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第五話 街の宿屋

 

 街に出たジールは宿を探す事にする。

 今、夕方になっており、宿を探す必要が出てきた。


 宿はフジンに紹介して貰った鳥亭に向かう。

 鳥亭は家族四人でやっている宿だ。家族構成は父、母、兄、妹で父が経営、母が料理、兄が力仕事兼接客、妹が接客をやっている。

 評判は良いが、宿として泊まる人は少ないらしい。

 別にそちらが悪い訳でなく、一人部屋構成なのでチームで泊まる事ができない。


 ジールは鳥亭に着き、中に入ると賑わっていた。

 男女はそこまで差はなく、多くいた。


「いらっしゃい、君は宿かい?それとも食事かい?」


 ジールは中を観察していたら話をかけられた。

 その人は三十代前半の男性だった。多分、ここの父親なのだろう。


「は、はい、宿を頼みたい」

「フードを脱いで貰ってもよろしいか?」

「はい、すみません」


 ジールはフードを被っていた。

 人付き合いに顔を隠すのはよくない。相手は信用をなくす。


 ジールはフードを脱ぐ。


「名を聞いても?」

「ジールです」

「俺はここの店主をやっているザギ二だ」

「よろしくお願いします」

「あぁ、よろしく」


 お互い自己紹介をし、ザギ二が話し出す。


「宿は一泊銅貨三十枚、夕と朝の食事付きは銅貨五十枚になるが、どっちだ?」

「食事付きでお願いします」

「何泊?」

「とりあえず四泊でお願いします」

「じゃあ、合計で銀貨二枚になります」


 ジールは銀貨二枚渡した。


「お部屋に案内します」

「こっちの仕事は?」

「あぁ、大丈夫。俺がいなくても問題ないから」


 ザギ二の仕事は経営なので今はある意味仕事中という訳ではない。

 基本的にザギ二は宿案内か迷惑な客の対応をしている。


 鳥亭は三階建てで一階が食堂、二階が宿、三階がここの家族の居住スペースになっている。


「ここの宿って僕以外に誰か泊まっている人はいるんですか」

「あぁ、いるよ。それでも一人か二人なんだけどね。うちは食事で儲けているんだ」


 鳥亭の部屋数は六個、つまりはジールを入れてもあと三室残る。


「僕、門番のフジンに紹介して貰ってここに来ました。食事は美味しいし、宿の方もベッドの寝心地は良いって言っていました」

「良い事言ってくれますね。フジンさん、この街に家があるから宿には泊まらないけど食事にはよく来てくれるだぁ」

「へぇ〜、確かに人がいっぱいいたから本当に美味しいだと思いました。楽しみしてます」

「あぁ、俺の女房の料理楽しみしてくれ」


 そう言っていると、ザギ二は一つの扉に止まった。


「ここが君の泊まる部屋だ」


 ザギ二が扉の鍵を開け、扉を開けるとそこにはベッドと机、ちょっとしたクローゼットがあった。


「ほれ、それがここの鍵だ」

「ありがとうございました」

「荷物整理ができたら降りて来て下さい」

「あの〜、体を洗いたいですけど何かありますか?」

「水が入った桶とタオルならありますよ」

「あ、それでいいです」

「銅貨五枚になります」


 ジールは銅貨がないので銀貨一枚渡し、お釣りに大銅貨九枚と銅貨五枚を貰う。


「他に何か聞きたい事ありますか?」

「いえ、ありません」

「では、お待ちしています」


 と、言って一階に降りていった。

宿代が計算違いで銀貨四枚になっていたので、銀貨二枚に変更します。(2018.12.13)

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