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職業リア充の異世界無双。  作者: すみを。
第四章 魔物襲撃編
56/66

勲章。

今回も読んでいただきありがとうございますm(_ _)m


沢山の応援のおかげで、ブックマークが7000件を超えました!


本当に皆様には感謝しています!


これからも『職業リア充』をよろしくお願いします(__)

「とまあ、昨日したことと言えばこれくらいだな」


俺が未だに叫喚に包まれる国民を尻目に見ながらそう締めくくると、みんなは一様に唖然とした表情を浮かべた。


いや、カールは号泣してるけど。

「王様もづらがっだんだなぁ」とか言って号泣してるけど。


そんなみんなを見渡して、何故こんな空気になっているのか俺が不思議に思っていると、舞がぷんすかとした顔で俺に近づいてきた。


「もう、優斗君。昨日城に行くって行った時は本当に心配したんだからね!」


「ああ、でも、大したことはしないって言っただろ?」


「それでも!

突然リースを連れて城に行くって……。

また何かあるんじゃないかと思ったんだよ」


「……それは、ごめんな」


舞が本当に心配してくれていると分かったので、俺は素直に謝る。


そんな俺を見て、舞は「いいよ」と微笑を浮かべた。


そして段々と俺達の空気が桃色に変化していった時に


「「「いや、良くねえよ(ないですよ)!」」」


と、イノマ達のツッコミが重なった。


「なんだよ?」


俺が邪魔をされた事に少しイラつきながら返すと、イノマが物凄い剣幕でまくし立ててきた。


「ユウト、お前、自分が何したか分かってんのか!?」


「ん?王を説教しただけだが」


「それがとんでもない事なんだよ!」


そんなにか?


王とかいまいち実感ないせいでそのへんの感覚がよく分からないんだよな。


「国のトップだぞ!

今回は何でか知らないが打ち解けたからいいものの、下手したら捕まってた可能性もあるんだぞ!」


「いや、俺を捕まえるとか無理だろ」


「そういう事じゃなくて!

