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真昼の月  作者: 日浦海里
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泡沫の星

生まれては消え

夜の空に星がまたたく

ひとつ ぽつん

ふたつ ぽつん


浮かぶように輝いて

弾けるように消えて


凪いだ水面に生まれては消える

小さな泡のようにも見えて


月のない空に星がはじける

ひとつ ぱちん

ふたつ ぱちん


消えては弾けて

弾けては飛び散って


星が遺した光の残滓は

柳を模した花火のように

散って降って注げばいいのに


流星雨なんて望まないから

月光を受けた粉雪みたいに

しんしんと

はらはらと


賑やかなだけの灯りはいらない

うるさく鳴き喚く人の営み


消えることない地上の星たち

呑まれることから逃れる星たち


光も過ぎれば闇とおんなじ

すべてを呑み込んでいくだけなのに


地上の星もまたたいている

ひとつ ぽつん

ふたつ ぽつん


ろうそくのように揺らめいて

消されぬように燃えて燃えて


数多の星に紛れては消え

水面を望んだ泡のように


星のない空で命がまたたく

ひとつ ぱちん

ふたつ ぱちん

消えては生まれ

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― 新着の感想 ―
>光も過ぎれば闇とおんなじ  すべてを呑み込んでいくだけなのに  確かに、と思いました。  暗闇には少しずつ慣れることもできますが、目を射る程の光に慣れることはできるのでしょうか……。  覆い尽くす…
呑まれることから逃れようとし 全てが呑み込まれてゆく・・・ そうかもしれませんね。 繁華街の光だけでなく。
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