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冒険者ゴートの一生  作者: ケバブ
二章
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セカの街の下級冒険者10

鍛冶屋黒鉄で武器について相談してから一週間。俺は武器を買うべく、リーフさんの農園の警備やネルさんの所の荷運び、再び依頼が出ていた薬草採取等毎日依頼をこなしていた。幸い武器を使うような場面はなかった。


朝食にバーガーを食べ黒鉄へ。ようやく武器を買える。足取りも自然と軽くなる。


「おはようございます。ケニーさん武器を買いに来ました!」


「ゴート君いらっしゃい。この前言っていたように、投げ槍にも使えるような短槍が欲しいのかい?」


「はい。穂と接続部分だけ金属でお願いします。全体が金属製の武器は俺には色んな意味で早いと思うので」


「体つきを見ると使えなくは無さそうだけど、確かに安い買い物ではないし重い槍は扱いが難しいから技術が無いと動きも単調になっちゃうしね。そこに柄に使う木がたくさん有るから使いやすい太さを選んで。長さは後で調節するから。代金は二万エルになるけど大丈夫かい?」


ケニーさんに代金について大丈夫と伝えるた後、何本かの中から丁度良い太さの木を選び渡す。


「それじゃあ穂を付けるんだけど、長さとか形状とか望みはあるかい?」


「わからないことも多いので一番標準的なものでお願いします」


「了解。問題がないようなら早速作業にはいるよ。そうだ、少し時間もかかるしそこに全体が金属製の槍の見本品があるから庭で振ってみるかい?」


「良いんですか!?」


「今の自分にどのくらい使えるのか知るのも大事だし、俺にとっても商品の宣伝チャンスだしね」


ケニーさんの笑顔が眩しい。金髪に整った顔、人当たりも良いときた。凄く魅力的な人だ。


「是非!よろしくお願いします!」


庭は店の入り口を出てすぐそこにあり、その場で武器を振るうには十分な広さがあった。

改めて手元の槍を見る。全体が金属製ではあるものの柄の部分には薄い布のようなものが巻いてある。普段使っている短槍とは違い自分の身長ほどの長さだ。

まずは片手で持ってみる。かなりの重量感だ。真ん中付近を持てば片手でも振れるかなといった程度か。続き両手で確りとした構え、振っていく。真上からの振り落ろしから始まり十字とその間を割くように振り、最後に突き。講習で習った武器の基本的振り方だ。何度か一通りの振り方をした後に少しだけ実践を意識した動きに移行する。武器は振らずに飛んだり跳ねたり、思い切り伏せての回避等色々な動きを試した。


「良く動けてるじゃないか」


気がついたらそれなりに時間が経っていたのかケニーさんが庭に来ていた。


「すいません夢中になってしまって」


「冒険者のお客さんなら良くあることさ。それよりもゴート君、動きを見ると金属製の槍でも大丈夫そうだと思うけど、そっちは考えていないのかい」


「基本的な動きは大丈夫そうなんですけどね。俺は槍を片手で持ちながら何かを投擲したり、木に登ったりと色んな動きをするんで少なくともこの長さの槍は厳しそうです。それどころか明確に武器が決まってないんですよね。短槍はいずれ金属製にするとは思いますが」


「なるほどね。でも七級になったら魔獣討伐も依頼に入ってくるし、そういう武器も揃えないと厳しと思うよ」


「そうですよねえ。今度組合で相談してみようかと思います」


「それが良いかも知れないね。じゃあ槍も出来てるし行こうか」



ケニーさんと一緒に店内に戻り槍を受けとる。穂が金属で出来ている上、柄も丈夫だ。


「ケニーさん良い感じです!」


感謝を伝えつつ二万エルを支払う。


「こちらこそお買い上げありがとうざいます。またなにか武器が欲しいときはよろしくね。武器の相談とかでも良いからさ」


「その時はよろしくお願いします。ありがとうございました」



黒鉄を出て直ぐ様南の森へ向かい、新しい槍での投擲の練習や動作確認を行ったあと、改めて自分の格好を確認する。一見作業着に見えるがしっかりとした防具。今日手に入れた短槍に水の魔道具。


まだまだ足りないものも多いけど、ようやく冒険者らしくなったかな。

少しずつではあるけど、冒険者として確実に一歩一歩進んでいることが実感できる日となった。

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