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さくらのはな  作者: 日縒 千夜
夏は花火に海水浴
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45. 受難


「――ってことで、この子が西園寺ゆり乃ちゃん。皆仲良くしてくれるかなー!?」

「「「はーい!!」」」


 元気よく手を上げた子供達の頭を撫でて回る。

 早速子供達に囲まれたゆり乃は、困惑しつつもどこか嬉し気だ。



 西園寺家でのいざこざがあった後、飛鳥は大忙しだった。

 このまま家が残っていたら成仏出来ないというゆり乃のために、数日かけて西園寺家の中を片付けたからだ。

 所有権のある西園寺と遠縁の親戚に連絡すると、金は出すからそっちでやってくれと言われ、近所の業者に頼もうにも、呪われていると噂の家には誰も近寄りたがらない。

 旭も巻き込みたくないときたら、飛鳥が一人でするしかなかった。


 飛鳥が家を空っぽにしている間、真琴はゆり乃を神田山へと連れ出していた。

 長く過ごした家が空になるのをただ見ているよりも、近い年の子達といた方がいいだろうと思ってだった。



「……おい。どういう事だ」


 子供達にゆり乃が連れて行かれ、一息ついた真琴に話しかけたのは呆れ顔の洋平だ。

 粗方の流れは説明したが、ゆり乃の手前、かなり省略して話していた。

 そんな説明で、しかも元々首を突っ込むのに反対派だった洋平が納得するはずがなかった。


「いや、私もね、関わるつもりは……あんまりなかったんだけど! やっぱり目の前で揉めてるの見ちゃったら……ね?」

「……ハァ。とりあえずアイツ連れて来い。一週間以内だ」

「えっ? う、うん。分かった」


 今回ばかりはバツが悪い真琴。

 言い訳がしどろもどろになるが、急に出てきた飛鳥の名前に首を傾げる。

 不思議に思いはしたが、思わず頷く。

 こうしてまた一つ、飛鳥の受難が増えたのだった。



 ◇◇◇◇



 その日、閉店間近のフラワーエステートに、一本の電話が入った。

 運悪くそれを受けたのは、最近独り立ちしたばかりの萩尾衛だ。


 仕事の依頼に上機嫌で電話を切った萩尾だが、その手帳に書かれた南雲がどんな人物なのか津辻から聞くまで後少し――


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