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ウンディーネシリーズ番外編  作者: 咲佐きさ


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『ウンディーネは月夜に遊ぶ』番外編 フルトブラントの独白1

 初めて会ったとき、あいつは5歳の、まだほんの子供だった。

 コンクールで何度か遭遇するうち親しく言葉を交わすようになり、住んでいるところがごく近いことも知った。

 素直な子供のルーは、俺が自宅に招いたその日の夕暮れには父親同伴で俺の家に現れていた。

「あそびにきたよ、おにいちゃん!」

 キラキラと輝く笑顔を無下にすることもできず、当時11歳の俺は中庭にルーを連れ出して、サッカーボールを蹴ったりしてしばらく遊んでやった。キャッキャと笑いながら俺を追いかけるルーは、コンクールの時に見た神々しいまでの神童と同一人物とはとても思えない様子だった。

 それからだ。学校帰りにルーは俺の家に立ち寄るようになり、一緒に出掛けてジェラートを食べたり、広間のグランドピアノで連弾したりするようになった。

 ルーはいつも肘まであるメリンスの長手袋を身に着けており、ピアノを弾く時以外には決して外さなかった。

 夏季休暇に、イタリアにある別荘に誘ったときにも、その手袋をつけてきたので、俺は面食らったのだった。

「それ、暑くないのか?」

「でも、とうさんがはずしたらだめだって。ぼくのゆびは、たいせつだからって」

「おまえはそれでいいの?」

「とうさんのいうことは、絶対だから」

「ふーん」

 ルーの荷物を届けて、たまたま家にいた俺の両親に愛想よく挨拶して、ルーの父親は帰っていった。別荘に出かけるのは俺とルーと、ハウスメイドのヨランダと、運転手のセラノだけだ。

 別荘に向かう車の中で、俺はルーを唆す。ルーの才能は本物だとは思うけれど、だからって、彼の父親の過干渉は、異常じゃないかと思っていたから。

「イタリアに着いたら、ここよりもっと暑いよ。それ、外したら」

「でも、とうさんが…」

「手袋してたら川遊びもできないよ。いいの? 泳いだりとか魚釣りとか、したくない?」

「…したい」

 いいのかな、と不安げに見上げるルーのいたいけな様子に悪戯心が兆して、

「とうさんには黙っててやるよ。それに、もし怪我したら、俺のせいにしていい。俺に無理やり外されたって、言えば」

「……」

 ルーが考え込んだのは、ほんの数秒だった。

 あっさりと長手袋を脱ぎ捨てたルーは汗でふやけた指先を開いて、俺に見せた。

「きもちいい! みて、おにいちゃん!」

 ちいさな指先に貝殻色の爪が愛らしく貼りついている。まだ幼く、ふくふくとした掌を俺は握って、

「これでいっぱい遊べるな」

 と、心配事なんて何もないかのようにルーに笑いかけてやった。


 ラヴェンナの別荘に着くと、荷物を放り出して俺とルーは町に出かけた。

 自転車の後ろに俺にしがみつくルーを載せて、坂道を一息に駆け降りる。

 ルーはきゃあきゃあ燥いで、柔らかな頬をぺったりと俺の背にくっつけて、俺はただ前だけを向いてハンドルを切る。

 ルーにけがをさせたら一大事だから、真剣だ。

 石畳の街の、教会のモザイク装飾やらを見て回って、ジェラートの屋台でイチゴとピスタチオのジェラートを買う。

 ルーはジェラートがうまく食べられなくて、いつもべとべとに口の周りを汚してしまう。

 ルーが口を汚すたび、ハンカチで擦るように拭ってやると、赤い頬のルーは無邪気に笑って、

「おにいちゃんのもひとくち頂戴」

 と強請るのだ。

「じゃあ、はんぶんこ、な」

 ぺろぺろと赤い舌を懸命に伸ばしてジェラートを舐めるルーがかわいくて、俺は緩む口元をごまかしながら、ルーにジェラートを差し出した。小さいからだでいつもは小食のルーだけど、ジェラートだけは別腹とでもいうように、あいつはふたつのジェラートのほとんどをその小さな胃に収めた。


 街には市が出ていて、奇妙なかたちの陶器の置物や、皿やカップ、どこの国の由来かわからない仮面やブローチなどがところせましと並んでいる。

 俺とルーはそれらをひやかし笑いあいながら歩く。市場のおばさんに年齢を聞かれるたび、ルーは律儀に答えている。

「おにいちゃんとおでかけなの、いいわねえ」

 流暢なイタリア語に目を白黒させるルーを庇い、適当なイタリア語で返すと、ルーは尊敬のまなざしで見てくる。

「おにいちゃん、イタリア語話せるの」

「ちょっとだけなら。毎年夏ごとにこっちに来てるから、覚えたよ」

「へええ、すっごいなあ。僕フランス語しかわかんないや」

「お前はまだ5歳だから、十分だろう。まずフランス語を身につけろよ。詩とか、物語とか」

「おにいちゃん、本もたくさんよむの?」

「まあ人並みに。うちに書斎があるから、夜なにか読んでやろうか?」

「やったあ! ぼくね、ぼうけんのおはなしがすき!」

「冒険か…ロビンソン・クルーソーとか? イギリスの話だけど」

「なんでもいいよ、おにいちゃんがえらんでくれるなら」

  

