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裏切りの真相

ちょっと暴力的表現があります。

ぼやっとさせてありますが苦手な方は飛ばして下さいね?


 いとも簡単に嘘をつく彼に驚いたけど、その時の私は、

 彼と結婚したかったから、一旦黙っていた。


 彼は断られたくなくて、咄嗟についたと、

 私が母に、天涯孤独を伝えて無かったから嘘をついたんだと後から聞いた。


 今考えたら、全く誠実じゃ無い。

 私はその事も、見て見ぬ振りをしていた。


 挨拶の後も、何度も彼の家以外で外泊をした。


 そして彼の家に行って、2人で過ごした翌日の朝。


 彼は起きて、シャワーを浴びに行ったので、

 私は床に散らかった服を着て、コーヒーでも入れよう、と立ち上がった時、


 肘が、テレビ横のラックに当たって、床に箱が落ちてしまった。


「やだ、ごめんなさい」


 慌てて落ちた物を拾って居たら、

 財布から免許証が飛び出したのか、裏向きに落ちていた。


 そもそも何で箱に財布?


 と思ったが、それよりも彼の免許証の、写真写りが見たくて

 ワクワクしながら免許証をひっくり返した。


「…え?何コレ?」


 そこには全く知らない名前が書かれていた。

 住所はここの物だ。写真も彼だ。


 なのに名前が全く違う。


 ガチャっと音がして、風呂上がりの彼が部屋に入って来た。


「…何してるの?」

 彼は私が持っているのを見て、ツカツカ近寄り取り上げた。


「家探し?見ないでねって言ったよね?」

 彼は笑っているけど、目が笑って無い


「…あの、ぶつかっちゃって落ちたから拾って…何で名前違うの?貴方誰なの?」

 私は理解出来ずに、とりあえず今見た事を尋ねたら


「あー、面倒だな」

 嫌悪を含ませてそう言って、私をベッドに突き飛ばした。


「ねぇ、俺の事好きなんでしょ?だったら名前くらいいいじゃん。関係なく無い?」


 そう言って勝手に行為に及んだ。


 私は彼の言っている事が全く理解出きなかった、他にも何人も女が居て

 順番待ちしてるとか、中には金だけ貰う奴もいるとか、


 私の事は好きじゃ無いけど、美人だし身体はいいから、

 今の一推しだとか、


 名前偽ったのは、何かあった時の保険だ。とか。


「あーあ、また汗かいちゃったじゃん。瑠璃のせいだよ?もう一度シャワーするから、もうバレちゃったから何見てもいいよ?傷ついた女って簡単に足開くよねー?とりあえず結婚しないけど、瑠璃は特別に俺から呼ぶからさ。またやらせてね?」

 彼は1人で勝手に満足して、そう言い捨ててシャワーを浴びに行った。


 私は着衣のままだったから、そのまま鞄を握り外に飛び出した。

 外は激しい雨だった。


 雨に打たれて頭がだんだん冴えて来た。最低な男だと言う事は理解した。

 とりあえず携帯から彼の番号を着信拒否して消した。


 通話アプリも、SNSも全てブロックした。


 全ての痕跡を消したかった。


 貰った物は消耗品ばかりだった。


 唯一がバックに付けていたチャームだ。それも引きちぎり通り過ぎのコンビニのゴミ箱に、貰ったハンドクリームや、リップクリームと共に投げ入れた。


 傘を買おうとコンビニに寄ったのに、それを持ち帰るのも嫌だから止めた。


 雨に打たれていくうちに、心が折れた事を理解した。


 怒りすら湧かない。


 そもそも私は酒で意識を飛ばした事なんか無い。あの男は手慣れすぎてる。

 私がトイレに行った隙に何かやったのだろう。


 完全に騙されたわけね?


 初めの声掛けなんて、誰にでも当てはまる言い方だわ。

 私はあの頃、疲弊していたから。


 違和感を感じなかったんだ。


 唯一の連絡が出来る繋がりは断ち切ったし、小物もゴミに出した。

 でも身体にはまだあの男の感覚が残ってて気持ち悪い。


 たった数時間前までは優しい彼氏だった。


 幸せだったんだ。


 さっき私を襲ったのは誰だ?理解出来ず、

 頭が混乱して、感情がグチャって潰れた。


 無心のまま雨に打たれて、どのくらい経ったのだろう?


 このまま帰ったらお母さんが心配するだろう。なんて話せばいい?


 こんな事話せないよね?


 でも、結婚の話をしちゃったから話さないわけにもいかない。


 お母さんの心配する姿を思い浮かべてしまい涙が溢れて来た。


 心配かけたく無かったのに


 お母さんは、いつも自分の事を後回しにして、常に私の幸せの為に全力な人だから、私が悲しむ事が何よりも辛いと言っていた。


 私が幸せだとお母さんは幸せだって。

 私は必ず幸せにならなきゃってずっと思っていた。


 気張りすぎて、よくお母さんにもっと楽に生きなさい。って親には甘えなさいって言われたなぁ。


 でもね?お母さん。お母さんが私を大切にしてくれているから、だから私も自分を大切にしなきゃいけなかったの。


 自分をぞんざいに扱ったから、痛い目を見たのよ。もう子供じゃ無いから

 自分の弱さが招いた事くらいわかるわ?


 だから苦しくて。


 きっと話を聞いたらお母さんが悲しむなって思ったらもっと苦しくて。


 でも、お母さんに会いたくて、話を聞いて欲しくて。


 落雷と豪雨のせいで、冷えて痛くなった足が麻痺して来ても、それを引きずって家まで歩いたの。


 周りの人は私を遠巻きに見ていたわ。


 だって豪雨の中、泣きながら足を引きずって歩く大人の女なんて


 ホラーでしょ?


 ようやく自宅にたどり着いた時、お母さんの気配がしたから、

 心配かけちゃダメだ!とにかく着替えなきゃ!

 と自分の部屋に駆け込んだところでホッとしてスイッチが切れた。


 涙が止まらなかった。


 気がついたら母に着替えさせられていた。


「瑠璃?るーちゃん?」

 小さな頃から甘やかす時に呼ぶ、るーちゃんの声に

 私はホッとして話す事にしたが、感情が麻痺してうまく話せない。


「騙されていたの………愛してすらいなかった」


 母の腕に力が入った瞬間


 落雷と共に転移したんだ


瑠璃の最初の彼氏は、瑠璃に構われなくて寂しくなり、

自分じゃなきゃダメだと弱々しく縋る女にあっさりハメられました。

今じゃすっかり尻に引かれてます。


元彼は、全くイケメンでは無いのに無駄にコミュ力高くて

安心させてから頂きます。要らなくなったら逃げる為に偽名です。

なんなら詐欺もします。


オカンは頑張るから、瑠璃、ちゃんと幸せになるんだよ


次回は おかんの手書きメニュー です。

ちょっと嫌な気分になったでしょ?だからほっこり回です。


コメント、評価、ブクマ、反応で瑠璃を応援してやってください!


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