それくらいの大変な事態だって言いたいんだよ!」


なるほどな。


イノマや他のみんなの表情を見てたらよく分かった。


よっぽどの事を俺はしでかしたという訳だ。


「まあ、でも、もうやってしまったものは仕方が無い。

それに、これ以上に良い方法を思いつかなかったし、王に何かあることは既に分かってたからな」


「それはそうだけどよ………」


「もう止めましょうイノマさん……。

ユウトさんは、多分こういう人なんですよ…」


納得のいかないという顔をしたイノマをティフィアが止める。


少し俺を馬鹿にした感じなのが気になったが、俺も自覚はあるので何も言わない。


「それに、何はともあれ、ユウトさんは私達を救ってくれたんです。

感謝こそすれ、責める権利なんて私達にあるはずがないですよ」


「……確かにそうだな。魔物の時も含め、俺達は何度も救われたんだよな」


そして、続けたティフィアの言葉で、イノマや他のみんなが俺に視線を向けた。


「……ありがとな、ユウト。俺達魔物使いは、この恩を忘れない」


「私もです。ありがとうございます、ユウトさん」


魔物使い代表でイノマがお礼を言い、それに続いてハルノも何回目かわからないお礼を言った。


「そんな畏まらなくてもいいんだがな……。

俺は自分の好きなようにやっているだけだし」


「ははっ、そうだったな。

だから、これは俺達の勝手な感謝の押し売りさ。

まだいまいち実感しきれていないが、今日が俺達にとっての大きな転換日ってことは確かだからな」


「そうだよ、優斗君。

ここはちゃんと感謝されないと」


俺がまた言い返そうとしたのを舞が遮る。


確かに、ここで感謝を受け取らない方が、イノマ達にしては辛いのかもしれないな。


「……分かった、感謝されておくよ。

ただ、これからをどうするのかはお前らが決めることだからな」


「ああ、それはもちろん分かってるよ。

だからお前は今はそんなことは心配してないで…………この場の状況を心配してくれないか?」


イノマがチラッと国民の方を向いて、ようやく俺は今の状況に気づく。


一部の国民や貴族が、「信用できない!」と言い出して、パニックになり始めているのだ。


王は何とか信用してもらおうと必死だが、一度過ちを認めている以上、同じことがないとは言いきれないので、簡単には信じてもらえていない。


「……分かった、何とかするよ」


パニックになった時は俺がなんとかすると約束したので、それは守らないといけない。


正直、自分で「カラマ王国の英雄だ」とか言うのは超恥ずかしかったので、その周辺の会話は黒歴史にしておきたい所だが……。


まあ、それはこの件が鎮圧されてからでいいだろう。


だから、俺は王に隣に行き、国民に向かって『音声拡張魔法』を使って言った。


「静まれ」


少し威圧感を滲まして言ったおかげで、小さい声でも国民は一気にシーンと静まってくれた。


俺はその間に国民に告げる。


「みんなが何を言いたいかは分かってるつもりだ。

今回のように、知らない間にまた自分達が陥れられる事を懸念しているんだろ?」


俺の問いかけに、叫び声を上げていた国民が何人か頷くのが見えた。


「だったら、俺が王様に監視役を付けておくことにするよ。

万が一王が何かしようとしたら、すぐに俺に報告できるようにな。

それで問題はないか?」


俺が再度問いかけると、近くにいる貴族が俺に向かって叫ぶ。


「そんなもの、その監視役とやらが買収されたらどうするつもりなんだ!」


勿論、この質問も想定内だ。


流石に、この後に及んで俺のことを疑うやつはいないだろうが、監視役は別だ。


いくら俺に忠誠を誓っていても、金でころっといってしまうやつもいるだろうしな。


だが、この場合はそんなものは懸念にすらならない。


「それに関しては大丈夫だ。

その前に、一応みんなに見せておこう。

召喚サモン』“カリン”」


俺はモンスターボックスからカリンをフェンリル状態で召喚する。


突然の魔物出現に騒ぎ出した国民を、さっきよりも強い威圧で黙らせる。


「俺の持つ魔物は特別な力を持っていてな。

それがこれだ。

カリン、『人化』」


『畏まりました』


俺が命令すると、カリンは光に包まれながら徐々に姿を変えていく。


そして、若い獣人族の美少女の姿になった。


「このように、俺の魔物は人の姿になることが可能だ。


今回、その中の一体をここに監視役として置いておくことにする。

当たり前だが、俺の眷属だから俺の言うこと以外は聞かない。

これでどうだ?」


突然人の姿になったカリンを国民は驚いた目で見つめていたが、俺の問いに慌てたように首をふる。


本当は俺の魔物だから人化ができる訳では無いのだが、ややこしくなるのでこの説明でいくことにした。


「なら、この話はもう終いだ。

早く続きをしよう」


最後の言葉は王に向かって言った言葉である。


俺の言葉に、王は少し呆けた後、慌てたように頷く。


信用が地に落ちた王だが、これからのやり方次第でいくらでも変われるだろう。


まあ、それには時間がかかるだろうけどな。


「ごほん!それでは、続きをするとしよう。

それでは、ヨエナ、ミウ、前へ」


王様の言葉に、俺と舞は素直に従う。


さっきあんなことを言ったのでほとんど意味は無いが、せめてもの意思表示である。


「まずはミウの表彰だ。

其方と其方の精霊によって、多くの民が救われた。

そのことを、王の名において感謝する」


王がそういうと、さっきとは打って変わって、国民は舞を称えるように拍手する。


そして俺の番になり、国民は自然と静かになった。


ん?そういえば、俺は何の勲章を貰うんだ?


詳しくは聞いてなかったような…。


「それでは、次はヨエナの勲章授与だ」


そうこうしているうちに、俺の名が呼ばれる。


まあ、多分、名ばかりの勲章だとは思うけどな。


ただ、王が少し笑っている気がするのが気になる。


「其方は、この国を襲った膨大な量の魔物を撃退し、この国を救ってくれた。

それを称えて………」


……なんか嫌な予感が……。


「其方に、『カラマ王国の英雄』の勲章を授ける!」


「うおぉおぉおぉ!」

「ヨエナ様ぁー!」

「英雄様ーー!」


王の言葉と共に、わっと盛り上がる国民達。


俺はそれを見ながら、心の中で恥ずかしさで悶えていた。


そんな俺を見てニヤニヤと笑う王に、「なんだよ、余裕あるじゃないか」と安心すると共に、軽い仕返しをされた事に若干悔しく思いながら、やっぱり恥ずかしくておずおずと頭を下げるのだった。













今回で魔物襲撃編は終わりですね。


あと少しばかりカラマ王国に滞在した後、ようやくキハイへと向かわせます!


感想、評価、ブクマよろしくお願いします!


ブクマしてくれた方は、評価もしていただけると嬉しいです!|ω-`)

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