表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

騙したな?

この話は、「トングが聖剣?使わないけど」と並行したお話です。途中から時間が交わりますが、こちらだけでも大丈夫です。楽しんで頂けたら嬉しいです。


仕事が休みの朝、私は立ったままコーヒーを飲みながら、昨夜の残りの煮込まれて芋の形が崩れた具沢山スープを温めていた。


娘は三連休らしく昨夜から半年後に結婚する予定の彼氏の家に泊まっている。娘の居ない朝は何度目だろうか?既に慣れてしまい彼氏が一緒なら心配すらしなくなった。


「雨が降りそうね?」

キッチンの窓から見えた空に黒い雲が広がっているのが見えた。ゴロゴロと、雷鳴も響き始めた。まずい、洗濯物を取り込まないと。


私は一旦スープの火を止め、足早にベランダに向かう。全ての洗濯物を取り込んでホッとした頃ポツポツと雨が降り出した。キッチンに戻り、窓から雨粒を確認して直ぐ、激しい雨がバチバチ窓ガラスを叩き始めた。


「間に合ったわ、危なかった」


昨夜仕事から戻り、鍋にスープの食材を放り込み、とりあえず洗濯物だけはと疲れていたけど頑張って干したんだ。台無しにならなくて良かった。


私の名前は丸寺透子、娘は瑠璃。娘を妊娠して直ぐ男に逃げられた為、旦那は居ない。

1人で産み育てる事にはなぜだか全く躊躇しなかった。


仕事は美容師をしていたが融通が全く効かない店だったので、少しでも娘の側に居たくて貯金を叩き小さな自分の店を持った。


そこからは、意識が飛ぶ程に毎日が慌ただしく、決して安穏としていたとは言え無いが、娘は可愛くて毎日が楽しく幸せだった。


その娘が結婚するのだ。半年前、幸せそうに紹介してくれた娘を見て、こんなに嬉しい事は無いと思っていた。


窓の外では落雷が響いていた。天候はかなりの荒れ模様、私は中途半端に温まったスープを装い、雷の鳴る空を眺めながらキッチンで立ち食いしていた。5分程で食べ終わり鍋と食器を洗い終わった頃


ガチャガチャ!バン!ドタドタバンバタン!


玄関から乱暴な開閉音がした。娘だろうか?

今夜も彼氏の家に泊まる筈だ。忘れ物でもしたのだろうか?私は気になって娘の部屋に向かうが、廊下が水浸しだ。この激しい雨に打たれた様だ。途中風呂場でタオルを掴みドアをノックする


「瑠璃?帰ったの?」

返事が無い。普段は必ず返事をする子だ。彼氏と何があったのだろう


「開けるわよ?」

私は扉を開けてびっくりした。ずぶ濡れで娘が、部屋の中心で静かに涙を流しながら立ち尽くしていたからだ


とりあえず、着替えさせないと


私は娘のクローゼットから、服と下着を取り出して、呆然としている娘を黙ってタオルで拭いて着替えさせた。娘の着替えを手伝うなんて、発熱時を除いて5歳の頃を最後に記憶に無い。余程の事が、あったのだろう。


私は一旦キッチンへ戻り、暖かくて甘いミルクティーを入れて娘の元に向かう。あの子の好きな飲み物だ。


娘はまだ立ったままだ。とりあえずサイドテーブルに湯気の立つ、紅茶を置いて娘をベッドに座らせた。手に紅茶を持たせて


「飲みなさい」

と促すと、ぼーっとしながらも一口飲んだのがわかったが、娘の手がストンと落ちそうになり、私は慌ててカップを取り上げた。自分の手に熱い紅茶が掛かって熱かったが、娘の状態が、気になってそれどころじゃ無い。


「瑠璃?るーちゃん?」


私は大人になった娘を小さな頃の呼び方で呼んでいた。私が守ってあげなきゃいけなかった頃よりも、今、目の前の娘は儚かった。


「・・・たの」


瞬きすら忘れてしまった娘の目からはとめどなく涙が溢れていた。娘が何か呟いたが、天井が薄い賃貸の屋根は防音効果が薄く雨音が激しくて娘の声は私まで届かない。雨で身体が冷えてしまっている。とりあえず抱え込んで娘の背中を摩り続ける。


「・・・全部、嘘、だったの」


娘の声は届いたが、嘘?何の事だろうか?消え入りそうに弱っている娘を問い詰める訳にもいかず、黙って体を摩りながら次の言葉を待つ。


「彼、名前すら、偽ってた。経歴も、何もかも。他にも、複数人の、女性がいた。私の事は、愛してすら、居なかった」


娘は途切れ途切れ言葉を綴った。言葉を最後まで拾った頃には、私の中から抑えきれない怒りが膨らんで今にも爆発する。そんな時に


私と娘の周りが雷鳴と共に急に眩しく光った。


落雷?!私は咄嗟に娘の頭と身体を抱えて身体を丸め娘を守ろうとした。落雷なら2人とも助からないだろう事は分かっては居た。


目を閉じて痛みが来る覚悟をしたが、一向に痛みも衝撃も来ない。即死だったのだろうか?何となく空気が変わった気がして恐る恐る目を開けたら


「やった!でかしたぞ!召喚成功だ!」


・・・貴方達誰よ?


目の前には知らない派手な格好の人が居た。


見つけてくれて、ありがとうございます。

娘の事が気になりすぎなオカン怒りのままに転移!


評価、反応、ブクマ、感想、すっっっごく気にしてます。ワクワクしてます。励みになります!


この話は、今後も他の作品とも世界がリンクしてます。


スマホで書いてるのでタッチミス、変換ミス、他作品と辻褄が合わない等見つけた時は、パラレルと三回唱えて忘れてください。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