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4/12

片付けは面倒

今回は大変短く、分かりにくい文章が目立ちます。早く主人公たち旅に出したいのに、余計なシーンを挟んじゃったからモチベが(笑)

次回から旅に出ます。頑張ります。

 

  少しして、光と轟音は徐々に収まっていった。


  僕は攻撃の落下地点まで移動し、目の前の惨状に頭を抱える。


  そこには、ボロボロの服をまとったリーシャの姿があった。剣を地面に突き立て、かろうじて立っている。


「ほら、これ飲んで」


  僕はズボンのポケットから回復薬を取り出し、彼女に手渡す。


  リーシャはふてくされた表情でこちらを見ながら、受け取った回復薬を飲んだ。


「愛する妻に向かって、なんてものぶち込んでるのよ・・・・・・」


  彼女の服が破れて色々と見えてしまっていたので、着ていた上着を脱いで渡す。リーシャはこちらをにらみながらも、上着を受け取って身体を隠した。


「ごめん。でも、リーシャなら重傷にはならないと分かってたから」


「そっか、私の実力を認めてくれてるんだ、みたいに思わせてなだめようとするのはやめなさい。下手な慰めは要らないわ」


  手強いな。モテモテの勇者とかなら今のセリフで懐柔できたんだろうが、あいにく僕は僕でしかない。そもそも、勇者なんておとぎ話にしかいないんだろうけど。


「まあいいわ。一つ言うことを聞くなら、許してあげる」


「それじゃあ勝っても負けても同じじゃないかよ!」


  僕の反応に満足したのか、リーシャはクスクスと笑った。どうやら本気で怒ってはいなさそうだ。そもそも、戦いを挑んできたのはリーシャの方だしな。


  ちなみに、最後に使った広域破壊魔法とは、雷弾を相手の頭上で炸裂させるというものだ。


  魔弾は本来地面に着弾した衝撃で発動する。だが、雷弾に別の弾をぶつけることで、空中で魔法を発動させられるのだ。そうすれば、放たれた電撃の一部が地面に吸収されるのを防げるため威力が上がる。


  それを実現するために、2発の雷弾とは少し時間をずらして『加速弾』を撃つ。『加速弾』はその名の通り、他の魔弾より速く飛ばせる。


  それを上手いこと先行する雷弾に当てるわけだが、構想から習得までは5年もかかった。飛んでいる弾は常人の僕では目視できないため、命中させるのは全て感覚でやるしかなかったのだ。


「さて、落ち着いたし、一旦孤児院に戻るか。急いで出発の準備をしなくちゃな」


「そうね。旦那様が引き裂いた服を早くなんとかしないとね」


  語弊を生む言い方はやめていただきたい。嘘は言っていないから何も言い返せないが。


  ちなみに、院長は戦いが終わった直後に孤児院へ帰っていった。何やら疲れ切った表情をしていたので、ゆっくり休んでもらいたい。


「あ、約束通り、旅中の行き先は旦那様に一任するわ」


「本当か⁉︎」


  これは、意外と嬉しい権利である。


  今まで修行していない時間はリーシャに振り回されてきた訳だが、彼女はかなり思いつきで行動することが多い。それで何度ガッシュと僕が辛い目に遭ってきたことか。


  特に、旅の行き先は重要である。そこまでリーシャに振り回されたら、たまったものじゃないからな。


「じゃあ、私のささいなお願い聞いてもらってもいいかしら?」


「ああ、いいぞ! 旅の道中が安泰になるんだからな。それくらい構わないさ!」


  僕は上機嫌になり、リーシャの提案を二つ返事で引き受けてしまった。


「この無茶苦茶になった畑、何とかしておいてね」


「・・・・・・ああ」


  そうして、僕は休耕中の畑に一人残された。


  畑の土は電撃でボコボコになっており、枯れた巨大な蔦も残されている。


  簡単な魔法が使えたら、すぐに解決できた問題だろう。


  だが、僕は魔弾以外で魔法を使う術がなかった。もちろん、この場で使えるような魔弾なんてあるわけがない。


「・・・・・・どうしようかな」


  リーシャがやればすぐ終わったはずだ。つまり、これは負けて悔しい思いをした彼女のささいな嫌がらせなのだろう。


  僕はため息をつきながら、地道に畑の後片付けを始めた。

人物紹介


ユダ=アストレア


リーシャの夫。黒髪で容姿は普通。杖や魔道具製作、野草にも精通。


獲物 銃、魔弾

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