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  作者: マグポ
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プロローグ:二人の事情

幼い頃から共にあり続けた二人がいた。

相川茜(あいかわあかね)堀北志乃(ほりきたしの)

二人は時に喧嘩をし、時にはカバーしあい、泣いたり笑ったりの二人だった。

その友情は高校時代になっても薄れる事はなかった。




***********

「じゃ!堀北さんよろしくね!」

そう言いながら足早に教室を去るクラスメイト。

恒例..の掃除当番だ。志乃はいつもクラスメイトに頼まれていた。

自分の用事がある時も、困ってる様子で頼みこんでくるクラスメイトに断れきれないまま恒例となってしまった。

今時真面目に掃除をして行く学生はいなくいつも一人での作業になっていた。


「はぁ~あんた本当にいい嫁さんになるよ」

「茜ちゃん!あ、もうすぐ終わりだからちょっと待ってて!」

ちょこまかと動く小動物を見てるような気分でさほど退屈もせず待っていると息を切らせ志乃がきた。

「また茜ちゃん待たせちゃったな~」とヘラヘラしている志乃にイラつく茜

「きっぱり断る!あんたそんな事もできない訳?!」

「私は茜ちゃんほど強くないし、別に苦じゃないから」と苦笑いする。


――この子ってばいっつもこう。

思い返せばまだ小学生の頃、志乃はいじめられていた。

もともと人見知りな性格でなかなかクラスの子に馴染めなかった。

大人には「大人しくていい子ね」と評判がよくても活発な子供からすれば、「暗くて気持ち悪い」印象に早変わりする。

一方茜は明るくサバサバしており、女の子だけでなく男の子からも同い年ながらに慕われる姉御肌なタイプだった。

そんな人気者の茜と幼馴染みであり、一番仲がいい志乃は嫉妬の影響もあったかもしれない。

茜は幼いながらもいじめに勘づきなるべく志乃といるようにしようと決意していたが志乃はいつも「私の事はいいから」と微笑んだ。

最初はいじめと言えるレベルでもなかったかもしれないが、志乃が何もしない事をいい事にどんどん増長していくクラスメイト達。

志乃の体型はぽっちゃりしていて小学校低学年には格好の餌食となった。

茜いわく「ハムスターみたいで可愛い」らしいが、果たして志乃は励まされたのか傷ついたのか。

茜は学校の帰り道に毎日口うるさく言った。


痩せれば可愛いんだからダイエットしなよ。

あたしが志乃ママに言ってあげようか?!

んも~!!そうやってイジイジしてるからあんた暗いって言われんのよ!!


子供は時に残酷である。茜は善意だったが志乃は微笑んで「そうだね、えへへ」と笑った。

だがその心は茜の追い打ちとも言える発言にズタズタにされていたかもしれない。


中学にあがった時にはいじめはなくなった。

志乃は料理やお菓子作りが趣味で「レストランやりたいな~」なんて発言をした。

今までの会話は本を読みながら適当に流していた茜もその言葉を敏感に察知し、

「レストランは接客業よ!!」とすごい剣幕で迫ってきて特訓と称し家の中で大きな声で「いらっしゃいませ」を笑顔で言う辱しめを受けたが、後に志乃は語る。あれが人生の転機だったと。


その特訓の成果だと自負する茜は「レクチャー代は出世払いでいいからね」と自信満々にいい放ったが内心一番喜んでいた。

志乃もまた明るくなれた自分に自信もでて茜に感謝していた。


それでも人間、根本まではなかなか変われないもの。

笑顔を見せ明るく振る舞う志乃だったが茜から言わせてもらえば、「ヘラヘラしてりゃいいってもんじゃない、あんたみたいのがヘラヘラいいよいいよって言うから外人にNoと言えない日本人って言われんのよ!志乃ったらその見本よ」

茜の痛烈な物言いも変わる事はなかった。


高校に入ってもそれは変わらず今に至る。


「私はさ、茜ちゃんみたいに綺麗な訳じゃないし、人を従わせるよりも従ってる方が楽チンなの、器量が悪くったって愛想良くしてれば上手くいくの~」

「でた。ネガティブ思想。まぁ私は志乃が思ってる以上に美人だけどさ、あはは」

「茜ちゃんはポジティブすぎるよ、ふふふ」こんな冗談のやりとりが日課だった。


さて帰りますか!と茜が座ってた椅子を机にあげる。志乃も帰り支度をしてる時にはっと気がついた。

不思議そうな顔をしている志乃に茜が「なにバカみたいな顔してんのよ」と笑いながら小突いた。

「いたっ!もう!茜ちゃん!何か変じゃない?」

「何が?変なのはあんたの顔でじゅーぶん!」「ちょっとふざけてないでよ!静かすぎない?」

志乃をからかって遊んでいた茜もようやく異変に気づく。

廊下に誰もいないのだ。

普段なら茜達と同様にお喋りにふける学生達が廊下やクラスなどで騒いでいる。

不審に思い茜が他のクラスを見てまわるがシーンとしていている気配すら感じない。

「へ‥変だよね‥‥?」恐がる志乃。

茜も不気味に思ったが、気丈に振る舞った。

「な、何いってんのよ、みんな忙しくて帰ったのよ」

「だって‥先生もいない。」「な、なによ職員室に決まってんじゃない!」

そう言って職員室に向かって走る茜。

「ま、待って茜ちゃん!」志乃もついていく。

だいぶ引き離されようやく職員室についた志乃は青い顔で立ち尽くす茜に「ど、どうしたの茜ちゃん?」と無駄なあがきとも言えるが問いかけた。

「帰るよ」と有無を言わさず手を握り走り出す茜。

本当に誰もいない‥何かが起きている。いったい何が‥?と混乱しながらも廊下を駆けて階段を降りる時。

二人は無情にも引き裂かれる事となる。


ガクンっ

踏み外した?!落ちる!!と思った瞬間に茜は引いてた手を離した。

茜ちゃん!!と叫び声が聞こえた。足元は黒い穴があいていて

あぁ、死んだな。志乃の手を離してよかった。と思いながら引力にひかれ落ちると共に意識をうしなった。


一方、目の前に広がる光景にただ泣きながら茜を呼ぶしかできなかった志乃はなぜ手を離したのかと自分を責めた。

勇気を出し穴を覗くとあるはずの茜がいない。

なに‥これ‥?と呆然とした志乃だったがそこに茜の死体がない事に希望を持った。

この穴に降りれば茜ちゃんにあえるかもしれない‥‥

そう決意した瞬間に自分のいる廊下にヒビが入りガラガラと崩れ穴に降りるまでもなく落とされたのだった。





 

初投稿です、駄文を読んでいただきありがとうございます。

まだ要素は出てませんが恋愛です、ほんとですw

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