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スーパーナース 篠原彩子 アラフィフだけど25歳に転生します!

初めまして。「つくよみ くる」と申します。初めての小説になりますがお楽しみいただければ幸いです。

中規模病院に勤務する彩子。

外来勤務、在宅往診、日勤からの当直──月に4〜5回の夜勤に加え、当直明けも休む間もなく外来業務をこなしていた。


朝8時半に始業。夕方16時半に小休憩を挟み、17時には一旦退勤処理をして、そのままER室での救急当直に入る。

翌朝8時半には再び入勤処理を行い、通常の外来業務に戻る。

(……辞めるスタッフが多いのも無理はない)

そう心の中で毒づきながら、彩子は今日も勤務を続けていた。


「当直は寝られるから」という入職時の師長の言葉は、すっかり裏切られた感があった。

この日も救急当番日。次から次へと救急車が到着し、ER室は満員御礼。

医師の指示を受けながらも、トリアージで患者の重症度を瞬時に判断し、指示が出る前に病態を予測して動く。

看護師歴30年以上、在宅での看取り、クリニック勤務など様々な現場を経験してきた彩子。

今の病院に勤めて3年目となる彼女は、淡々としかし確実に、業務をこなしていた。


──日勤からの当直、そして明けの日勤。仮眠はわずか1時間だけ。


疲労を抱えたまま帰途についた彩子は、駅へ向かう歩道で思いきり背伸びをした。

体の芯に残る疲れを、空へ逃がすように。


その時、ふと思い出した。

夜中に救急搬送されてきた、20代の若い男性。

交通事故で重傷を負い、生死の境を彷徨っていた。


「大丈夫ですよ」と、励ます救急隊員。

だが彩子は、思わず小声で呟いていた。


「……大丈夫なんて、言えないでしょ」


青年の手は小刻みに震え、隊員の声も届いていない。

だから彩子は、ただその手を強く握りしめた。


「がんばれ──」


精一杯の声で励ますと、青年は弱々しくも、力強く彼女の手を握り返した。


(──大丈夫なんて、言えない。

そんな言葉で救えなかった命を、私は何度も見てきたのだから)


ぼんやりとそんなことを考えていた、その時だった。


耳に届いた、鋭いブレーキ音。

振り向く間もなかった。

背後で起きた車の衝突事故──弾き飛ばされた車体が、彩子の体を激しく跳ね上げる。


彼女の体は、数十メートルも宙を舞い、無情にも地面に叩きつけられた。

──即死。


その瞬間、彩子の意識は、ふっと暗闇へと沈んでいった。

お読みくださりありがとうございます。

次回は異世界になりますが、どんな世界か?魔法が使える世界です(在り来たりですみません)

更新は早めにできればと思っております。宜しくお願いいたします^^


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