 空が茜色になるまで街で遊んで、また自転車で郊外の別荘まで帰る。

 おさないルーは眠気に耐え切れず何度も座席から落ちそうになって、仕方がないから前に抱えて片手で運転した。

 夕間暮れの乾いた風に身を震わせて、抱き着いてくるルーが、可愛らしかった。



 崖になった高台から度胸試しに飛び込む子供らをしり目に、俺はおさないルーを連れて浅瀬で水を跳ね飛ばす。

 ぴちゃぴちゃと飛び跳ねて喜んでいたルーは足を滑らせてぐしょ濡れになり、

「パンツまでぬれちゃったあ、きもちわるい」

 と大声で泣いた。

 とりあえずルーに怪我がないのを確かめて、しゃくりあげるルーを背負って別荘に戻る。着替えを用意してこなかったのは完全に俺のミスだった。気持ちばかり急く俺に背負われたルーはすぐに泣き止み、「おにいちゃん、トンボがいるよ」と呑気な声を出していた。



 別荘には年代物のチェンバロがある。父さんがここを買ったときについてきたものらしく、埃をかぶっていたそれをきちんと調律すると、近世ヨーロッパの宮廷御用達みたいな音色で歌う。

 ルーはそれをひどく気に入って、即興演奏で何時間でも遊んでいる。

 俺も、ルーの作る曲は好きだから、何時間でもつきあう。

 時には母さんのヴァイオリンを借りて、デュエットをすることもある。

 ポンセのエストレリータや、モーツァルトのソナタ21番等々、共に演奏し、夜も更けて、ハウスメイドのヨランダに急きたてられてルーと一緒にシャワーを浴びて、シーツに潜り込めば爛々とした瞳のルーが笑う。

「たのしいねえ、ぼく、おにいちゃんといるのがいちばんすき」

「学校の友達は? いるんだろ、友達」

「いるけど、おもしろくないんだ。おんがくのはなしをしてもわからないっていうし。ぼくがピアノをひいても、おにいちゃんみたいによろこんでくれない」

「ふーん。おまえのすごさがわからないなんて、まだまだコドモだな」

「そう、こどもなの」

 くすくすとルーは笑って、「ねえおにいちゃん」と甘えた声を出す。

「おにいちゃんって、すきなひと、いるの?」

「…なんで」

「きになったから。もてそうだし」

「マセガキだなあ、おまえ」

「ませ? はよくわかんないけど、ぼくはいるよ。カノジョが、さんにん」

「…ずいぶんおおいな」

「みーんなぼくのことがすきなんだって。えらべないから、さんにん」

「結婚はひとりとしかできないんだぞ」

「そうなの? こまったなあ」

「じゃあどうする、どの子を選ぼうか」

「じゃあぼくはおにいちゃんにしよ」

「…おれ?」

「ぼくがいちばんすきなの、おにいちゃんだから。ひとりでいるの、かわいそうだし」

「おれはかわいそうかな」

「おとうさんもおかあさんもいっしょにこないの、かわいそうだよ。ぼくんちはいつも、とうさんもかあさんもねえさんも、ずーっといっしょだから」

「それはそれで、窮屈そうだけど」

「そう?」

「俺の両親は、仕事が忙しいんだ。べつに俺もそれに不便は感じていない。中等教育が終わったら、寄宿制の学校に行くことになってる」

「きしゅく?」

「家を出るってこと」

「おにいちゃん、いなくなっちゃうの? いやだよ、いなくならないで」

「…夏季休暇のたびに戻ってくるよ。そしたらまた、ここに来よう」

「おねがいね。やくそくだからね」

 俺とルーはシーツの暗闇のなかで、神聖な約束のように、額を合わせて、誓い合った。

 


 それから幾度も季節が廻り、ルーはどんどん注目されるようになっていった。

 彼の活躍の場はフランスに留まらず、イタリア、イギリス、ドイツ、アメリカとその範囲を広げていった。

 書店にはあいつの顔面を印刷した新聞やタブロイド紙が並び、観光客はこぞって彼の生家を訪れる。

 彼が12になるころにはぱったりと家の行き来も絶え、俺はレコードやラジオで彼の曲を耳にするだけになっていた。

 俺は大学に進学し、経済学を学んでいた。ピアノやヴァイオリンはまだつづけていたが音大に入れるほどの実力はなく、何より、11で圧倒的な天才に打ちのめされた俺には音楽の道に進むことなど考えられもしなかった。

