8章
「いつきてもいいな」
僕は今、潮の近くに来ている。
「まぶしいし、べたべたするし、あつい。いいわけじゃないな。うん」
山田はどこまでわかっていたのだろう。
というよりこれって俗にいう闇バイトってやつだったのかな。
意外と日常に潜んでいるんだな…。
なんてとりとめのないことを考えていたがいよいよ考えることがなくなってきた。
「そろそろ行くか」
潮の近く、とさっきは言ったが、それも実はあまり正しくない。
いま、僕は崖の上の干場という状態だ。
映画にできそうだな。崖の上の干場。
崖の先端に向かって歩きだす。しかしどんどんスピードが上がってもう走っているようだ。
崖から海に向かって飛ぶ。
どこまでも飛んでいけそうだ!
ふと、家の方を見てみる。
あの部屋からまさかこんなことになるなんて思わなかったな!
なんかむしろ清々しい!
過去の僕よ!君はかつて自分が紡ぐ物語は部屋の中で終わりを告げるのかと問いていたな!
その質問に答えられそうだ!
僕は!地球という大きな舞台で物語に終止符を打つんだ!そんな人生を!歩むんだよ!
死ぬことは怖い。しかし絶望はない!
海に入った。海面がコンクリートみたいに固い!
冷たくて気持ちいいな!
どんどん深海に沈んでゆく。
水面から差し込む光が美しい。
どんどん苦しくなってくる。
生への渇望もわいてくる。
しかし!ここで潔く死なないと恥ずかしいな!今の今までポエムチックに思考を巡らせていたから!
僕は、いや、俺は!どこで道を踏み外したかなぁ!
この人生は悔いが残った!
他に恨むこともあった!
しかしこれだけはきっと、正しいことだ!
ここが!この深い深い海の底こそが!
いま、ここが僕のいくべき場所だ!
お疲れさまでした~!どうも!遍雨と申します~!
コミティアからお読みいただいた方はわざわざQRコードを読み込んでいただきありがとうございます!
どうでしょうか!NoWHere ToGoはお楽しみいただけましたか?
実は部活内で連絡がうまく取り合えてなくて締め切りを言われたのが2日前とかなんですよね!まさか徹夜することになるとは思いませんでしたよ!カクヨム甲子園以来ですかね!こんなに急いで書いたのは!
ちなみに今回のタイトル、NoWHere ToGoというものなんですが、一番最初と最後で意味が変わっていることにお気づきでしょうか!
一番最初の文章はこちら「どこにも居場所がない。」です。ここでのnowhereの意味は本来の「どこにもない」というものです。No whereと区切るとより分かりやすいかもしれません!
じゃあ最後ではどうなっているでしょうか。「いま、ここが僕のいくべき場所だ!」と書かれています。これは区切り方を変えていて、Now hereという区切り方、「いまここが」という意味にしました。
物語を通して主人公くんの性格がかなり変わっちゃったのがちょっと微妙だったかなと思ってます!まあ人の性格なんてきっかけ次第でどうとでも変わっちゃうよというマリアナ海溝よりも深い理由があるんですね。うんうん。深い深い。
あとはちょいちょい小ネタを入れてます。二次創作に当たらないぐらいにできた…はずです。引っかかったらごめんなさい。
さて、ここらへんで終わりにしておきます。多分締め切り前なのでカクヨムコンテストの方にもエントリーしておきます。
全部をなろうさんで読めるようにしておきたいですね!
ではでは!またのご機会あればぜひお読み下さ~い!