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71.夢の中3


 ボンクラ王太子は義姉上の茶会に参加出来ない腹いせなのか、その後、他の高位貴族の茶会に聖女を連れて行っていた。それは別にいい。けど、行き先が側近の婚約者の茶会ってなに?しかも招待状無しで勝手に入って来ると苦情が国王陛下宛てに殺到しているってアホか。


 側近の婚約者も気の毒に。

 

 自分の婚約者だけなら文句も言えるだろうが、そこに王太子が居るんだ。「帰ってください」とは言えない。

 しかも連れてきた聖女はマナーは滅茶苦茶、茶会の意味を理解していない、王太子や自分の婚約者にベタベタくっついている。主催者の令嬢にやたらと話しかけては「虐める」「私が平民だからって酷い」「差別だわ」と言って被害者根性丸出しの態度を崩さない。それに追従する婚約者と王太子。聖女の味方をして糾弾してくる始末。


 側近の婚約者はいずれも高位貴族の令嬢ばかり。怒りを決して顔にも態度にも出さない。終始、冷静に理性的に行動する。鉄壁の令嬢の微笑みを崩すことなく、だ。素晴らしい忍耐力である。


 事の詳細が手紙だけでなく各家から報告があがり、国王陛下は顔を引きつらせていた。きっと、側近の親達も同じような顔をしている事だろう。


 今更だけど思い出した事がある。

 ジョバンニ・カストロとヨハン・フィーデスの二人……前回は婚約者がいたんだ。


 今の生ではいない。

 そうか。こんな処にも違いはあったのか。

 まあ、あの二人の場合はいない方がいい。


 前回はやり玉に挙げられていたのは義姉上だった。

 でも今回の義姉上は王太子の婚約者でもなんでもない。そもそも接点さえない状況だ。とても「悪役令嬢」として貶める事は不可能。クラスも違うしね。


 そうなれば自然と義姉上の代わりに目を付けられるのは二人の婚約者達だろう。


 王太子の側近から大公女の側近。


 婚約者がいれば義姉上にしたように非難して攻撃していた筈だ。婚約者がいないという事はターゲットにされる令嬢がいない。ある意味良い事だった。他の大公女の取り巻きが下手を打たなければ学園に残れただろうに。もっとも僕に闇討ち攻撃なんかしてきたジョバンニ・カストロは別だろうけど。更に言うなら僕は丸腰。当然、正当防衛は認められた。





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