第一話「異世界の扉」
大人気ネットゲーム「フォルニアスストーリー」。
ぶっちゃけると、異世界「フォルニアス」を舞台に自分の分身となるプレイヤーを作って様々な事をすると言うことになる。
これだけだと、あまり凄くないと感じるだろうと思うが、このゲームできることが凄まじく多いのだ。どんなものがあるか少しだけ説明しよう。
まずは「冒険者」1番選ぶプレイヤーの多い職業の1つである。モンスターを狩ったり、強力な武具をさがしたり、モンスターから貴重なアイテムを取ったりして自分のプレイヤー強くしていくオーソドックスな職業の1つだ。
「商人」これはその名のとおり、物を売って金を稼ぐ職業だ。ちなみに扱うものは、食料に始まり、衣料品や薬品それに武具や工芸品など実に様々だ。このゲームには物価などが詳しく設定されているので、たまに物価が大暴落をしたりすることもある。
しかも売り物を仕入れるために町から町へ、へたをすると辺境の村まで仕入れに行かないといけないので、かなり大変な職業である。
「鍛冶師」武器や防具を自分で作る職業だ。鉱石や鉄などの素材の使い、強力な武具や特殊な力を宿らした武具などを作ることも可能だ。ちなみにこのゲームは、アイテムの種類が豊富すぎて、武器だけでも700を超えているらしい、防具にいたっては正確な数は不明と言うくらい多いから驚きである。
そんな感じで、作れるアイテム数の多さから、この職業を選ぶプレイヤーも結構多い。
「生産者」これは簡単に言うと農業や牧畜などといった事をする文字どうりな職業である。
食べ物や薬草の類を育てたり、動物を飼育したりできる。
ちなみにこの職業、意外にもやってるプレイヤーが多い。その理由は疲れたかららしい
詳しく説明すると、このゲームは出来ることが多いせいで、色々とやることがたくさんあり、それに疲れた人がこの職業に転職するのである。プレイヤー曰くスローペースのんびり出来るのが良いらしい。
このような職業が60種類以上あってその中から自分の好きな職業を選んで遊ぶことになる。
1つの職業を極めるのもよし、複数の職業を兼業して楽しむのもよし。
こうやって自分の好きなように楽しむのが、このゲームの本質である。
俺の名前は篠崎光矢17歳、先日友人達と話をしていたらこの「フォルニアスストーリー」の話題が出て俺がまったく知らないのを知るとこのゲームがどれほど面白いかを熱く語りだして、しまいには俺のもやったらどうだと勧めだして俺としてはあまり興味がなかったのだが結局最後はおれるようなかたちでやることを約束してしまった。それから少しすると解散になってみんな自分の家へと帰っていった。
「ただいまー」
帰りの挨拶が家へと響くが誰の返事もない。それもそのはず一人暮らしなのだから返事があったほうが恐ろしい、俺は荷物を置くとそのままパソコンへとむかい電源をいれる。このままやめたいがそうするとそうすると明日あたりに友人達が文句を言ってくる可能性があるし、なにより嫌々ながらとは言えやると約束してしまったので、俺はそのままパソコンを操作し始める、画面に「フォルニアスストーリー」のメインページが表示される。俺は友人たちの言ったとうりに操作を続けるすると職業の選択肢の画面になった。
「うーん、どれにしようかなあいつらはどれを選んでも楽しいと言ってたけど、てか職業「暗殺者」てなんだよ職業じゃねーだろ」
どの職業に悩んだが結局
「これでいいか」
そういって俺は「冒険者」の職業をクリックした、すると最終確認の画面が開いた。
名前の欄には「コウヤ」と入っており職業の欄には「冒険者」入っていた。
ちなみに名前は漢字でも入力することも出来たのだがなんとなくカタカナにしてみました。
全ての項目を確認してゲームを始めるをクリックした。すると
ボンッ シューーー
「どわっ」
いきなりパソコンが煙を上げて停止してしまった。これには俺もびっくりしたまだ買って1年も経っていないパソコンがよもやこんな事になろうとは、火がおこってないことを確認すると俺はパソコンを買った店に電話で苦情を言おうと立ち上がるとあることに気づいた。
何も映さなくなったはずのディスプレイにたった一言だけ表示されていた。
「異世界の扉を開きますか?」
その下には「開く」「開かない」の二つが表示されていた。
「なんだこりゃ」
俺は近づいてよく見てあることに気づいた。
「パソコン本体が動いてないのになんでこれは表示されてるんだ」
パソコン本体の方はいまだ煙を出し続けて動いているようには見えない、そしてもう一度ディスプレイの方を見ると変わらずそこに表示されていた。
「異世界か」
俺は独り言をつぶやき画面を見ていた、そしていつのまにかマウスを手に取りクリックボタンを押していた。
画面から「開く」が消え「開かない」だけが表示される、俺が選んだのは「開く」だった。
なぜこちらを選んだのか?と問われると
「わからない、無意識のうちにボタンを押していた」
と答えるだろう。
だが未来の俺ならこう答えるだろう。
「運命、それもとびきり最高のな」
だがいまの俺には知る由もなくディスプレイから文字が消えたと思ったらいきなり光って俺の意識を奪った。
この日、篠崎光矢はこの世界よりいなくなる。運命の扉は今開かれた。