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終末の遺品商Lv999

作者: 結城 からく
掲載日:2026/09/21

 曇天の下、数万のゴブリンが荒野を練り歩く。

 最後尾で担がれた玉座に腰かけるのは、錆びた王冠を被る大柄なゴブリンだった。

 ゴブリンの王は卑屈な表情で前方を睨んでいる。

 遥か先には、城壁に囲われた人間の都市がそびえ立っていた。


 荒野を踏破したゴブリンの軍勢は、城壁を粉砕して都市内へと侵入する。

 無力な人々は為す術もなく逃げ惑う。


「助けてくれぇ!」


「もうおしまいだ!」


「世界は滅びるんだっ!」


 刹那、数十匹のゴブリンの軍勢が爆散した。

 次の瞬間、また別の場所で数百匹のゴブリンがバラバラに飛び散る。

 そのような現象が連発し、都市内にいたはずのゴブリンは瞬く間に数を減らしていく。


 異変に気付いたゴブリン達は一か所に固まって警戒する。

 そこに現れたのは無精ひげを生やしたみすぼらしい男――遺品商ラクレだった。

 ラクレは極太の剣を掲げて皮肉っぽく笑う。

 彼は刃を一瞥して自慢した。


「気になるか? 轟剣ヒューツっていうんだ。お前らに使うにゃ勿体ない名剣さ」


 ラクレは返答を待たずに轟剣を掲げた。

 そして渾身の力で振り下ろす。


「ぶっ飛びやがれ」


 轟剣ヒューツの刃が地面に叩き込まれた。

 発生した破壊力はその場で炸裂せず、ラクレの意思に従って地中を潜行する。

 数秒後、圧縮された破壊力がゴブリン達の足元で一気に解放された。

 つんざくような爆音と共に、悲鳴を上げたゴブリン達の血肉が迸る。


「あー、疲れるな。そりゃそうか。本来、俺如きが扱える代物じゃねぇからな」


 肩を回すラクレは、じっと一点を見つめる。

 崩れた外壁を乗り越えて現れたのはゴブリンの王だった。

 その手には赤と青の二振りの剣が握られている。

 ラクレは意外そうな顔で呟いた。


「炎剣ラミラ、氷剣ベリオン……こんなところで見つけられるなんてな」


 ゴブリンの王が二種の剣を振り下ろそうとする。

 しかし、その前に両腕の肘から先が綺麗に消失していた。

 遅れて断面から鮮血が溢れ出す。


 高速移動したラクレは、ゴブリンの王の背後にいた。

 小脇には、奪い取った二種の剣を抱えている。


「すまんね。お前にこいつらを振る資格はねぇよ」


 ゴブリンの王が咆哮を上げた瞬間、その首が刎ね飛ばされた。

 轟剣を鞘に戻したラクレは、新たな武器たちに告げる。


「さあ、俺と一緒に行こう。前の持ち主ほどじゃないが、なるべく頑張って使いこなすよ」

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― 新着の感想 ―
なんすかこれは! 続きが楽しみでしょうがないでしょうがーーー!
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