衝撃的(社会的な)再会
あのあと主人公が夕飯を作ります
夕飯を食べ終え自分の部屋に戻る。
これを俺が持ってるって知ったらあいつはどうするかな?
俺は今日の夢咲の行動を思い出す。
確か拾おうとしただけであいつにぶん殴られた、
俺がこれを持って読んでいたらどうなるか結論は小学生でも分かる。
殺されるな。
ってダメだよ!
ダメだけど、殺される。
あの容赦なく殴ってくる夢咲だぞ!
殺されなくても、半殺しか?
確実に殴られ蹴られだな、
明日先生に怒られ夢咲に半殺しか。
学校行きたくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
とりあえず気を紛らわせる為になんか読むか………[そこっ触らないでよっ!]。
いや、やめよう。
えーと、どうすれば殺されないかな。
朝一で謝るとか?
「夢咲! ごめん!」
「死ね!」
ダメだ、殺される。
勝手に入れる?
夢咲の下駄箱にこの原稿をしれっと……。
ダメだ、社会的に死ぬ。
同じ理由で引き出しも却下。
呼び出して行かずにこれだけ置いとくとか?
「夢咲! 放課後に……」
「死ね!」
ダメだ、殺される。
なんなの夢咲! 殺しすぎだろ!
いや、おれが死にすぎなだけかな?
付いて無かったな、あんな所で会うなんて。
何の打開策も生まないまま睡魔に負け寝てしまった。
はぁ、ついに来てしまった。
魔王の城学校へと。
今日夢咲学校来てなきゃいいけど、
「お! 悠哉おせーよ!」
クラスに入った途端声を掛けられる。
っ! なんだ翔太か、
クラスに入っていきなり声けるなよ。
もしあの小説が夢咲のじゃ無かったら俺が学校に来ても反応しないよね?
という反応しないでほしい、そうすれば夢咲がこれの作者じゃないことが万が一にも!
えーと夢咲は——
「………っ!」
下を向いて何やらプルプルしていらっしゃる!
これは、怒りを堪えてるのか?
まあこの小説は夢咲のだ確定だな。
俺は足取りを重くしながら自分の席に座る。
「な、なぁ、悠哉」
「ん? なんだ?」
自分の席に座ると後ろの翔太に話しかけられる。
翔太は俺の後ろを見て固まっている。
「なんか言えよ、どうしたのさ」
俺は前を向くとそこには………顔全体を真っ赤にしてプルプル震えてる夢咲をみた。
ああ、死んだ。
野生の本能でそう感じると、自然に両親に感謝していた。
ここまで育ててくれてありがとう。先立つ不孝をお許しください。
そこまで考えた時夢咲は口を開いた。
「……だった………」
「え?」
声が小さくて全く聞き取れない。
「だから!わ、わ、わわ、わわわ」
夢咲が震えながら声を絞り出す。
「私の初めてどうだったって聞いてるのよ!」
その瞬間、俺は死んだ。
「オーケイ、夢咲話し合おうか!」
俺は静寂に包まれた教室から硬直してる夢咲を取り出し外に出る。
このまま出れるかな? と思った俺はバカだった。
「ブーブー」「お前夢咲さんになんてこと!」「ゆ、夢咲ちゃん?」「ブーブー」
百花繚乱、まるで桜吹雪のようにブーイングの嵐が起きた。
さまざまなブーイングを避けて俺は校舎裏に行く。
もちろん[そこっ触らないでよっ!]を持って。
………………はあ、何でこうなったかな。
相手が速水さんだったらなあ……何で俺がこんな暴力女と一緒に……はあ。