第6話 裏宇宙!まだ読んでる最中!
かなりきついです…投稿頻度は変えずに、文量が少なめになると思います。あまり前話の短さとつりあっていませんが、そこは御愛嬌ということで…すみません
ドン!!「西組!!」
うーむ相変わらず主張の激しい扉やな…
人目を気にしながらも教室に着いたあたしは適当な机に座り、「ミスターパーフェクトの宇宙ゆき取扱説明書」のページをめくる。
さっきの宇宙のこと書いてあるといいなぁ。結構重要やからもっと最初の方に書いておけよ!
はぁ…またツッコまなあかんのか。ため込んでツッコむの疲れるからやめるか…
よし、覚悟して読もう。
『ミスターパーフェクトの宇宙ゆき取扱説明書
絶対に「はじめに」から読むべし。 』
あぁ…これはあたしが悪かったわ。そういや無視してたな…
『〜はじめに〜
宇宙ゆきは男子だ。
体も心も全て男だ。
顔と声だけが女子である。そして、顔が整ってい
る。(私のかっこよさの前では全て無意味だが)』
「その一文がいらんのに…どんだけこいつ自分に自信あんねん」
『大事なことは、宇宙ゆきは女子に間違えられることを嫌うということだ。
詳しくは分からないが過去に何かがあったらしい。
3回女子に間違えられると、別の人格が出てくるのだ。
いつもの宇宙とは違う意地悪な人格はいつも人にいたずらをする。私はこの宇宙を逆裏宇宙と名付ける。この文を書く13分前にも私の神聖な髪の毛をハサミで切りやがった…許すまじ、逆裏宇宙…まぁ今回はこの本を作れたことに免じて許してやる。
昔の宇宙は宇宙服を着ていなかったせいで、女子と間違われることが何回もあったらしい。その度に逆裏宇宙が問題をおこし、このクラス、魔の西組に入れられてしまったということだ』
「あー!リバースだか何だか知らんが鬱陶しい!普通に裏宇宙でいいやろ。なんでそこ捻るんや。そして逆裏だと変わってへんやんけ、待遇やん!」
『私と同じクラスでさぞ嬉しかろう。うんうん。ただ髪の毛を切ったこと許しはしない! 』
「さっきと言ってることちゃうやん!許したれよ、別の人格なんやから」
『まぁつまり初対面の人は気をつけてくれ。宇宙が逆裏宇宙になっていたずらされても知らないからな。ああ、いたずらされてえらい目に遭った…という哀れな人よ。ちゃんとこの私の本をはじめから読んでおけば良かったものの…涙を拭くためのハンカチをあげよう。付録についている。』
「くっ…こやつに文字で同情されるなんて…ってか付録にハンカチなんてつけんなや!…いやまず付録をつけるな!」
『元の宇宙に戻すにはある一言が必要ということが宇宙近辺調査でわかっている』
「宇宙近辺調査…」
『「地底人ちゃん」こと、下町チカ氏による情報では、逆裏宇宙のときの宇…
「おっとそこまで。関西女!!お前、あれだろ攻略本買っちゃうタイプだろ」
「宇宙…!」
裏宇宙が「ミスターパーフェクトの宇宙ゆき取扱説明書」を取り上げた。
「いつからいたんや?全然気づかへんかったぞ…」
暑そうな宇宙服を着た美少年がニヤニヤと意地悪い笑みを浮かべ立っている。
「なぁ、裏宇宙。宇宙返してくれへん?あたしの東京のはじめてのともだちなんやけど」
「責任とれよ。おれの宇宙を傷つけたんだからな。お前。……プフッ。それにしてもお前、その血まみれの格好おもしろいな」
「んやと…!」
相変わらず話の通じないやつだ。そして腹立つ。
「いいよ。宇宙を返してやるよ」
ん?お…!あっさりと!
「ただし、宇宙を出てこさせる言葉をお前が当てることができたら、だ」
「クイズか…ええよ。うけてたつ」
「じゃあ回答は3回まで」
「ええっ!3回!まぁええか。自信あるもん」
「当てられなかったら、この宇宙の体で…」
「まさか、殺人とかせんよな…!宇宙なんも悪くないのに捕まっちゃうやん!」
「フハハハ、赤信号7回くらい無視してやるぜ!」
「しょぼっ!まぁでもよくないわな。宇宙にそんなことさせへんぞ」
「へーじゃあ答えてみてよ。当てられんだろ?」
よーし、やったろうじゃないか!!と、あたしはイスから立つ。
「あれっ!?うわっ…!」
ズテン!!
イスとお尻がくっついている!なんで?そのせいでバランスを崩して転んでしまった。
裏宇宙がポケットから出した青に黄色の水玉模様ガムテープを出してあたしの口に貼った。
なんやねんその配色!
「はーっはっは…ぷぷぷ。見事引っかかったな!」
くそ…裏宇宙、あたしが来る前にイスに小細工仕掛けてたんか。
「で、答えれるんだろ?」
くっ…
「ほっうぇふぁおうああいか!!(やってやろうじゃないか!!)」
そう言って、いや、言えてないで、意地悪い可愛い顔を睨んだ。
読んでくれてありがとうございます!
短編のほうもぜひ!!