちらの文字も、覚えなきゃな


「何でそんな事までやってるのよ?普通コーヒー好きでもせめてミルで引くくらいじゃないの?」

 確かに?


 でもやってみたかったんだもの


「お母さんらしいわ。あ、そうだ見て?一覧が出来たよ?」

 瑠璃は薬草の一覧を見せてくれた。


 名前と効能と使い方と、その横には予測される成分まで記載してある。


 本格的な一覧だわ


「この鞄に一覧の順に入っているから、無くなりそうになったらお願いね?」

 瑠璃はアレコレと作る気満々だ。


 私のハンドメイドと違って、薬品を作るんだろうな?


「はい、ありがとう。私も使わせてね?そろそろご飯食べる?作っておいたわよ?」

 私はキッチンの棚の状態保存の保管庫から


 朝食と言う名の昼食を取り出した。


「昨日の夜珈琲飲んだら寝れなくて作ったわ。お陰で今朝は楽ちんだわ」


 私は簡単なスープとオムレツとソーセージとサラダのワンプレートと


 瑠璃の好きな、フレンチトーストを出した。


 フレンチトーストは、卵、牛乳、お砂糖をよく混ぜて、

 我が家はバニラエッセンスを入れるけど…・


 無かったの


 でもバニラビーンズを見つけた


 リッチだわ?


 と思いながらちょっとだけ中身を削って。

 そこにパンを浸してタプタプになったパンをバターで焼く。

 こんがりしたら出来上がり。


 お休みの朝によく作ったので、朝フレンチトーストを食べると


 ああ、お休みだなって思う。


「瑠璃、何飲む?色々あるわよ?」

 私は瑠璃の前にメニューを置いてみた。


 こちらの文字で昨夜作ったのだ。



 ドリンクメニュー

 ・ホットアイスはお申し付けください


 珈琲

 カフェ・オ・レ

 紅茶

 ロイヤルミルクティー

 アップルティー

 レモンティー

 オレンジティー

 りんごジュース

 オレンジジュース

 トマトジュース

 レモネード


 ハーブティーは各種取り揃えてあります。

 ご気分を教えてくださいね



 手書きです。私の字です。昨夜全ての食材を確認したのよね。で、


 りんごを絞ったり、その皮を細かくして乾燥して紅茶にブレンドしてみたり


 オレンジを絞ったり。その皮を細かくして乾燥して紅茶にブレンドしてみたり


 レモンの蜂蜜漬けを作ったり?


 とにかく色々やったわね?楽しかったけど流石に疲れたわ?


 私は瑠璃の反応が楽しみでワクワクしていたら、

 メニューを見るなり、瑠璃の目からポロポロ涙が流れた


「っちょっと?どうしたの?何かあった?」

 さすがに泣くとは思わないわ?


 何か思い出しちゃったかな?悪い事したわ


「…ちが、違うの。お母さんか余りにもお母さん過ぎて…ごめん、大丈夫。ありがとうお母さん。全部飲みたいけどこんなにあったら一日中飲まなきゃいけなくなるわ?さすがにトイレが近くなって困るわよ?」


 瑠璃はパッと意識を切り替えて、笑いながら私に文句を言う。


 いつからだろう。この子が私を支えようとし始めたのは。

 必要以上に我慢する様になったのは。


 私に出来る事は…今は何も言わない事ね


「何よ?量を減らせば飲めるわよ?で?何飲むの?お母さんは、久々にウインナーコーヒーを飲むわよ」

 私はコーヒーの上に、作ってあった生クリームを落とした。


「ちょっと?それはメニューに無いんじゃない?それより生クリーム!フレンチトーストにも頂戴!飲み物はオレンジティーのアイス!」

 お母さんズルい!と言いながらケラケラ笑う娘を見て、笑ってくれるなら、


 お母さん、朝の珈琲に生クリームなんて罪深さも忘れるわ


 ホクホクしながら2人で朝食を食べていたら


 "コンコン"


「入ってよろしいでしょうか?」

 と、ケルナーの声がした。


 私は入り口の扉を開けて迎え入れた。


「昼食中でしたか、中断させてしまい申し訳ありません。おはようございます」

 ケルナーが入ってきて、瑠璃が食事をしているのを見るなり謝ってきた。


「どうかされましたか?とりあえず座ってお茶でもいかが?」

 私はケルナーを食卓に招き、メニューを渡した


「いや、私は…凄いですね?これ全部飲み物ですか?」

 ケルナーは断ろうとしたが、出てきたメニューを見ると気になったのか


「色々気にはなりますが、レモネードって何ですか?」

 レモネード注文入りましたー!


「飲んでみてください。疲労回復!免疫力アップ!美肌効果!ですから」

 私は、蜂蜜レモンを使ったレモネードを作ろうとして


「冷たいのと温かいのは、どっちがいいかしら?」

 大切な事を聞き忘れたわ。


「冷たい?のをお願いします」

 ケルナーは想像が付いていないのかな?


 こちらでは飲み物を冷たくしないのだろうか?

 私は魔法で氷を出して、アイスレモネードを作りケルナーに出した。


「あ、甘くて爽やかですね?あー、疲れが抜けていく…いや、おかしいですよ?何でこんなに全ての効果が高いんですか?」

 ケルナーはカッと目を見開き、鑑定箱に入れて確認して


 1人で困惑している。


「あ、因みに何かありました?」

 何しにきたのかな?何か報告があるのかな?


「はっ!そうでした。バカ王子が起きたのでお気を付けください。とりあえず今日、王子がシュラーフ様に付き纏って見張っているので、こちらには来れません。少しでも長くここがバレない様にしたいのです」


 うわ、嫌だわ、


 顔だけはちゃんと綺麗なんだから、もう少し何とかならないのかしら?





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― 新着の感想 ―
>ドリンクメニュー、他に何を作ろうかな? 緑茶 聖女が水魔法で作った「お冷や」は「聖水」になってたりしてwww
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