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さくらのはな  作者: 日縒 千夜
夏は花火に海水浴
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44. 暗躍する女


 山の中にひっそりと佇む廃墟。

 雨風に曝され錆びれた看板から辛うじて読み取れる外科の文字でここが個人病院だったのだと分かる。

 正面玄関の硝子は割れ、もはや扉の役割を果たしていない。

 玄関からすぐの待合室だった場所には、風で飛ばされた枝葉がそこかしこに落ちており、人の手から離れて随分と経つことが伺えた。


 そんな廃病院に住み着く一匹の猫が足を止めた。

 話し声が聞こえたからだ。

 ぼそぼそと、しかし激しい怒りを含んだその声に、動物的本能か、猫はすぐに踵を返し立ち去った。



「――ほんと、ムカつくわね。隠れんぼして終わり? 所詮は子供ね。ハッ、本当使えないわ」

「……はい…………」

「まぁいいわ。他にいいこと思い付いたから。南雲旭――今は八雲だったかしら。南雲の落ち零れ……ふふっ、面白くなりそうね」


 うっとりと頬を染める女を、表情の抜け落ちた顔で見詰める女達。

 共通しているのは、皆一様に青白く、透き通っていることか。


「あら」


 女の透けた足を一匹の鼠が通り抜け――こてんと倒れた。


「こんな魂じゃ、少しも嬉しくないわ」


 もっと――もっと美味しい――


()()、次は貴方にも働いてもらうから」

「……はい」


 名前を呼ばれ、女の前に跪いた片桐。

 一瞬瞳を揺らしたが、顔を上げたときには表情のない顔へと戻っていた。


更新が遅くなってしまい、すみません。

ちょこちょこと書いてはいるんですが、暫く更新が不定期になりそうです。

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