 ルーのいない日々は平穏で、退屈で、味気なかったけれど、それも仕方のない事だと思っていた。

 舞台の上のルーを見れば、あれが神に愛された唯一無二の、神聖なる天才であると、誰しもが思うであろう。

 俺はあいつの活躍を遠く耳にするだけで満足だった。自分が最初に見出した、などと言うつもりはないけれど、あいつには今の地位こそが最も相応しいものだと思っていたからだ。


 同じ学部の女性に、ルーのコンサートに誘われたのは、そんな折だった。

 プレミアムのチケットを手に入れた彼女は、友達に断られたからと俺を誘い、俺は一も二もなく同意していた。

 数年ぶりに見る舞台上のルーはやはり以前と少しも変わらず神々しくて、美しかった。

 腰までの金髪を赤いベルベットのリボンでポニーテールに纏め、少女じみた赤い唇と夏の朝のアドリア海のように澄んだ碧の瞳が煌めき、無心になって細い指を鍵盤に躍らせる。

 背丈が伸びて、顔立ちに凛としたものが加わったルーは、可憐な百合のように孤高で気高く、その音色は観客を圧倒した。

 割れんばかりの拍手を彼に注ぎながら、俺は感無量だった。


 何度かそんなふうに誘われるうち、カウントダウンパーティーに招かれ、新年に沸き立つ仲間内で、彼女は俺に好意を伝えた。

 穏やかで優しい彼女を恋愛対象にと考えたことはなかったが、その真剣な瞳が誰かを思い出させて、俺は了承していた。

 白い肌とブロンド、華奢な身体に碧の瞳。これは彼女に対しても、ルーに対しても、甚だ失礼なことではあるのだが、ルーが女性であったなら、こんなふうだったのではないかと、考えてしまったこともある。彼女には断じて、伝えられないが。

 手の届かない偶像を愛す俺に尽くしてくれる彼女を不憫に感じる思いも、あったのかもしれない。

 いずれにせよ、俺はそうして、平穏なまま、生きていけると思っていた。


 街角でルーとすれ違ったのは、あいつが14になるころだった。

 そのとき俺は彼女への誕生日プレゼントを持って、待ち合わせ場所に急いでいた。角をぐるりと曲がったところで、数メートル先から歩いてくる、ルーに遭遇した。

 俺は思わず固まってしまい、そのまま時が止まったような気がしていたが、ルーは俺に気付かず通り過ぎた。

 きしんだ金髪にやつれた肌の色、振り返って見返してしまったほど、ルーは荒れた様子で、ただ、同世代の少年少女と肩を組んで燥いでいた。何か不穏なものを感じたが、思い過ごしであればいいと念じ、俺はそのまま歩き出した。彼と俺との道はもはや平行線に伸びていて、交わることはないのだと、そう思っていたからだ。

