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さくらのはな  作者: 日縒 千夜
春は出会いと花見酒
11/59

11. 相談


 街を一望できる高台に移動した二人。

 周は用事があるからと、姿を消した。移動中に事のあらましを説明した真琴は、彼からのアドバイスを待つ。


「で、そいつを励ましてえって?」

「うん。梅さんなら何かいい方法知ってるかなって思って」

「普通に、直接話しゃいいじゃねえか」

「でもね、今日ちょっと会ってみたんだけど、幽霊見え無さそうな子だったんだよね」

「波長を合わせろ。それでも見えなきゃ相手に触れながら話す、とかな。ちょっと疲れっからオススメはしねぇが」

「そんな方法があるんだぁ。梅さん、いろいろ知ってるんだね」

「幽霊歴が違ぇんだよ」


 素直に感心する真琴の言葉に、照れたように吐き捨てる洋平。

 年は二十五だという彼と、二十三になったばかりの真琴は見た目こそあまり変わらないが、彼の方が幽霊になってからが長いらしい。

 何年前から、なんて事は聞かないが、成仏できていないからには何かこの世に未練があるのだろう。


「大体、なんで死んでまで人助けしてやんなきゃなんねぇんだよ。しかも聞いた話、赤の他人じゃねえか」

「うーん…まぁ他人なんだけど、可哀想じゃない。もし自殺なんてことになったら」

「本人の自由だろ。他人のことより自分のことに時間使えよ。生きてた頃と違ぇんだからな…」

「あ、それ別の人からも言われた」

「へぇ…そいつは?」

「除霊師の人なんだけどね、南雲飛鳥って人」


 その名前を言った瞬間、周囲の空気が変わる。

 ざわりと揺れる木々に、一瞬で下がった気温。


 少し離れた場所にいた霊たちはその感覚に身震いした。真琴自身はそれに気付いていないが。


「除霊師だって?」

「うん。職場に行ったら除霊されそうになっちゃってね。いろいろあって除霊はなくなったんだけど、そのまま一緒にこっちまで帰ってきたの」

「…っつーことはやっぱ()()南雲かよ」

「あれ? 梅さんも知り合い?」

「知らねぇ奴の方が少ないって程、名の知れた除霊師一家だよ。この山の連中も何人か 祓われ(やられ)てる」


 忌々しいとでも言いそうな洋平に、やっとこの話題が不味かったと気付いた真琴だが、もう遅い。


 霊にとって除霊師が…特に南雲家が、いかに危険かということを説き始めた洋平。


 様子を見に来た周が止めに入るまでそれは続いた。


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