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職業リア充の異世界無双。  作者: すみを。
第三章 トーナメント編
35/66

決勝戦の終わりと新たな戦いの幕開け。

ブックマークが徐々に増えてて嬉しい……。


ブックマークと評価の数、感想で伸びるタイプなのでよろしくお願いします|ω・)

「カリン!勝てそうか?」


『はい、お任せ下さい、ご主人様』


頭にカリンの念が届く。


「んじゃ、任せるな」


『はい』


カリンが臨戦態勢に入る。


今回は俺は何も指示するつもりはない。


ぶっちゃけ俺の指示よりカリンが独断で動いた方が勝率が上がる気がするからだ。


「お前、何をぼんやりしてやがる。負けちまうぞ?」


「ん?ああ、大丈夫だ。俺が指示を出さなくても勝てると思うし」


「んだと?」


ん?イノマはどうして怒りだしたんだ?


ああ、そうか、今の言い方だったら舐められているように感じるのか。


でもまあ、いちいち訂正するのも面倒だからいいや。


「そんなことより、早くはじめよううぜ」


「そんなこと、だと?」


いちいち怒りの沸点が低いやつだな、めんどくさい。


『ご主人様、もう始めてもいいでしょうか?』


『ああ、面倒だからもうやっていいぞ』


『了解しました』


そう言ってカリンは百獣リオンに向かって走っていった。


てかこれ、今思ったんだけど、念話できるのって中々チートじゃね?

言葉に出さなくても指示出せるし、場合によってはだいぶ使える気がするな。


俺がそんなことを考えている間に戦況は動く。


突然突っ込んできたカリンに、百獣リオンは反応することができずまともに突進を受けてしまう。


が、攻撃力はそこまで高くないので、百獣リオンは直ぐに立て直すとカリンに大振りの攻撃を繰り出した。


しかし、敏捷値が高いカリンはその攻撃を軽く避け、百獣リオンの後ろに回って後ろ右足に噛み付いた。


百獣リオンは雄叫びを上げて暴れ回り、カリンを振り下ろそうとするが、カリンはその直前に百獣リオンの背後から離脱、俺の目の前に戻ってきた。


完全に百獣リオンがカリンに遊ばれている感じだ。


『こんな感じでよろしいでしょうか?』


『ああ、流石だな』


俺はそう言ってカリンの背中を撫でてやる。


その滑らかな毛並みにずっと撫でていたくなるが、イノマが物凄く怖い顔をしているので仕方なく止める。


カリンが名残惜しそうな顔をしていたが、また後でな、と念で告げると喜んで戦線に戻っていった。


「えらく余裕じゃねえか。今は戦いの途中だぞ?」


「うーん、まあぶっちゃけ、余裕っちゃ余裕かな」


あのアマルーナとの戦いに比べたら全然余裕だ。


あの時はガチで死を覚悟したからな。


「それより、お前もこんなお喋りをしていていいのか?」


「はっ?…って何!?」


俺がイノマに問いかけると、イノマは驚きの表情を浮かべる。


それも当然だ。

いつの間にかカリンが百獣リオンのすぐ近くまで寄っていたんだからな。


「ば、バルナ!回避だ!」


急いでイノマが指示するが、時既に遅し。

カリンの尻尾が容赦なく百獣リオンの顔面にぶち当たった。


吹っ飛ぶ百獣リオンの横をカリンが走り抜き、また一撃。


それを数度繰り返したところで、百獣リオンは動かなくなった。


「なっ!お前、卑怯だろ!?」


「は?いや、油断していたお前が悪いし、条件は同じじゃねえか」


まあ、俺には念話があるわけだが。


わざわざ言う必要も見当たらない。


「それで、どうするんだ?百獣リオンはもう動けなさそうだけど?」


「くっ……」


イノマが顔を歪める。


俺は「この程度で終わりか」と少し残念な気持ちになっていたが、そのイノマの表情に違和感を覚えた。


微妙に口角が吊り上がっているのだ。


それも直後にわかることになった。


「バルナ!今だ、噛み砕け!」


イノマが先程の表情からは一転、悪い笑みを浮かべて百獣リオンに命令を出す。


百獣リオンはそれを聞いて直ぐに、傍にいるカリンに飛び寄った。


終わりかと油断させておいた状態での完全な奇襲。


これが通常の相手なら、魔物使いの指示は間に合わず、まともにくらって終了だっただろう。


そう、通常の相手なら(・・・・・・・)


