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小太郎 お兄ちゃんになる

作者: eiji

「母ちゃん…最近太ってきたなぁ…ダイジェストしろ」

「小太郎 それを言うならダイエットですよ それに これは太ったんじゃありません!」


小太郎 小学2年の二学期


「太郎ちゃん おはよ!」

(あきら)ちゃん おはよ!母ちゃん最近太って来たんだよなぁ…」

「あれ?太郎ちゃん知らないの…?」

「うん…どうしたんだろう…」

小太郎…何を知らないんだ?

晶ちゃん…教えないと…


「小太郎 来てごらん」

「なんだ?」

「母ちゃんのお腹触ってごらん」

「おぉ!母ちゃんスゲー!どうやんだ?俺にも教えて!」

「小太郎には無理ですよ…」

「なんだよ…母ちゃんケチだなぁ…」


数週間後

「…その時は小太郎をよろしくお願いします」

「大丈夫だよ ウチの人なんか かなり前から楽しみにしてるんだから」

「ありがとうございます」

「そんな事より この前みたいに調子悪くなるから余計な心配はしないで 今は元気な赤ちゃん産む事だけを考えないと」

「はい ありがとうございます」

母ちゃんとしょうこ姉ちゃん家のおばちゃんの会話


それから数日後

「小太郎…」

「ん〜…晶ちゃん…」

「小太郎…」

「…なんだ 晶ちゃん…」

「小太郎!」

「はい!…なんだ 母ちゃんか…」

「小太郎…今 救急車呼んだから…隣のおばちゃん呼んできて」

「母ちゃんどうした!」

「赤ちゃん 産まれそう…」

「何!それは大変だ!待ってろ母ちゃん!」

小太郎は しょうこ姉ちゃん家に走る

「おばちゃん!産まれる!…何がだ?」

隣のおじちゃん達が 文字通り飛んできた

「夜分にすいません…」

「何言ってんの 救急車呼んだの?」

「はい…急に陣痛始まったみたいで…」

「俺が おんぶして行くか?」

「何馬鹿な事言ってんの!病院着く前に出ちゃうでしょ!」

おばちゃんに叱られるおじちゃん

「そうか…」

「母ちゃん どうしたんだ?」

小太郎はまだ何が起きてるのかわからないでいる

「小太郎くんがお兄さんになるんだよ」

「な〜んだ 俺が兄ちゃんになるのか…何!本当か!しょうこ姉ちゃん!」

「えぇ〜!小太郎くん知らなかったの⁈」

「知らなかった…」

「小太郎…母ちゃん言いましたよ…」

小太郎は 忘れていただけ…


救急車が到着すると

「私がついて行くから しょうこ 小太郎ちゃんお願いね」

「おばちゃん 俺も行く!」

「小太郎…着替えなさい…すいません…小太郎連れて行くんで お願いします」

「そうだね 小太郎ちゃん早く着替えな…」

小太郎は着替えていた


「このまま 分娩室に入ってもらいますね」

「はい…小太郎…おばちゃんの言う事聞いて待ってるんですよ」

「大丈夫だ!母ちゃん頑張れ!」

「よろしくお願いします」

「小太郎ちゃんのことは大丈夫だから!頑張るんだよ!」


母ちゃんが分娩室に入ってから3時間…

「おばちゃん…母ちゃん遅くないか…?」

「小太郎ちゃん 母ちゃんと赤ちゃんは今 2人で頑張ってるんだよ もうちょっとで赤ちゃんの泣き声聞こえてくるからね」

「そうなのか…」

「少し寝な」

「大丈夫!」


朝6時

「お母さん まだなの?」

しょうこ姉ちゃんもまた 心配で朝早くに病院へやって来たのだ

「これ 朝ご飯 小太郎くん少し寝た?」

「あっ…しょうこ姉ちゃん!」

「小太郎ちゃんは 心配でずっと起きてるんだよね〜」

「小太郎くん…ほら 心配しても頑張るのは小太郎くんじゃないんだから おにぎり食べな」

「しょうこ姉ちゃん ありがとう!」

おにぎりを頬張る小太郎

その時

「…ぎゃ…おぎゃーおぎゃー」

「ふばれば(産まれた)〜〜〜!」

「小太郎くん!」「小太郎ちゃん!」

「おめでとう!」

小太郎は笑顔で涙を流していた


「元気な男の子ですよ」

「小太郎くん 弟だ!」

「小太郎ちゃん よかったね〜!」

