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冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
四章
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リンの街と冒険者1

五章開始です。


今後とも宜しくお願い致します。

朝目が覚めると下の階から賑かな声が聞こえてくる。一瞬戸惑ったがこの宿は朝食も出るから当然といえば当然だ。


今まで長いこと暮らしていた駆け出し荘では朝食が無かったためとても静だった。

朝、人の声が聞こえてくるのも悪くない。


今日は依頼を受ける予定はないので、身支度を済ませた後最低限の装備を着けて下へ降りると、焼きたてのパンの芳ばしい香り。それに野菜のはいったスープもあるようだ。


早速食べようとマージさんに朝食を貰いに行こうと思っていたら、少し年上くらいだろうか若い女の人が配膳をしている。


確か昨日のマージさんの話ではリリーさんという娘がいると言っていたからあの人がリリーさんなのだろう。


「おはようございます!昨日からのお客様ですかね、リリーといいます。はい、朝食どうそ!」


「ありがとうございます!昨日からお世話になっているゴートです。宜しくお願いしますね」


「こちらこそ宜しくお願いします!」


リリーさんは溌剌とした性格のようで笑顔がまぶしい女性だ。あの笑顔を見るとこちらまで元気になってくるから不思議なものだ。


テーブルに着きスープを一口。野菜の甘味が出ている優しい味だ。パンもシンプルながら焼きたてで美味しい。パンとスープだけのだが値段を考えたら充分美味しい朝食であっという間に完食だ。


食器を返却棚へ持っていきくとリリーさんが片付けをしていた。


「リリーさん、ご馳走さまでした。美味しかったです」


「それは良かったです、父も喜びます」


「夕食も楽しみにしてます」


「是非!行ってらっしゃいませ!」


元気良く行ってらっしゃいと言われると何だか元気になるな。



少し街をブラつき朝の混雑をさけて冒険者組合へ。依頼を受けるにしても、次の街に行くにしても先ずは情報収集が必要だ。幸い冒険者組合の資料室で基本的な事については調べることが出来るので取り敢えず大丈夫だろう。


これが希少な動植物の在処や処理といった専門的な知識となると、一定の額を支払う必要があるが。


資料を読んでいく内にリンの街についての概要が掴めてきた。

この街は中心部が昔小さな街だったようでそこから交通の便が良くなる度に拡大を繰り返したらしい。そのため外周部に大きな施設や通路が集中しているようだ。


立地的には東西南北に他の街へと繋がる街道があり、ネルさんにおすすめされたポートの街は、南に有るカラントの街の更に南に有るようだ。定期的に馬車が通っているみたいだから向かうのは楽かもしれないな。


また、この街の冒険者の主な仕事は護衛依頼になるようで八級から護衛依頼を受けていくらしい。というのも俺が通って来た西の道以外は馬車の定期便や商会の荷馬車が多く往き来していて護衛依頼の需要が高いのだ。


それ以外の依頼としては、多少採取依頼も有るようだが、街中の臨時の作業員の依頼や戦闘訓練の依頼があるみたいで、中には新しい武器の開発協力といった変わり種も有るようだ。個人的にこの依頼がすごく惹かれる。一体どんな武器を開発しているのだろうか。


まだまだ十分とは言えないものの情報もある程度集まったし、明日からは依頼を受けてみるのも良いかもしれない。


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