第9話 ニワトリ小屋までゴーゴー行こうかい
先週、先々週、投稿できなくてすみません!
今週から投稿頻度をあげていけたらと思います。
「あのぅ…そろそろ降ろしてくれへん?」
「おまえは使える。というかお前がいないとだめだ」
「はぁ?」
裏宇宙があたしを担いだまま廊下を走る。宇宙服着たやつに胴上げみたいに担がれてどこかに連れていかれるあたしは奇妙な気持ちになった。
「なぁ、あいつら何なん?ゴーゴーカレーみたいな」
裏宇宙が走ってる中、担がれているあたしが上から質問する。
「轟GO連合会。宇宙が所属してる部活」
なんや、あっさり答えてくれた。
「部活なら、なんとか部って名前にしいや……。どんな部活なん?」
「秘密結社ミステリーヒミッツからこの学校を守る部活」
「なんやその秘密秘密言いまくってる秘密結社は。そいつらから学校を守る部活……うーんいまいちピンとこーへんな」
あんな変な奴らが学校を守っているんか…不安やな。
「その轟GO連合会に宇宙は入ってると」
「ああ」
「それで裏宇宙は轟GO連合会から追われてると」
「ああ」
「じゃあ昔、轟GO連合会の人達にいたずらをしたと」
「ああ」
「なにしたん?」
「全員の上履きの中を木工用ボンドで満たしてやった」
裏宇宙がニヤっと白い可愛い顔で笑う。
「はぁ⁉やばすぎるやろ……」
「ぷははは!あんときのあいつらの顔面白すぎた!」
「そら、また裏宇宙が出てきたとなったら、追い回されるわな」
あたしは轟GO連合会の皆さんに同情した。
宇宙はあたしを担いだまま校庭に出た。そしてまた走り出す。
「どこに向かってるんや?」
「フライちゃんを捜してる」
なんか会話が成り立つようになってきた!心を開いてくれたんかな?
「おまえ、心を開いてくれたのか、とか思っただろ。ただおまえに利用価値があるから答えてやってんだ。勘違いすんなよ、ばーか」
イラッ…なんやとこいつ。
「ってか、そもそもフライちゃんってなんやねん」
「鶏だ。さっきも言ってたぞ。記憶ねーのか」
「いや、それは知ってんねん。その…学校で飼ってるやつなんか?」
「いや、部活のマスコットとして飼っている鶏だ。宇宙が可愛がってた」
「だから捕まえるん?」
「ああ」
「ん―……やっぱ分からんわ。あんた。別人格なんは分かったけど、結局、表宇宙の味方なん?」
「…」
裏宇宙は無言になった。うーむ。なんなんやろ。この裏宇宙という人格は。
「着いた」
宇宙が止まる。
「ここは…?なんやここ!」
あたしは宇宙に降ろされ、地面に立つ。
コケー‼コケー‼
何百匹の鶏が大音量で鳴いている。
錆びた鉄でできた、田舎の駅くらいの大きさの丸い檻。
「で!…でかすぎやろ!」
そこは見上げるほど大きな鶏小屋だったのだ!
読んでいただきありがとうございます!
短編もぜひ!!