突入前日
で、そっから続き、
その後夢咲とは全く話すことがないまま家に帰ることになった。
あれ? 帰るまでに話せてないから今週末に行かないのかな?
という疑問は帰に下駄箱を開いた時に消えた。
下駄箱に手紙が入っていたのだ!
この俺にもついに春が? 相手は速水さんかな?
と思いながら手紙を読むと、
こうすると絶対読むと思ってやったよ!
案の定読んだみたいだね、だっさドーテー臭!
明後日の日曜JRの秋葉原駅に朝十時ね!
と、下手くそな字で殴り書きされてた。
俺は破りそうになったね。
だが、良く考えたら夢咲はいわゆる美少女の部類に含まれるわけだ。
そんな奴と俺が一緒にデートでは無いにしても出かけるってめっちゃリア充っぽくね!
やっべ明日着てく服どーしよっ!
え? というか髪とか染めちゃう? 染めちゃおっかなぁ!
まあ場所は秋葉原だけどさ。
というか行った事も無いんだよな、秋葉原。
こいつ俺がもし読まなかったらどうするつもりだったんだよ。
連絡先とか交換してないからな…………………バカなのか?
そんな事を考えながら[そこっ触らないでよっ!]を読んでるうちに意識が遠のき…。
「バカ兄貴! 夕飯まだ?」
どうやら寝てたみたいだ。
俺と舞の部屋は共に二階にあり夕飯を食べる居間は一階にある。
階段を上る音が聞こえる。
え? あいつまさか、俺の部屋に来てる?
そこに気付いた時には俺の部屋に舞がいた。
「あ…」
俺の手には[そこっ触らないでよっ!]が握りしめられている。
うーん、どーすっかねぇ。
「へ? あー、なるほど」
俺が説明するよりも早く舞が何かを納得した様にこちらを見る。
そしてニッコリと笑いこう言った。
まあ加奈とは部類が違う笑顔だったが我が妹ながら可愛かったな!
「あんた、ラノベ作家にでもなんの?」
そうしておこう。
その後舞の質問責めに合うのは別の話だ。