 あのとき声をかけていれば、彼の未来はもう少し、違った形になっていたのではないかと、今でも時折思う。



 ルーのスキャンダルがタブロイド紙に踊ったのはそれから1年後だ。

 同学部の友人に冗談交じりに渡されたそれには、ルーのここ数年の悪行が、事細かに記載されていた。

 俺はそいつを握りしめたまま、その足で彼の生家に向かい、引きこもっているというルーを訪ねた。

 ルーの生家にはパパラッチが押し寄せ、すさまじいフラッシュの嵐だった。囂々と沸き立つ怒号の合間を縫って裏口に向かえば、ルーの姉がいて、俺を密かに通してくれた。

 引き攣った表情の父親は俺をルーに会わせることをひどく渋っていたが、ルー本人が現れてその押し問答は途絶えた。

 部屋に俺を通したルーは淡々とした様子で、

「外、すごいだろ」「有名人って窮屈だよなあ、うんざりするよ」などと嘯いていた。

「お前は、大丈夫なのか」

「べつにー。もともと僕のやってたことをバラされたってだけだから。もっとこう、悪い子で売り出してればよかったなあ。これは父さんの戦略ミスだね」

 ルーは乾いた声で笑って、俺の手の中でくしゃくしゃになったタブロイド紙に目を留める。

「それ、もう読んじゃった? 驚いたろう。おにいちゃんには、刺激が強かったかもね」

「こんなものは、どうでもいい。お前の精神状態のほうが心配だ」

「そんなふうに言ってくれたのはおにいちゃんだけだぜ。やあ、うれしいなあ」

 ルーは口笛を吹いてベッドに膝を立て、そこに頬を載せて上目遣いで見上げる。

「おにいちゃんはどうしてたの。しばらく来てくれなかったじゃないか」

「家を空けてばかりいたのは、お前だろう…」

「バレてたか。そうそう、パリとニューヨークとミラノに彼女がひとりずついてさ。かわりばんこに泊っていたら帰ってくる暇もないっての」

「また3人か…」

「おにいちゃんはどうなのさ。彼女できた? まさかまだ童貞ってことはないだろ?」

「…彼女はいる」

「へえ、どんな子? 会ってみたいなあ、おにいちゃんをオトすなんてなかなかだね。美人? スタイルはいい? オッパイでかい?」

「…そういう話はいい」

「なんでさ。僕は聞きたいなア! カノジョさんには黙っていてあげるからさ、愚痴とかなんでも言っていいよ! セックスに不満があるとかさあ…」

「結婚を前提に付き合っている。以上だ」

 あまりにしつこく絡むルーに困惑し、事実だけを端的に述べれば、瞬間、ルーの顔が歪む。血管が透けて見えるほど白いその肌が、青みを帯びる。

 泣き出す寸前のような、おさないその顔に見覚えがあって、何か言い継ごうとする俺を遮り、ルーはまた乾いた笑いを落とす。

「あてられちゃうなア、君がしあわせならなによりだ。結婚式には僕も呼んでよ。あ、でも、カノジョさんは嫌がるかな。僕みたいなのが参列したらさ…」

「…ルー、どうした? 何が…」

「きみがうらやましいって話さ。いいよなあ、僕なんか、この間オッサンに掘られかけたんだぜ。芸能人なんてやってると、碌なことがないよ、まったく」

 なんでもない事のように言っては、からからと笑う。それがまるで泣いているように、俺には聞こえる。

 もともと泣き虫で、繊細で、素直で純粋なルーのことだ。彼がどれだけ傷ついてきたのか、傷ついているのか、計り知れないほどの、強い痛みを感じているのか、すべて理解できるとは言えないけれど、察することはできる。

 滔々と、淡々と、その顛末を語るルーが、幼いままのその頬が、痛ましくて、苦しくて、たまらなくなる。

 俺の憧れていた天使は、こんなふうに、傷つけられていいような存在じゃない。

 ごみのように、世間に見放されて、呆気なく、棄てられていいわけがない。

 お前はもっと、大切にされるべきだ。そうじゃないなら、どうして俺は、お前の手を離してしまったのか、わからなくなる――

「…お前のことが好きだった、ずっと昔から」

 言葉は自然に転がり出ていた。

 ルーを慰めたくて言ったわけじゃない。想いを伝える気など、そもそもなかった。こんなときにこんなことをルーに言っても、彼を追い詰めるだけだ。それも、わかっていたはずだった。

 ルーはすとんと表情をなくして、軽蔑したような、失望したような、そんな目の色で俺を見て、俺を詰って、それで、

「聞かなかったことにしてやるよ、優しいだろう? カノジョさんとお幸せにね」

 最後通告のように告げた。俺は、自分の愚かさで、ルーの心を閉ざさせてしまった。



 それから先のことは、あまり思い出したくない。

 両親を相次いで亡くしたルーは姉とともに親戚の家に身を寄せ、そして、そこから忽然と姿を消した。

 借金取りに追われて身を隠したのだとか、彼を寵愛する大女優に囲われているのだとか、様々な噂が飛び交ったが、真相は闇の中だった。

 もう二度と会いたくない、とルーに言われた言葉が、何度も俺の脳を揺さぶり、明け方に目覚めては後悔に苛まれる。

 ルーを見つけ出さなればいけない。あいつを傷つけたまま、彼を見捨てて、生きていくことなどできない。

 俺は一人勝手にそう定め、彼女と別れ、父親主催のパーティーで、パリの映画祭に参加するというフェリシアに近づいた。

 大学卒業と同時に、有名な映画プロデューサーの娘であるフェリシアの口利きで、映画俳優としてデビューした。

 「芸能界」というものに全く縁のなかった俺には、他にルーを探す手段もなかった。

 それから出会う様々な人を利用し、成り上がり、傷つけて、俺は今の地位を手に入れた。

 フェリシアには感謝している。手も握らず、口づけさえできない俺を許し、力になると言ってくれた。

 利用されているとわかっていて、身勝手で、傲慢で、鼻持ちならない嫌な男であるはずの俺を受け入れ、尽くしてくれた。

 最初に離婚を切り出したのは、そんな彼女を、開放してやらなければと思ったからだ。俺の我儘に付き合い、振り回され、憔悴していく彼女を見ているのも嫌だった。美しいブロンドと、あの日のような碧の瞳に、ルーを重ねる自分が、許せなかった。

 彼女は納得せず、その話は有耶無耶になってしまったけれど、俺はもう心に決めていた。

 そして俺は、不名誉を被るつもりで男娼窟にでかけ、そこでルーに、再会したのだ。――



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