3/4
波間の鏡
生まれては消え
鏡が揺れている
水面に浮かぶ小舟のように
人形が歪んでる
遊び疲れた子供のように
規則的な音をたてながら
不規則に寄せる砂の波
三角関数が描く波形は
四角四面の型に嵌まらず
壊しても壊しても
幾度となく姿を変えて
作っても作っても
望む型を取ることなく
細を見れば
時のまにまに
差異を見れば
時の谷間に
固まらず
定まらず
絶え間なく
揺れて揺れて
擦れて崩れて
姿見に映ってる
覗き込んだ自分の姿
他人事のようでいて
ここではないいつかのようで
消えては生まれ