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欠色の虹
生まれては消え
走る電車の窓越しに
真っ黒な雲を背にした虹を見た
目を凝らせばやっと見える
黄色と青がやっと見分けられる程度の
今にも消えそうな虹を見た
止まった電車の窓からは
建物の影に遮られて虹は消えた
屈んで建物の上を見上げても
微かな青の架け橋すらも見えない程に
突然虹は消えてしまった
走り始めた窓の向こうには
真っ黒な雲と微かな光だけが見えた
目を凝らしてもどこにも見えない
たった二色の消えそうな虹は
雲の中へと溶けてしまった
窓の光が見せた幻か
偶然が重なり見せた絵画か
消えてしまっては分からなかったが
朝のほんのひと時の合間
真っ黒な雲をその背に背負った
たった二色の虹はいた
消えては生まれ