第8話 置いてけぼりと鶏
8話です。もうそろそろ宇宙とこてんちゃんの出会いパート終わらせたい
「5,4、3、2…」
うわああ……どないしよ。
「ふはは!これでこいつも信号無視した犯罪者だな!はっはっは!」
ダコダコダコダコダコ……
ん?ダコダコ?何の音やろ?廊下から聞こえてくる。
「うわぁ、あいつらかぁ」
「なんやあいつらって」
だんだんと近づいてきたダコダコ音は西組の教室前でピタリと止まった。
ガラガラ!ぴしゃ!
「タラン!」
「サザーン!」
「カミチャァーン!」
「カミサマーーン!」
「……」
な、……
なんやこいつら‼
変なかけ声とともに教室に飛び込んできた四人組がそれぞれポーズを決めている。一人ひとりなんか濃いやつばっかなんやけど…‼
「四人そろって!」
「そうゆうのはやらん!」
「だってさーはは」
「うーん…今日もあなたはそう。そうだよね。マイハニ!」
カオスや…ツッコミたいぃぃ!でもツッコむすきを与えてくれへん。
四人組のうちの一人、オーバーオールを着た背の高い人が手を挙げて言った。
「裏宇宙。お前が出てきたのは「スーパーすごい‼ハヤシライス博士(天才)の裏宇宙発現発見装置いえすあいあむうらうちゅう」により分かっているんだ。さぁ無駄ないたずらをやめて宇宙を返してくれ」
ハヤシライス博士もミスターパーフェクトと似てナルシストやな。しかもネーミングセンスないし。
「はぁ?やだね。いくら轟GO連合会のお仲間さん達でも宇宙は返さない。この金髪女との問題なんだ。出てってくれよ」
オーバーオールのやつを裏宇宙がキッと睨む。なんや、「轟GO連合会」って…
「では問おう。フライちゃんが逃げたと言ったらどうする?」
「それは脅しか?」
んんんーー!分からん!何一つわからん!なんか緊迫した感じのセリフ回しやし、知らん単語たくさん出てくるし、自分だけ取り残されてるんやけど!
オーバーオールのやつは黙って鳥のいない鳥かごを後ろのやつに持ってこさせた。
あーなるほど。フライちゃんって鳥のことね。空飛ぶからフライングってことやんな。
「鶏が一匹で外の世界で生きられるとでも?」
いや、空飛ばへんやんけ!鶏かい。文鳥とかかと思っとったわ。
ん?じゃあ、フライってチキンのほうか⁉よぉそんな残酷な名前つけれたな!
「なるほど。わかったよ。ただお前らがその狭い鳥かごに入れたのが間違いだな」
そう言ってあたしを担ぐ裏宇宙。
「わわわ!めっちゃ力持ちやん!」
「おれ一人で探すから。さいなら。ぷはは」
そして裏宇宙は腕にある黒いボタンを押す。
シュコーーー!
「ゴホッゴホ!くっそ!裏宇宙め!」
白い煙が宇宙服の背中からでてきた。
視界が真っ白になる。あの四人は裏宇宙を見失ったな…。
「裏宇宙は荒く捕まえるに決まってます。フライちゃんは血が苦手です!フライちゃんに怪我されると大変なことになりますよ!先輩追いましょう」
「もちろんだ」
「え、もうつかれたんすけど…」
「この匂いはマイハニが好きなあれ!」
なんやねんマイハニて…変な略し方すなよ。
ん?確かになんか…チョコバナナのにおいがする。
いや、ハヤシライス博士いらん機能つけすぎやろ。
そうしてあたしを担いだまま裏宇宙は教室の外へ。
「なんでそんな力持ちなん⁉」
「はっ。馬鹿が。よかったな。邪魔が入って。今のうちによく考えておくんだな」
やっぱ話通じないの腹立つわ。
「……
こいつの一週間前の没頭したものが筋トレだ」
え、なんか話してくれた。
なるほどな。そういや筋トレの本見たなぁ…
読んでくれてありがとうございます!