表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オムニバスユニークラス!!  作者: 友之絵朝陽
第二章 出席番号??番と??番と??番
15/15

第15話 ハリボテサボテン、赤面こてん

読んでくれてありがとうございます!

次回の更新は、3月17日か、24日です。

「助けてください!」


「腹巻先生、そんな緊迫した顔でどうしたんですか?」


暑草先生が聞くと、腹巻先生がガタガタと震えだした。この先生が震えていると、寒いのか、怖いのか、わからんな。


「あぁ……言いたくもない。あの、あの……恐ろしいあやつが……」


腹巻先生は非常に怖がっている。


「まとまった。今から君に質問する」


刑事が犯人を脅すような迫力のあるビシッとした声。

あたしが腹巻先生に気を取られている間にあんなにワーワーと騒いでいたパソコンの画面は静かになっていた。


「失礼。自己紹介がまだだった。私は佐須賀出来男さすができお。このクラスの学級委員をしているものだ。ハヤシライス博士とビーフシチュー男爵に頼んで、みんなをミュートにしてもらった。今さっき、まとめた質問を君にするが差し支えないかな?」


堅苦しい言葉使いで聞いてきた男。髪は七三分けでピッシリとスーツを着ている。


「あ……は、はい。どうぞ」


「まず1つ目の質問だ。改造人間に興味はないか……だそうだ」


なんやそのマッドサイエンティストがいかにも言いそうな誘い文句は!

絶対ハヤシライス博士か、ビーフシチュー男爵やろ。


「いや、あまり興味ないですわよ……オホホ」


もう東京語がこれであってるのかどうか怪しくなってきたぞ。


「なるほど、答えてくれてありがとう。では次の質問だ。俺の左肩が疼いているぜ。一体お前は何者なんだ!……だそうだ」


なかなかな中二病、患ってるやんか。

ってか普通、疼くのは腕か目やろ。

肩はしょぼいやん。


「えーと……別に何者でもないですぜ」


あーダメや。突っ込みたくてたまらん。語尾も変になってしもたし、ウズウズする……!


「なるほど。答えてくれてありがとう。では次の質問だ」


だぁー!! 答えるたびお礼言うの固すぎやろ!

いいやつ何やけども……どっかの執事か。


「ゴキブリ!?」


急に大きな声で叫ぶ暑草先生。

どうやら、腹巻先生が怖がっていたものはゴキブリだったようだ。


「言わないでください!名前を聞くだけでもダメなんです!!わっー!キャーーー!!来た!」


腹巻先生は西組の教室に入ってきたゴキブリを見て、教室の隅っこに後ずさる。


「犬飼さんは、生まれて何日目ですか……だそうだ」


パソコンの中で佐須賀くんが何事もなく聞いてくる。そりゃそうやよな。

このパソコンの裏でゴキブリvs腹巻先生、暑草先生、宇宙の1対3が行われてるなんて知らんもんな。


「なっ!……ん日目かって?えっーと……」


危ない危ない。『なんで普通に誕生日で聞いてこうへんねん!!』って叫びそうになったわ。

うわぁ……計算めんどくさいなこれ。

えーと、私が今14歳やから……


「結構小さいゴキブリですよ!」

「待て、宇宙くん!!!ゴキブリという単語はダメなんだ!!ゴキブリというと腹巻先生が怖がるだろ!!」


暑草先生も言ってるやないか!

クソッ突っ込んでまう。計算に集中できへん。


「ならば、小さなゴキ、コゴキって名前をつけるのはどうでしょう!」

「なるほどコゴキか。いいアイデアだ!!」


初号機か!!

ああもう!


「ハッハッハ!もう安心して下さい!!腹巻先生!!私がこのコゴキめをボコボコにしてやります!!」


そう言って暑草先生がタンクトップを脱ぎはじめる。


「あぁっ!ダメです暑草先生!」


宇宙が暑草先生を止めるが暑草先生は無視して、白いタンクトップを脱ぎバサッと投げ捨てる。


「あれっ?」


暑草先生がいない。どこや!なんでや!!


「うわっ!ゴキブリだ……」


弱々しい声がきこえた。

ん?

いるのは、宇宙服の宇宙と、こんな暑いのにコートを着ている腹巻先生と、ガリガリの小さな男性。

……?ガリガリの小さな男性?


「はぁ。私は、そう。ゴキブリをやっつける勇気さえない。そんな大人だよ。ははは……」


その小さな男は体育座りをして窓にもたれかかった。


誰やーー?!


開いた口がふさがらない。


「どうしました?犬飼さん」 


佐須賀くんが不思議そうな顔をする。


「あ、いえ、なんでも……。ちょっと、なんかイリュージョン見せられた気がしただけや。あ…やーですわ」


「暑草先生!タンクトップ脱がないでくださいよ!」


あの骨まで見える細々男が暑草先生?

あの筋肉はどこ行ったんや?

でもよく見ると、あのツンツンした栗みたいな髪の毛がダランと垂れている。


「いや、もう、そんなことはどうでもいいんだ。あんなちっぽけな黒い虫に憶病になっている自分が全て悪いんだ。もう。そうだよな。アンジェリーナ」


宇宙に暑草先生と呼ばれた男は、植木鉢に植わっているサボテンを撫でる。


「イテッ。はぁ……もうダメだ。人生終わりだ。一緒に死のうなアンジェリーナ。イテッ」


なんでそんな悲観的なんやこの人。


「そっか、こてんちゃんは初めてか!暑草先生がハリボテサボテンって呼ばれている理由。これだよ!」


ポケットから『ミスターパーフェクトの暑草先生の全て』と書かれた本を取り出す。

ほんまに宇宙は何でも持ってるな。

ってかミスターパーフェクトって、暑草先生の本も出してたんか。


「髪の毛がツンツンしているサボテン状態は筋肉ムキムキで豪快な性格だが、何かにかけて気合を入れようとタンクトップを脱ぎたがる。タンクトップを脱ぐと、髪の毛も心もションボリしてショボテン状態になる。ショボテン状態だと、教室のサボテンに話しかけるようになる」


宇宙が説明文を読む。

あぁ!!もう突っ込みたい!

まず、誰やねんアンジェリーナ!!なんでサボテンがハーフタレントみたいな名前してんねん!

で、なんや!ショボテ……


いや、突っ込んじゃダメやろ。

まだ心の中で我慢できてよかったわ。


「タンクトップを着ると筋肉があるように見えるのは、着やせと同じ原理なのだ。着やせならぬ、着マッチョとでも言おうか」


「……っ!」


我慢我慢。突っ込むな。このパソコン前で大声で突っ込んだらそれこそみんなに聞かれて、ジ・エンドや。


「あの……どうした?犬飼さん?」


「あはは……何でもないわ。えっと、多分生まれてから500日くらいですわかな?」


「あー……それだと1歳くらいだ。うむ。答えてくれてありがとう。次の質問に移ろう」


私の顔が赤くなった。あー、お礼言われるのも恥ずかしい。

やっぱこの学校疲れるわ……。






読んでくれてありがとうございます!


えー……なかなか〆切がまずいですね。新人賞。頑張っていきたいと思います。その都合で次回の更新が来週か再来週か未定なのですが気長に待ってくれると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