「俺が…兄ちゃん…か…」


「小太郎!まだか?」

おじちゃんもまた 仕事が手につかず病院へやってきた

「おじちゃん!俺 弟出来た!」

「おいおい どうした!兄ちゃんが泣いてたら赤ちゃんに笑われるぞ!」

「何 泣きながら言ってんだか」

涙脆いおじちゃん

「うるせぇ!小太郎のが移ったんだ!」


「母ちゃん!」

元気に病室に入る小太郎

「小太郎 弟ですよ おめでとうお兄ちゃん」

「奥さん よかったねぇ」

「すいません ご迷惑かけて…」

「また何言ってるの!ウチの人見てごらん」

「何かあったの?」

「嬉しさのあまり あゝなんですよ」

おじちゃんはまだ泣いている

「まぁ」

「しょうこの時なんか声出して泣いてたんだから…」

「それだけ嬉しかったんですよ」

「おばさん おめでとうございます」

「しょうこちゃん ありがとう しばらく小太郎をよろしくお願いしますね」

「任せてください!今回は合宿ないんで夜は小太郎くん家に私が泊まります」


「小太郎!学校は!」

「奥さん 今日は 体育の日 学校は休みですよ」

「あっ 今日は 体育の日か…小太郎が 子供の日 この子が 体育の日か…」

「奥さん 大変だねぇ また元気な男の子が1人増えて」

「小太郎で慣れたんで 大丈夫です」

みんなが笑顔になる


しょうこ姉ちゃんと小太郎は飽きずに赤ちゃんを眺めている

「小太郎くん見てごらん 気持ちよく寝てるねぇ」

「えへへ 可愛いいね」


小太郎はその日ずっと赤ちゃんの側に居た


「太郎ちゃん おはよ!」

「晶ちゃん!おはよ!産まれたぞ」

「えぇ!太郎ちゃん おめでとう!どっち?」

「弟!」

「よかったねぇ!」

「うん!晶ちゃんありがとう!」


「赤ちゃん来たぞ!母ちゃんも!」

母ちゃんはついでか?

「小太郎ったら…ほら お兄ちゃん来たよ」

「母ちゃん 寝てんのか?」

「赤ちゃんは 寝るのがお仕事なんだよ」

「そうか!いっぱい寝ろな!」

小太郎は 兄ちゃんの笑顔で 弟 を見ていた


「こんにちは〜」

「あっ!晶ちゃん!」

晶ちゃん親子がお見舞いにやってきた

「あら こんにちは」

「おめでとうございます 晶が赤ちゃん見たいって」

「晶ちゃん!ほら!俺の弟!」

「わざわざありがとうございます 晶ちゃん 見て行ってね」

「わぁ〜!可愛いい!太郎ちゃんの小ちゃい版だ!」

「俺 可愛いいか?」

照れる小太郎…

「お母さん 私も欲しい!兄弟」

「奥さん もう一人作っちゃったら?」

「えぇ!」

「晶ちゃんも欲しいか…じゃあ!晶ちゃんは 小次郎 のお姉ちゃんになればいい!」

小太郎…今 プロポーズしたのか?

「まぁ…」

母ちゃん2人が笑う

そして母ちゃんがある事に気づく

「…今 小太郎 何て言った?」

「晶ちゃんがお姉ちゃんになればいいって…」

「その前!」

「小次郎の!」

「小太郎 この子の名前考えてたの?」

「俺が小太郎だから 弟は 小次郎 だ!」

「えぇ〜!」



数日後…


「小太郎!」

「あっ!父ちゃん!」

「あら 帰って来れたの」

「あぁ!すぐ行かないと行けないけど…我が子を一目見ようと思ってな」

「父ちゃん!ほら見て!小次郎!」

「ん?名前…つけたのか?」

「まだ 届けてないけど…小太郎が…」

「そうか…小太郎がつけたのか!そうか!じゃあ 小次郎だ!小太郎!父ちゃん もう行くけど 母ちゃんと小次郎をよろしく頼むぞ!」

「もう行っちゃうのか…うん!わかった!任せろ!」

「今度 ゆっくり帰ってくるからな!悪いな…」

「何言ってんの!あんたと結婚する時に そんなの承知してますよ」

「そうか 小太郎頼んだぞ!」

「おぅ!」

父ちゃんが行った後に 紙切れが…

「母ちゃん これ父ちゃん落として行ったのか?」

その紙には 沢山書かれた名前が…


「明日 役場に届けて来ましょうね 小次郎」








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