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第六話 領主への対策と宿屋の料理

 

 部屋に入って荷物整理という事だが、収納の『闇スペース』を持っているジールはそんな必要はない。


「とりあえず領主様は厄介になると思うから、対策をしておくか」


『サモン・忍者・隠密型』


 ・『サモン・忍者・隠密型』は『サモン・忍者』の隠密特化型のサモン系能力である。能力は影に潜り、影と影を行き来、それは人の影や建物の影などの事。個人のプライバシーなんてどうでもいいような能力となっている。戦闘能力はほとんどなく、逃走能力くらいである。


「はい、百体。行ってらっしゃい」


 ジールは手を振りながら、影に飛び込む虫くらいの小さい忍者を見送る。


「これでよし。食堂に向かうか」


 ジールは部屋を出て、一階に降りる。


 降りると先程のように賑わっていた。

 ジールは席が空いてないかを確認をし、一つ空いていたのでそこに向かう。


「すみません、隣に座ってもいいですか?」

「あぁ、いいぞ。座れ座れ」


 そこにいたのは酔っ払いの男性だった。

 ジールは「酒、クサッ」と思いながら席に座る。


「お前ぇ〜、ここに泊まってる奴かぁ〜」


 その酔っ払いの男性が話しかけてきた。


「はい、今日からここの宿に泊まる事にしました」

「そうかぁ〜、ここはええぞぉ〜。食事はうめぇ〜し、ベッドはフッカフッカで寝心地バッチリってんだぁ」

「もしかしてここに泊まった事が?」

「いやぁ〜、俺はチームでこの街に来てんだぁ。宿は別に取ったんだぁ〜。残念でしょうがねぇ〜、ここの宿が二人部屋やぁ〜三人部屋、それ以上だったらぁ〜よかっただけなぁ〜」


 と言ってジョッキを持ち、酒をグビグビと飲み干して机にドンっとジョッキを置いた。その後、眠ってしまった。


「お父さん、酔い潰れが出ました」


 男性が寝たと思ったら後ろから声が聞こえた。

 そこには十二歳くらいの少女だった。


「おぉ、出たか。あれ、もう来たんか」


 と言い、やって来たのはザギ二だった。

 酔い潰れた男性の隣にいたジールに気づいた。


「はい、あまり荷物はないですから」

「そうか。マリ、この人の注文を取ってやれ。酔い潰れは任せろ」

「はい、わかりました」


 少女はマリと言うらしい。

 ザギ二は酔っ払いの男性を運んで行った。

 マリはジールの注文を取る。


「ご注文は何でしょうか?」

「おすすめはありますか?」

「おすすめは特にありませんが、男性は肉料理、女性は野菜料理を頼みます。あとはサンドイッチもありますよ」

「なら、サンドイッチでよろしく」

「サンドイッチですね。それでは料理ができるまで少々お待ち下さい」


 と言い、マリはキッチンに向かった。

 マリは十二歳くらいと思ったが、大人のような印象だった。


 ジールが何故肉料理や野菜料理を頼まなかったのはジール自身がサンドイッチ評論家で、その店のサンドイッチを評価している。サンドイッチでその店が美味いか不味いがわかる。


 数分後、サンドイッチを持ったマリがやって来た。


「お待たせしました。サンドイッチです。ご注文は以上でしょうか」

「はい」

「それではごゆっくりどうぞ」


 マリはサンドイッチを机に置き、他の客に向かった。


 持ってきたサンドイッチはシンプルなタマゴサンドと野菜を挟んだサンドイッチだった。


 ジールはサンドイッチを食べた。

 食べた感想は半熟にされた玉子焼きのトロッとした感じのタマゴサンドと新鮮な野菜の瑞々しさを感じる野菜のサンドイッチでジールの評価はよかった。


「美味しい。また知らない味を知った」


 ジールはいくつもの世界で食事したが、未だに知らない味を知って喜んだ。


 その後、ザギ二に水の入った桶とタオルを貰い、部屋で体を洗って、そのまま部屋に置いておいていいと言われたが、心配なので『闇スペース』に入れた。


「そう言えば、忍者が食堂で怪しい奴を見つけていたなぁ。まぁ、いいか。寝よう」


 ジールが食事中に『サモン・忍者・隠密型』の忍者が一体、食堂で怪しい奴を見つけたが、ジールは気にしない事にした。

 それが明日になって大変な事になるとも知らずに。


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