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冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
一章
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セカの街の新人冒険者4

「ありがとうございました!」


訓練を終え冒険者カードを受け取りガイさんに挨拶した後見習い用の依頼を確認する。


・農作物の収穫 一時間600エル 最大五時間

・庭の草刈り 2000エル

・街の下水道掃除 一時間800エル 最大四時間

・街の・・・


見習いだけあって主に街の雑用が依頼のようだ。

多分依頼を責任もってこなせるかという所を確認されるんだろうな。


そろそろお昼になること考えると農作物の収穫の依頼が出来そうだ。

早速農作物の収穫の依頼カードを受付に持っていく。

ちなみに見習いの依頼は常設依頼が多いため用紙ではなくカードになっている場合が多いらしい。


「初依頼ですね。指定された場所、この西門を出て五分ほど歩いた所にある農園です。頑張ってください」


簡易地図を広げながら受付のお姉さんが依頼について説明してくれた。


「ありがとうございます。頑張ります」


組合を出て西部エリアに向かう道中屋台で昼食。今日のお昼は汁物に練った小麦粉をちぎったものを入れた団子汁。うまい。

午後一時の鐘が鳴る前に農場についた。


「冒険者組合の依頼で来ました。時間一杯働きたいと思います。よろしくお願いします」


初めに丁寧な挨拶。ガイさんも挨拶は大事って言っていた。


「おう兄ちゃんよろしくな!作業が遅れてたから助かるぜ。因みに春カブの収穫なんだが経験はあるかい?」


春カブなら村にいた頃に何度も育てている作物だ。


「十年近く農奴だったもので大抵の農作物は大丈夫だと思いますよ。勿論春カブも大丈夫です」


「そりゃ下手な農家よりベテランだな。じゃあ早速作業に入ってくれ!」


作業は単純で一定以上の大きさのカブを丁寧に抜いて箱に入れていく。これだけである。しかし慣れてない人がやると小さいものを抜いたり無駄に傷をつけたりと無駄が出てしまうのだ。


冒険者になっての初仕事が昔から村でやっていた作業ってのも複雑な心境だけど仕事は仕事。時間一杯真面目に働いた。因みに農園の従業員並みに収穫した。


「いやー助かったよ!作業も速いし丁寧、もし冒険者をやめる時はうちに来ると良い。お前さんならすぐ従業員になれる。これ完了証明な」


といった何とも笑えない勧誘を受けつつ完了証明を貰う。労働系の依頼はこの完了証明を受付に渡すことで報酬が貰えるのだ。


再び冒険者組合にもどり受付で完了証明を渡す。


「あら、初めての依頼達成ですね。おめでとうございます。こちら報酬の3000エルです」


受付のお姉さんから報酬を貰う。初めて冒険者として自分の力で稼いだお金だ。

凄く嬉しい。


「ありがとうございました!」


気分良く組合を後にする。


記念に何か買っていこうかな、あのバーガー屋で高いのを食べるのも良いかもしれない。うきうきしながら街を歩いていると昨日の夜の寒さを思い出した。

今後依頼で外に出ることも有るだろうし丁度良いタイミングだからマントを買おう。そして少し高いバーガーを食べよう。冒険者として初めての一日は中々に良い日になった。

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