第3話:初めてのキーワード調査…「検索意図」の迷宮に迷い込む
「それではまず、“キーワード調査”から始めるのじゃ」
精霊が教えてくれるSEOの基礎は、まるで何かの講義みたい。私はノート代わりに図書館の裏紙を拾って、必死にメモを取る。
「たとえば『魔法薬』というキーワードを検索するユーザーは、どんな情報を求めていると思う? 種類か、作り方か、効果か…検索する人の意図は多様じゃ」
「なるほど…単に『魔法薬』って調べても、どんな薬なのか、どう作るのか、用途は何なのか…人によって知りたいことは違うのか」
言われてみれば、確かにそうかも。
「よし、さっそく調べるか! えーと、検索窓……検索窓がない!?」
思わずスマホを取り出そうとして空振り。ここは異世界もどきの“迷宮図書館”だった…ネットどころかWi-Fiすらない。代わりに、精霊が示したのは膨大な書物の山。
「こ、この本の量、ぜったいサーチ不可能じゃない!? えーと、あ、埃が目に…!」
途方に暮れる私を見かねてか、精霊はくすっと笑う。
「まあまあ焦るでない。山奥SEOにおいては、むしろニッチな情報を自力で見つけ出すのが重要。地道なキーワード調査が道を拓くのじゃ。迷宮に迷い込んだつもりで探してみるのも一興よ」
こうして、私は図書館の棚を走り回りながらキーワードの“検索意図”を学ぶことになった。異世界なのに、なんかめっちゃアナログ!