第7話 スペースリターンズクイズ
読んでくれてありがとうございます!もうちょい頑張って多めに書こうかなと思っています。
さて、どうするか……どこに売ってんのか分からへんガムテープで口がふさがっているので、言葉が発せられない。
裏宇宙め…あたしを「頭わるー」とか思って見てるな。可愛い顔でニヤニヤしやがって……!
キーンコーンカーンコーン!
チャイムが鳴った。もう一時間目が始まるんか。
がらがら…
「犬飼さん!」
と叫んで「西組‼」ドアを開けたのはマフラーを巻いた美人な女の先生。腹巻先生だった。
「ごめんなさい!今日は学年閉鎖な……なにをしてるの?」
腹巻先生は裏宇宙と、椅子にくっ付き口をふさがれているあたしを交互に見た。
「そう…仲良くなれたのね」
と伏し目がちに言う腹巻先生。
「むごごごごごごご!(全然ちゃいますよ!)」
完全におかしな誤解をされている!あたしは手足をバタバタさせた。
「あー…宇宙君がヘルメットを脱いでるってことは別人格君なのね」
「むごごごご!(なんや知ってんのかい!)」
「今は北組担任だけど、一年前は宇宙君のいるクラスを担当していたのよ。別人格君。こてんちゃんには優しくしてあげてね」
「ちっなんだよ」
そう言いながら裏宇宙はあたしの口に貼ってある変な柄のガムテープをびりっと剥がす。
痛かったけど、それよりもなによりも、裏宇宙が腹巻先生に反抗しながら、少しだけ顔を赤くしていることに驚いた。ちょっとニヤニヤ。
「よーし。あ、そうだった。こてんちゃん、しばらく学年閉鎖だから、休むことになるけど、もしよければ明日も学校来る?病気が治って個人的に学校に来てる子もいるからその子たちと会えるわよ」
「えっと、じゃあ来ます」
「わかったわ。じゃあ私はここらでお暇…若い二人にこの場所はお渡します」
と、腹巻先生が教室から出ていってしまった。
「いや、別にちゃいますからね!」
なんか腹巻先生、誤解してそうやな。
そして、腹巻先生ってば相変わらず寒がりやな。真夏にコート着て…あんなん見てるだけで暑いわ。
ってかあれで終わりかい!もっとこう…え?裏宇宙は放置?
「これでまぁ…フェアだな。で、お前は答えられんのか?自信あると言っていたよな?」
「うむむ…これは…」
また威勢を張ってしまったパターンでは?あーもう!あたしの悪い癖、第二!すぐ威勢のいいことを言って、未来の自分を困らせること。
「制限時間あと十秒ね」
「えぇ⁉小学生か!」
うーん?まったく分からない。ある一言を言えば元の宇宙の人格が帰ってくる?そんな都合のいいことほんまに起こるんか?
「8、7、6…」
焦らせるなぁ…あー!わからん!
「5,4、3、2…」
分からんから適当に…
「1…」
「え、え、あー……歯磨き粉!」
「はあ?」
あーーー!
おばかやん、あたし!んなわけないやろ!なんや、歯磨き粉って。
「ははは!なんだそれ!やっぱお前頭悪いな」
「なんやと!」
「ほら、はやくしないと。9、8、7…」
「はやすぎる!」
くぅ…どないしよ。
考えろ。
宇宙は女に間違われるのが嫌なんや。つまり男として見られたいわけやろ。ってことは……
「はい!えっと……わあ!男だぁ!」
「なんだお前馬鹿にしてのか」
いやもう分からん……。解答権あと一回しかないやないか!
「9、8、7、6…」
こりゃまずい。
読んでくれてありがとうございます!ぜひ短編の方も読んでみてください!