11. 相談
街を一望できる高台に移動した二人。
周は用事があるからと、姿を消した。移動中に事のあらましを説明した真琴は、彼からのアドバイスを待つ。
「で、そいつを励ましてえって?」
「うん。梅さんなら何かいい方法知ってるかなって思って」
「普通に、直接話しゃいいじゃねえか」
「でもね、今日ちょっと会ってみたんだけど、幽霊見え無さそうな子だったんだよね」
「波長を合わせろ。それでも見えなきゃ相手に触れながら話す、とかな。ちょっと疲れっからオススメはしねぇが」
「そんな方法があるんだぁ。梅さん、いろいろ知ってるんだね」
「幽霊歴が違ぇんだよ」
素直に感心する真琴の言葉に、照れたように吐き捨てる洋平。
年は二十五だという彼と、二十三になったばかりの真琴は見た目こそあまり変わらないが、彼の方が幽霊になってからが長いらしい。
何年前から、なんて事は聞かないが、成仏できていないからには何かこの世に未練があるのだろう。
「大体、なんで死んでまで人助けしてやんなきゃなんねぇんだよ。しかも聞いた話、赤の他人じゃねえか」
「うーん…まぁ他人なんだけど、可哀想じゃない。もし自殺なんてことになったら」
「本人の自由だろ。他人のことより自分のことに時間使えよ。生きてた頃と違ぇんだからな…」
「あ、それ別の人からも言われた」
「へぇ…そいつは?」
「除霊師の人なんだけどね、南雲飛鳥って人」
その名前を言った瞬間、周囲の空気が変わる。
ざわりと揺れる木々に、一瞬で下がった気温。
少し離れた場所にいた霊たちはその感覚に身震いした。真琴自身はそれに気付いていないが。
「除霊師だって?」
「うん。職場に行ったら除霊されそうになっちゃってね。いろいろあって除霊はなくなったんだけど、そのまま一緒にこっちまで帰ってきたの」
「…っつーことはやっぱあの南雲かよ」
「あれ? 梅さんも知り合い?」
「知らねぇ奴の方が少ないって程、名の知れた除霊師一家だよ。この山の連中も何人か 祓われてる」
忌々しいとでも言いそうな洋平に、やっとこの話題が不味かったと気付いた真琴だが、もう遅い。
霊にとって除霊師が…特に南雲家が、いかに危険かということを説き始めた洋平。
様子を見に来た周が止めに入るまでそれは続いた。