だが、残念ながら今百獣リオンが相手にしているのは知性を持った魔物、カリンである。


俺の指示が間に合わなくても、独断で躱すことができる。


俺の予想通り、カリンは百獣リオンの奇襲を軽々と躱し、爪によるカウンターを浴びせた。


これによって百獣リオンは今度こそ動かなくなった。


「…なっ、んだと」


「それで、どうするんだ?百獣リオンはもう動けなさそうだけど?」


俺がさっきと全く同じセリフを言うと、イノマは今度こそ諦めたような表情で審判に自分の負けを告げた。


「審判、俺の負けだ」


『決まったぁぁぁ!優勝を勝ち取ったのは、ユウト選手だぁぁぁ!』


実況の声を境に、観客席から今までで一番大きい歓声が上がる。


俺が軽く腕を上げると、その歓声は更に高まった。


その声が少し収まったところでイノマが声を掛けてくる。


「ふぅ、俺の完敗だぜ。まさか、奇襲まで躱されちまうとはな」


「まあな。だが、もしも対戦相手が俺じゃなかったらお前が勝っていたと思うぞ?」


「いや、対戦相手がお前じゃなかったら奇襲まで行かずに倒しちまうよ」


「確かにそうかもしれないな」


冗談じゃなく、確かにイノマは相当な実力を持っていた。


魔物使い最強と呼ばれるのも頷けるところだ。


「ははっ、そう真顔で返されるとこっちもなんて言えばいいかわからなくなるんだがな」


「まあ、そこは褒め言葉として受け取っておけ」


「ははっ、そうさせてもらおう」


ふむ、こうして話してみるとイノマも結構いいやつだな。


そう考えると、やはりティフィアと(・・・・・・)イノマを(・・・・)あんな目に合わせたあいつを許すわけにはいかないな。


「それじゃ、俺は戻るよ。お前も色々インタビューされると思うが、まあがんばれよ」


そう言うイノマの顔は微妙に窶れた表情をしていた。


よっぽど疲れるんだろうな………。



俺がフィールドから出ていくイノマを尻目に見ながらカリンを撫でていると、おそらく実況をしていたと思われる人が、王や護衛と共にフィールドに降りてきた。


『ユウト選手、こちらへ来てください』


実況の人が俺を呼んだので、俺はカリンを応召して王の方へ歩いていく。


王が微妙に嫌な顔をしたのを俺は見逃さなかった。


『それでは!今から優勝したユウト選手に賞状の授与です!』


実況がそう言うと、観客席から拍手が起こった。


てか、賞状とかあったんだな。

ただ王と話すだけだと思ってたわ。


王が賞状を読み始める。


俺がそれを耳で受け流しながらぼんやりとフィールドの前方を眺めていると、一人の兵士が必死にこっちに走ってきているのが目に入った。


ってか、ん?あれ、ケイゴじゃないか?


ケイゴは俺に気づいていないのか、必死な顔をしながら近づいてくる。


そして、観客がポカーンとしている中、王に大きい声でこう言った。


「王様、大変です!魔物の大群が現れました!それも、過去に見たことの無いほどの強さを持つ魔物ばかりです!このままではこの街に多大な被害が出るかと思われますので、増援をお願いします!」





いや、観客の前で大きい声で言う内容じゃないだろ………。


ひとまずトーナメント編は終わりです。


次の章が終わったら街を移動する予定です。


皆様応援よろしくお願いしますm(__)m

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